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適材適食 -てきざいてきしょく-

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236食目「善玉と悪玉。それ、勘違いかも!?」意外と間違えている人が多い善玉と悪玉の話。

「善玉と悪玉。それ、勘違いかも!?」意外と間違えている人が多い善玉と悪玉の話。【適材適食】小園亜由美(管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ)

 

健康診断や血液検査を行った際、

『善玉、悪玉』と聞いて

あなたは何を思い浮かべますか?

 

食事カウンセリングの時にこんな会話がありました。

LDLが高かったので、

善玉菌を増やそうと思って

毎日ヨーグルトを食べています。

『うんうん』

とうなずいている人も多いと思います。

 

ちょっと待って!

それって別の話ですよ?!

さてどこが違うのでしょう?

わかりますか?

 

ヒント★

2つの話が1つになっています。

 

 

では説明していきます。

 

 

血液検査の結果に

LDLやHDLと言った項目に

数値が記入されていることがあります。

このLDLやHDLは、

LDL・・・LDLコレステロール

HDL・・・HDLコレステロール

の略で、

LDLを「悪玉コレステロール」

HDLを「善玉コレステロール」

と言うことがあります。

 

ところで「コレステロール」とはなんでしょう?

コレステロールとは「脂質」の仲間のことです。

 

ちなみに脂質にはコレステロールのほかに

・中性脂肪 :いわゆる「脂肪」のこと

・リン脂肪 :レシチンなど

・脂肪酸  :リノール酸やEPAなど

などがあります。

 

コレステロールは

・細胞膜

・ホルモン

・ビタミンD

・胆汁酸

などの材料となります。

 

そしてコレステロールは脂質ですが

エネルギー源として使われることはないのです。

 

さてLDLとHDLはどんな差があるのでしょう。

 

コレステロールは脂質のため、血液に溶けることができません。

そのため「リポ蛋白」という細かい粒子に混ざって

血液の中を流れて全身に届けられます。

この「リポ蛋白(たんぱく)」の名前が

「LDL」と「HDL」なのです。

 

LDLは「低密度リポ蛋白」と呼ばれ、

肝臓から出てきたリポ蛋白が「小さく」なったもので、

血液の中で最も数が多い粒子です。

このLDLに含まれるコレステロールを

「LDLコレステロール」

と呼びます。

全身の細胞は主にこのLDLからコレステロールを取り込み、

材料として使います。

LDLは血管の壁に入り込み、動脈硬化の原因になります。

だからLDLコレステロールは

「悪玉コレステロール」と呼ぶことがあるのです。

 

HDLは「高密度リポ蛋白」と呼ばれ、

細胞が使わなくなったコレステロールを

肝臓に運ぶための粒子です。

このHDLに含まれるコレステロールを

「HDLコレステロール」

と呼びます。

HDLは動脈硬化となった血管からも

コレステロールを剥がすことができます。

だからHDLコレステロールは

「善玉コレステロール」と呼ぶことがあるのです。

 

でも、

LDLは使う材料のコレステロールを運んでいて、

HDLは使わない材料のコレステロールを運んでいるので

どちらも適量必要なのです。

 

 

 

さて、

もうひとつの「善玉」と「悪玉」の話に移ります。

「善玉菌」と「悪玉菌」です。

先程は「血液」や「細胞」でしたが、

今度はどちらも「腸内」の話です。

 

腸内には大きく分けて

「善玉菌」

「悪玉菌」

「日和見(ひよりみ)菌」

という細菌がいます。

 

それぞれ代表的なものとして

・善玉菌 :ビフィズス菌、乳酸菌など

・悪玉菌 :ブドウ菌、ウェルシュ菌、大腸菌など

・日和見菌:バクテロイデス、連鎖球菌など

などです。

 

それぞれ良いモノ悪いモノも含め働きが違います。

■善玉菌(=健康維持)

 ・ビタミン合成

 ・消化吸収の補助

 ・感染防御

 ・免疫刺激

■悪玉菌(=病気のきっかけ)

 ・腸内腐敗

 ・細菌毒素の産生

 ・発がん物質の産生

 ・ガス発生

です。

日和見菌はと言うと

カラダが元気で健康な時は大人しくしていますが

弱ってきたりすると腸内で悪い働きをし出します。

だから

「日和見=形勢を見て有利な方へ付く」

と呼ばれています。

 

 

もうお判りですね、

「善玉悪玉」と言う言葉を使うのは、

「コレステロール」と「腸内細菌」の

2つあり、それぞれ別の話なのです。

 

 

★わん!ポイント★

LDLコレステロールが高い場合、

食物繊維を多く摂る事が大切です。

食物繊維は腸内環境を整える上でも有効です。

野菜は食物繊維を含むものが多い食材です。

野菜を食べましょう!

毎回の食事の一番最初に食べる「ベジ・ファースト」をオススメします。

 

*なお

コレステロール値によっては

薬による治療も有効です。

医師に相談しましょう。

 

 

 

ー適材適食ー

小園亜由美(こぞのあゆみ)|管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ・健康運動指導士

 

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*1:文中の表現は全ての人が対象ではない場合があります。現在治療中の方は必ず担当医や管理栄養士の指示に従ってください。食事療法は治療です。ひとりひとりの身体の状態に合わせた適切でオーダーメイドなカウンセリングが必要です。充分に注意してください。