なんともスゴいタイトルですが、
糖尿病ネットワークによると、
英国のインペリアル カレッジ ロンドンの研究チームは、糖尿病治療に多く使われている「DPP-4阻害薬」「GLP-1受容体作動薬」「SGLT2阻害薬」の3つのタイプの血糖降下薬を比較する研究を行った。欧米では糖尿病患者の3人に1人以上がこの3剤のうちどれかを処方されているという
ここ10年で糖尿病薬は大きく変化してきました。
様様な効果を持ったたくさんの薬が開発されました。
それは同時に、選択肢が増えたことを意味し、
患者さんのライフスタイルに合わせることが
できるようになってきました。
中でも、
- DPP-4阻害薬
- GLP-1受容体作動薬
- SGLT2阻害薬
は特によく使われる薬です。
簡単に説明すると、
- DPP-4阻害薬
膵臓からインスリン分泌を促進する薬。
血糖値が上がりそうな食後などだけに効いて、
単独だと低血糖はほとんど起こらない。
- GLP-1受容体作動薬
膵臓からインスリン分泌を促進する薬。
血糖値を下げる仕組みはDPP-4阻害薬とほぼ同じ。
単独だと低血糖を起こしにくい。
注射薬(皮下注射)で、
1日1回投与と1週間1回投与の製剤がある。
胃での消化を緩やかにすることで食欲中枢を抑える作用もある。
- SGLT2阻害薬
腎臓に作用する。
血液中のブドウ糖を尿の中に多量に排出させ血糖値を下げる。
インスリン分泌に依存しない作用機序のため低血糖の心配が少ない。
というものです。
これら糖尿病3大薬を比較したそうです。
すると、
3タイプの治療薬は、血糖値を低下させる効果は共通しているが、心疾患などの死亡リスクへの影響については差が出た。SGLT2阻害薬は、プラセボ群と薬物未使用の群に比べ、死亡リスクを20%低下させたことが明らかになった。また、GLP-1受容体作動薬は死亡リスクを18%減少させた。
SGLT2阻害薬とGLP-1受容体作動薬の間には有意差はなかった。一方でDPP-4阻害薬は、プラセボ群と薬物未使用の群に比べ、死亡リスクの低下と関連しないことが分かった。
研究者は、DPP-4阻害薬は安定した血糖降下作用を見込めるが、心血管疾患の抑制効果は、GLP-1受容体作動薬、SGLT2阻害薬ほどではないと推定している。
3つ共に「血糖値を低下させる」のはもちろんのこと、
「SGLT2阻害薬」
「GLP-1受容体作動薬」
については、
現時点で心疾患などの死亡リスクを約20%低下させた
という結論がでたそうです。
乱暴に言えば
「糖尿病薬で心臓を守ることができる、かも!?」
ということのようです。
ただし、
糖尿病薬を飲めば心臓の病気にならないのでは「ありません」。
人や疾患の状態によってリスクが下がることもある
と理解した方がいいようです。
そして、この記事の前提にもなっていますが、
糖尿病は薬物治療だけでよくなることはありません。
食事と運動を整えた上で、
薬のチカラを借りるのが基本です。
とは言え、
研究が進み新たな可能性が見えたら、
と心から願っています。
★わん!ポイント★
糖尿病薬がよく効くようにするためには、
食事や運動が欠かせない、
というレポートもあります。
日常をどのように過ごすかで、
薬の効き目も変わってくるのです。
最強なのは、
健康的な毎日を過ごすこと、
だと私は考えます。
ー適材適食ー
小園亜由美(こぞのあゆみ)|管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ・健康運動指導士
*1:文中の表現は全ての人が対象ではない場合があります。現在治療中の方は必ず担当医や管理栄養士の指示に従ってください。食事療法は治療です。ひとりひとりの身体の状態に合わせた適切でオーダーメイドなカウンセリングが必要です。充分に注意してください。