佐賀にかんきつ類の新品種
「果試35号」開発、22年出荷目指す
高い糖度 ぷちぷち食感 優れた貯蔵性… [佐賀県]
ミカンでも、ハッサクでも、ポンカンでもない。新たなかんきつ類が佐賀で誕生した。県が20年越しで開発した新品種の名は「佐賀果試35号」。日本一の生産量のハウスミカンなど、かんきつ類の栽培が盛んだが、後継者不足で生産量は減少傾向にある。糖度が高く、ぷちぷちした食感が売りの35号を市場に送り込み、農業者の生産意欲を高めようとしている。「待望の新品種。佐賀の果樹のけん引役になってほしい」。佐賀市大和町川上の「立石農園」代表の立石好之さん(42)は期待を込める。
立石農園は、35号を栽培するモデル園の一つ。平地に整備されたハウス(約12アール)に、高さ1メートル前後の苗木が青々と茂る。初めての実がなるには、あと1年ほどかかるという。
35号は、県果樹試験場が1996年度に「西之香」と「太田ポンカン」を掛け合わせてつくり、約20年間かけて選抜試験を重ね、2017年8月に品種登録された。直径85~90ミリと大玉で、重さは350~400グラム。糖度は12度以上と高い。皮は薄くて中身が詰まり、さわやかな味が口に広がる。貯蔵性に優れ、収穫から約2カ月経過しても食味が落ちないという。
昨年3月から唐津市や鹿島市、太良町などのモデル園11カ所でハウス栽培を開始。県は、モデル園での生産を通じて栽培技術を確立し、2022年春の出荷開始を目指す。
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温暖な気候で、日当たりがよい南側の斜面があるという佐賀は、かんきつ類の生産が盛んだ。
かんきつ類は、温州ミカンと、ポンカンなど中晩柑に大別される。ミカンでいえば、県内のハウスミカンの生産量は17年、6990トンで日本一、露地ミカンも4万4110トンで全国6位。品質の評価も高く、16年には無人補給機「こうのとり」6号機で国際宇宙ステーションに県産ミカンが届けられた。中晩柑の全体の生産量は県も把握していないが、「不知火」(デコポン)や「清見」などが栽培されている。
ただ、かんきつ類の生産量は後継者不足で全国的に減少しているという。県内では16年に栽培面積が3265ヘクタールとなり、ピーク時の約40年前に比べて約5分の1に落ち込んだ。
こうした状況を受け、県は、ミカンに比べて、大きさ、形状、色、香りで独自色のある品種をつくりやすい中晩柑に着目。「産地間で開発競争が盛んになっている」(県果樹試験場)状況も踏まえ、中晩柑の新品種の35号を開発した。
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昨年2月に東京都で消費者調査を行い、試験場で育てられた35号を味わってもらったところ「みずみずしい」「味のバランスがいい」と評価は上々だった。
ただ、かんきつ類は試験場で順調に育っても、産地によって品質に差がでる可能性がある。苗木を植えて結実するまで4~5年を要し、気候や土壌などの違いが品質に影響を及ぼしやすい。産地が違っても一定の味が出せる栽培技術の確立が重要になる。
1年で収穫できる野菜などと違い、結実までに時間がかかるため、生産者が今育てているかんきつ類を、栽培経験がない35号に切り替えるかも見通せない。
県には約30年前に開発した品種「サガマンダリン」が栽培の難しさなどから、ほとんど市場に出回らなくなった経験もある。
35号は22年にデビューを果たせるのか-。県果樹試験場担当者は「大玉の割に味のばらつきがない自信作。中晩柑の主力として普及させたい」と意気込んでいる。
# 看板で使用している画像はイメージ画像で文中のものとは異なります。
〜ミカンでも、ハッサクでも、ポンカンでもない。 〜
柑橘系でもハッサクやポンカンのような感じなのでしょうか。
直径85〜90mmとあるので温州みかんよりは断然大きいようです。
しかも収穫から2ヶ月経っても美味しい!
記事にもあるように、
果試35号という新しい品種の開発には20年もの
歳月が流れているそうです。
簡単じゃない、長い時間をかけた新しい佐賀県産の果実。
早く味わってみたいです★
▼みかんの食べ比べ
▼みかんの白い筋の話
★ぶー!ポイント★
「美味しい★」からと言って、食べ過ぎはよくありません。
ほどほどに。
ー適材適食ー
小園亜由美(こぞのあゆみ)|管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ・健康運動指導士
*1:文中の表現は全ての人が対象ではない場合があります。現在治療中の方は必ず担当医や管理栄養士の指示に従ってください。食事療法は医療行為です。ひとりひとりの身体の状態に合わせた適切でオーダーメイドなカウンセリングが必要です。充分に注意してください。