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適材適食 -てきざいてきしょく-

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270食目「酷暑のためこどもたちのビタミンDが足りない!?」日光に当たることで体内にビタミンDは作られるのです

「酷暑のためこどもたちのビタミンDが足りない!?」日光に当たることで体内にビタミンDは作られるのです【適材適食】小園亜由美(管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ)

 

9月も終わりに近づいてきて

ようやく酷暑から解放されてきた感じですが、

みなさん「日光に当たってる」でしょうか。

 

今、1歳から15歳のこどもたちに

【ビタミンD不足症】が増えているそうです。

ビタミンD不足症とはその名の通り、

体内にビタミンDが足りなくなってしまい、

特に骨に痛みや異常が起きてしまう可能性があります。

 

ビタミンDの不足によって起きる病気は

  • 高血圧
  • 結核
  • がん
  • 歯周病
  • 多発性硬化症
  • うつ病
  • 末梢動脈疾患
  • 1型糖尿病を含む自己免疫疾患

などと言われており、

特に乳幼児などこどもが不足すると、

  • 頭蓋ずがいろう(頭蓋骨が軟らかくなる)
  • くる病(O脚)

などの症状として現れます。

実際に

2006年に生まれた

約1100人の申請の頭蓋骨を調べたところ、

約20%の新生児に頭蓋ろうが見られた

 

出典:朝日新聞2018年9月20日朝刊23面より抜粋

との報告もあり、

ビタミンD不足症は5年で3倍以上と

年々増加傾向にあると言われています。

 

 

ビタミンDは

  • 腸からのカルシウムの吸収を高める
  • 腎臓の働きにより血液中から尿へカルシウムが出ないようにする
  • 骨から血液中へカルシウムを放出する

などの働きを持っている必須栄養素です。

見て判るように「カルシウム」と大きな関わりを持ったビタミンです。

 

ビタミンDは脂溶性で脂に溶けやすいビタミンです。

ビタミンと言えば野菜や果物というイメージがあると思いますが、

ビタミンDはキノコ類を除いて野菜には殆ど含まれていません。

代わりに動物、特に「魚」に多く含まれています。

  • しらす干し
  • 焼き紅鮭
  • いわしの缶詰
  • 焼きさんま
  • さばの水煮缶詰

などに多く含まれています。

 

 

 

 

実はビタミンDは食べものから吸収する以外にも

体内で作ることができます。

その方法とは

 

 日光に当たる

 

ことです。

適量の紫外線が皮膚に当たることで体内にある

コレステロールの仲間を使って

ビタミンDを合成することができるのです。

 

では、どれくらい日光浴をしたらいいのでしょう。

ヒトにおいては、

午前10時から午後3時の日光で、

少なくとも週に2回、5分から30分の間、

日焼け止めクリームなしで、

顔、手足、背中への日光浴で、

十分な量のビタミンDが体内で生合成される。

 

日本人に最も多い肌の色スキンタイプIIIで

顔と手のひらだけに紫外線を浴びた場合、

7月の日本の北海道札幌、茨城県つくば、沖縄県那覇では、

10μgのビタミンD生成に必要な日光浴時間は10~20分であり、

12月では、それぞれ139分、41分、14分となり大幅に増加する。

 

紫外線が皮膚に有害となるのは

その約2倍から3倍の時間浴びた場合である。

 

ビタミンD - Wikipedia

 

ということです。

夏場は20分以内、

冬場の福岡なら20分程度

で生成できてしまうのです。

 

 

難しいは「紫外線対策」です。

紫外線を浴びすぎることは人体には有害です。

日焼けを避けるために、

入念に日焼け止めなどを塗って外出します。

すると

ビタミンDを生成するために

必要な紫外線すらブロックしてしまう

のです。

 

特に乳幼児などは

今年のような気温も湿度も高い酷暑の場合、

外出を控え屋内で過ごしたり、

外出をしても紫外線対策をしすぎてしまう、

ということが原因と言われています。

 

こどもたちだけでなく、

妊婦にも同じことが言えるそうです。

 

頭蓋ろうは

5月生まれの30%に症状が見られたが、

11月生まれでは10%にとどまった。

妊娠期間が

冬の5月生まれの場合、

妊娠中に浴びた日光量が足りないのが

原因ではないかと考えられる。

 

出典:朝日新聞2018年9月20日朝刊23面より抜粋

 

また、授乳に関しても、

 

母乳で育てたあかちゃんのほとんどが

ビタミンDが不足していたが、

人工・混合乳では

ほぼ全員が正常範囲だった。

 

出典:朝日新聞2018年9月20日朝刊23面より抜粋

 

という結果があるそうです。

 

『じゃあサプリメントを飲めばいいじゃん』

と考えるでしょう。

 

確かにビタミンDが不足している場合、

日光浴や食事以外としてサプリメントは有効です。

しかし、

ビタミンDを過剰に摂取すると、

  • 高カルシウム血症
  • 肝機能障害
  • 腎臓障害
  • 多飲・多尿
  • 尿路結石
  • 尿毒症
  • 高血圧
  • 腹痛
  • 発熱
  • 発疹
  • かゆみ
  • 吐き気
  • 食欲不振
  • 便秘
  • 疲労感
  • 睡眠障害
  • 歩行困難
  • 体重減少
  • 貧血
  • けいれん
  • 昏睡

などの症状が起きる可能性があります。

 

でも、

日光に当たり体内でビタミンDを生成する場合は、

過剰に作りすぎることはありません。

必要な分を生成したら、

それ以上は作らなくなるのです。

 

 

これからは日射しも和らいで過ごしやすい季節になります。

ぜひ、気分転換や運動も兼ねて

陽の光に当たるようにしましょう。

 

 

ちなみに季節によって違う紫外線の量を教えてくれるサイトがあります。

参考までに↓

ビタミンD生成・紅斑紫外線量情報モバイル版|国立研究開発法人 国立環境研究所 地球環境研究センター

 

 

www.asahi.com

 

 

 

 

 

★わん!ポイント★

 

「酷暑のためこどもたちのビタミンDが足りない!?」日光に当たることで体内にビタミンDは作られるのです【適材適食】小園亜由美(管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ)

 

犬や猫などの動物は全身が毛で覆われていて紫外線が皮膚まで届きません。

でも、皮膚から皮脂を分泌して毛繕いをすることで、

口からビタミンDを摂取しているんだそうです。

へー、って感じですね★

 

 

  

ー適材適食ー

小園亜由美(こぞのあゆみ)|管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ・健康運動指導士

 

*1 

 

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*1:文中の表現は全ての人が対象ではない場合があります。現在治療中の方は必ず担当医や管理栄養士の指示に従ってください。食事療法は治療です。ひとりひとりの身体の状態に合わせた適切でオーダーメイドなカウンセリングが必要です。充分に注意してください。