厚生労働省より平成29年についての国民健康・栄養調査が発表されました。
国民健康・栄養調査(平成29年)結果の概要 PDF形式(1604 KB)
管理栄養士の私なりにデータを読み解いてみたいと思います。
# あくまでも私見ですので参考までに。
# 注釈も含めたより正確なものを求める場合は
# 上記のリンク先のPDFのデータを確認してください。
今回は「肥満」です。
いったいどれくらいの人が肥満なのでしょう。
まず『BMI』について簡単に。
BMI=Body Mass Index(ボディマス指数)
体重と身長から肥満度を割り出す体格指数のことで
成人の場合
BMI=体重(kg)÷身長(m)×身長(m)
で求めることができます。
なお適正体重は
適正体重=身長(m)×身長(m)×22
で求めることができます。
例えば
身長170cm体重70kgの人のBMIは
70(kg)÷1.7(m)×1.7(m)=22.86
となります。
この22.86という数値がBMIで
これを以下のように分類します。
18.5未満・・・・・・・・・低体重
18.5〜25未満・・・・・・普通体重
25〜30未満・・・・・・・・肥満1度
30〜35未満・・・・・・・・肥満2度
35〜40未満・・・・・・・・肥満3度
40以上・・・・・・・・・・・肥満4度
自動で計算してくれるサイトもあります。
この表の場合、BMIが25以上の人の割合となります。
全体で見ると
男性 30.7%
女性 21.9%
が肥満です。
男性の方が肥満の人が10%程多いことになります。
年代別に見ると、
男性は25%〜35%を行き来していますが、
女性は5%→26%へと着実に増えています。
女性は年齢を重ねる毎に太っていく傾向にあることが判ります。
もっと詳しく年代別のBMIについて見てみましょう。
BMIが適正の
18.5未満・・・・・範囲未満
18.5〜25未満・・範囲内
25以上・・・・・・・範囲超
で分けたグラフです。
男性も女性も年齢が高くなるにつれ
太った人が増えるだけでなく
やせた人が増えていることに気づきます。
特に女性の場合、75歳を過ぎると
適正体重の人は37%しかいません。
これは栄養摂取からみても同じ傾向があり
65歳以上の男性の12%、女性の19%が
『低栄養』、
つまり栄養が足りていないのです。
太りすぎると、
- 糖尿病
- 高血圧
- 脳血管障害
- 虚血性心疾患
などの原因になりかねません。
逆に
痩せすぎると、
- 糖尿病
- うつ病
- 胃潰瘍
- 十二指腸潰瘍
- 甲状腺機能亢進症
- 胃がん
- 拒食症
- 摂食障害
などの原因になりかねません。
★わん!ポイント★
自分の身体にちょうどいい体重
=適正体重を知ることから始めましょう。
そしてお風呂の時に
体重を測って確認してみましょう。
今自分が
オーバーウエイトなのか
アンダーウエイトなのか
それともジャストなのか。
意識するだけでも
体重をコントロールしやすくなります。
ー適材適食ー
小園亜由美(こぞのあゆみ)|管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ・健康運動指導士
*1:文中の表現は全ての人が対象ではない場合があります。現在治療中の方は必ず担当医や管理栄養士の指示に従ってください。食事療法は治療です。ひとりひとりの身体の状態に合わせた適切でオーダーメイドなカウンセリングが必要です。充分に注意してください。