糖尿病は生活習慣病の1つに挙げられていますが、
生活習慣だけではなく、
遺伝によるものであることはわかっていました。
親戚、両親、兄弟に糖尿病のある人がいる場合、
糖尿病になる人が多かったからです。
しかし、今回曖昧だった「遺伝」の部分が
具体的な「この遺伝子」としてわかってきた、
というお話です。
私がこちらのデータで一番注目しているのは
「日本人が対象」で行われた調査である点です。
研究グループは、1990年と1993年に、岩手、秋田、長野、沖縄、茨城、新潟、高知、長崎の9保健所管内に在住していた4,753人を対象に、糖尿病の感受性があるとみられる「遺伝子多型」による2型糖尿病罹患の予測能との関係を調べた。
遺伝についてですから、
同じ日本人を対象に行ったことで、
より数字に重みが増すと考えています。
記事では、
全体での糖尿病になりやすさは
特定の遺伝子を持つ場合・・・・・約1.2倍
最も発症しなかったグループと
発症したグループの差の最大は・・・2.34倍
としています。
今までは、
- 年齢
- 性別
- 喫煙歴
- BMI
- 糖尿病家族歴
- 降圧薬の服用
といったもので
将来糖尿病が発症するのではないかという予測を
立てていました。
これを「リスク因子」と呼んでいます。
このリスク因子に今回の遺伝子要素を加えた場合、
「2.1%」だけ予測値が高まったとのことです。
まだ研究の途中なので、
今結論を出すのはおかしいことなのですが、
それでもわかることがあります。
糖尿病は
遺伝によって発症することもあるが、
生活習慣の影響が非常に大きい。
ということだと私は考えます。
ただ糖尿病を発症する遺伝子を突き止めることができれば
1度発症したら完治することのない糖尿病を
治すことができる、そんな薬が開発されるかも知れない!
と思いました。
そうなれば、1型糖尿病から開放されるかも知れません。
期待は高まります。
★わん!ポイント★
日々進化しています。
私が医療人となってからも、
以前紹介したように多くの糖尿病の薬が出ています。
薬のチカラを借りることはよいことだと思います。
ただ食事や運動をちゃんとやっていくことが
糖尿病のない人にとっても大切だとわかってきています。
でもなかなかできない。
糖尿病治療に管理栄養士が必要とされている以上、
誰にでもできる食べると動くことこそが
難しいことなのだ、と示している気がします。
もっとたくさんの人たちに
伝えていきたいと今、強く思っています。
ー適材適食ー
小園亜由美(こぞのあゆみ)|管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ・健康運動指導士
*1:文中の表現は全ての人が対象ではない場合があります。現在治療中の方は必ず担当医や管理栄養士の指示に従ってください。食事療法は治療です。ひとりひとりの身体の状態に合わせた適切でオーダーメイドなカウンセリングが必要です。充分に注意してください。