「ヨーグルトはカラダにいい」
というイメージ、ありますよね。
今回「具体的にどうカラダにいいのか」を研究した記事を見つけたので紹介したいと思います。
①ヨーグルトはインスリンの効きを良くする
ヨーグルトが心臓の健康の維持に役立つ
高血圧は、心筋梗塞や心不全などの心血管疾患の主要な危険因子だ。世界の10億人が高血圧であると予測されており、効果的な心血管疾患の予防策が求められている。
これまでの研究で、ヨーグルトなどの乳製品を食べることで、高血圧、2型糖尿病などを予防・改善でき、インスリンの効きが悪くなるインスリン抵抗性を改善できることが示されている。これらは心血管疾患の危険因子であり、ヨーグルトを食べることで心血管疾患を予防できる可能性があることが、7万人以上を対象とした調査で明らかになった。
「高血圧の男性と女性を30年以上追跡した大規模な研究で、ヨーグルトが心臓の健康の維持に役立つことが分かりました。食物繊維が豊富に含まれる野菜や果物、全粒穀物とともに、ヨーグルトを食べることが勧められます」と、ボストン大学医学部予防疫学部のジャスティン ブレンディア氏は言う。
とても大雑把に説明すると、
食事をすると血糖値が上がります。
「血糖値が高い」というのは
血液中に活動のエネルギー源となる糖がたくさんある状態のことです。
血液中から全身の細胞が糖を取り込むために必要なホルモンが
膵臓から分泌される「インスリン」です。
インスリンが出ているのにその割に糖を取り込めていない状態があります。
それを「インスリン抵抗性がある」と言います。
インスリン抵抗性があるとよりたくさんのインスリンを必要とします。
膵臓は常にたくさんのインスリンを分泌しなくてはならなくなります。
結果、膵臓は疲れてしまって次第にインスリンを分泌する能力が落ちてしまいます。
すると血液中は常に糖がたくさんある状態=高血糖状態になります。
高血糖は食事をすれば誰にでも起きることなのですが、
インスリンが分泌されるので糖が取り込まれて普通の状態に戻ります。
がインスリン抵抗性があると血糖値は下がりにくくなります。
常に血液が高血糖だと次第に血管がダメージを受けてしまいます。
このダメージが様様な病気に発展していくのです。
記事では
ヨーグルトを食べることで
インスリン抵抗性を改善、つまりインスリンの効きがよくなる
という結果が得られたとしています。
インスリンが正しく効けば血管がダメージを受けることも減り、
心臓や血管の病気が減るのではないか、としています。
②ヨーグルトは糖尿病になるリスクを下げる
ヨーグルトが糖尿病リスクを下げる
ヨーグルトを積極的に食べると、2型糖尿病のリスクを低下できるという調査結果も発表されている。
2型糖尿病は、血糖値を下げるホルモンであるインスリンが十分に分泌されなかったり、インスリンが効きにくくなる「インスリン抵抗性」という状態に陥ることで発症する。
ヨーグルトを食べることが、糖尿病の発症リスクにどう影響するかを調査したこの研究は、ハーバード公衆衛生大学院栄養学部のフランク フー教授らによるものだ。
研究チームは、米国で行われた大規模調査である「看護師健康研究」(1980~2010年)、「看護師健康研究II」(1991~2009年)「医療従事者追跡研究、」(1986~2010年)に参加した男女を対象に調査した。
対象となった人数と年齢はそれぞれ、4万1,436人(40~75歳)、6万7,138人(30~55歳)、8万5,884人(25~42歳)だった。調査期間中に1万5,156人が2型糖尿病を発症した。
分析した結果、ヨーグルトを毎日28g食べていると、2型糖尿病を発症するリスクが18%減少するという結果が得られた。ヨーグルト28gはティースプーン山盛り2杯半分に相当する。
「インスリンの効きを良くするヨーグルト」としてここでは
毎日28g程度=ティースプーン山盛り2杯半食べると
2型糖尿病になるリスクを18%減少させる
という具体的な量を示しています。
以前、牛乳に関してこんな記事を書きました↓
牛乳や乳製品がカラダによい理由が
科学的に明らかになってきています。
★ぶー!ポイント★
ーーーよし!乳製品だ!
ちょっと待ってください!!!
確かにヨーグルトや牛乳などの乳製品がカラダによいと紹介しましたが、
それだけで健康を保つことはできません。
様様な食材から色色な栄養を摂ることがバランスのよい食事。
その中に乳製品を取り入れていくこと、という意味だと私は捉えています。
上手に賢く、そして楽しく美味しく。
食事を楽しんでほしい、と私は考えています。
*乳製品にアレルギーのある人もいます。
充分に気をつけてください。
ー適材適食ー
小園亜由美(こぞのあゆみ)|管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ・健康運動指導士
*1:文中の表現は全ての人が対象ではない場合があります。現在治療中の方は必ず担当医や管理栄養士の指示に従ってください。食事療法は医療行為です。ひとりひとりの身体の状態に合わせた適切でオーダーメイドなカウンセリングが必要です。充分に注意してください。