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適材適食 -てきざいてきしょく-

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477食目「65歳以上が1日に摂取するタンパク質の目標量を引き上げる」厚生労働省

「65歳以上が1日に摂取するタンパク質の目標量を引き上げる」厚生労働省【適材適食】小園亜由美(管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ)

 

 加齢に伴って心身の活力が低下する「フレイル」を防ぐため、厚生労働省は22日、65歳以上のお年寄りが1日にとるたんぱく質の目標量を引き上げることを決めた。栄養素などの望ましい量を定めた「食事摂取基準」の2020年版にとり入れる。目標のおおむねの目安として、体重1キログラムあたり1グラム以上が望ましいとした。

 厚労省の検討会がこの日、目標量などを盛り込んだ報告書をまとめた。1日の食事の総エネルギーに占めるたんぱく質の目標量は、今は1歳以上の全年代で「13~20%」だが、海外の研究などを参考に65歳以上は「15~20%」とする。

 フレイルは、健康な状態と要介護の間の虚弱状態。筋力や認知機能、社会とのつながりなどが低下した状態とされ、放っておくと介護が必要になる。予防には軽い運動や食事の改善などが有効とされ、たんぱく質不足が影響していると考えられている。

www.asahi.com

 

なぜ

65歳以上の高齢者に

タンパク質をより多く摂るように

と厚生労働省は目標を引き上げたのでしょう。

 

 

図で説明してみます。

 

■低栄養

| 特に筋肉となる「タンパク質」が

| 日常的に、慢性的に不足している状態。

↓ 

■フレイル(虚弱)

| ・体重の減少・疲れやすくなる・歩く速さが遅くなる

| ・筋力の低下などが見られ、

| 一人で外出したり、身の回りのことをするのが

| 難しくなっている状態。

■サルコペニア

| 年を重ねるに伴い筋肉量が減少している状態。

■ロコモティブシンドローム(=ロコモ)

| 運動機能に低下し障害があるため、

| 歩くことや日常生活などに支障のある状態。

| 転倒や骨折のリスクが高まった状態。

■寝たきり

  要介護状態となり、

  自分ひとりでは生活が難しくなった状態。

 

という流れがあるのです。

では具体的にどれくらいタンパク質を摂ればいいのでしょう。

 

「体重1キログラムで1グラム以上」


 厚生労働省が22日に提示した食品摂取基準に関する報告書案は「フレイル」(虚弱)の発症予防を目的とした場合、65歳以上の高齢者は体重1キログラム当たり少なくとも1グラム以上のたんぱく質の摂取が望ましいとした。体重50キログラムの人ならば1日50グラム以上となる。総エネルギー量は活動量によっても異なるが、一つの目安になりそうだ。

 

 100グラム当たりに含まれるたんぱく質は、例えば豚バラ肉で約14グラム、アジの開きだと20グラム前後。食が細る高齢者が十分なたんぱく質を取っていない可能性が高く、今回の報告書案はほかの栄養源とともに朝昼晩の食事でたんぱく質をしっかり取ることを推奨する形になる。

 たんぱく質でも動物性は糖尿病の発症リスクにもなるが、大豆など植物性たんぱく質は関連がないか予防に役立つという研究結果もあるという。ただ報告書案では「特定のたんぱく質を勧める十分な根拠は得られていない」としている。

www.nikkei.com

 

ではいったい何をどれくらい食べたらいいのでしょう。

文部科学省 食品成分データベース

から「一般的なタンパク質の量」を以下に挙げてみます。


(100gあたりタンパク質含有量)

肉類
・生ハム       4.0g
・鶏ささみ      23.0g
・ローストビーフ   21.7g
・牛もも肉      21.2g
・豚ロース      19.3g
・鶏砂肝       18.3g
・ロースハム     16.5g
・ウインナー     13.2g

魚介類
・イワシ丸干し    32.8g
・いくら       32.6g
・焼きたらこ     28.3g
・するめ       69.2g
・かにかまぼこ    12.1g
・魚肉ソーセージ   11.5g

卵類
・卵黄        16.5g
・ピータン      13.7g
・ゆで卵       12.9g
・ウズラ卵生     12.6g
・生卵        12.3g
・ポーチドエッグ   12.3g
・卵白        11.3g
・ウズラ卵水煮缶   11.0g

大豆製品
・きな粉       35.5g
・油揚げ       18.6g
・納豆        16.5g
・がんもどき     15.3g
・厚揚げ       10.7g
・こしあん      9.8g
・豆腐        6.6g
・豆乳        3.6g

乳製品
・パルメザンチーズ  44.0g
・脱脂粉乳      34.0g
・プロセスチーズ   22.7g
・カマンベールチーズ 19.1g
・クリームチーズ   8.2g
・植物性生クリーム  6.8g
・ヨーグルト     4.3g
・牛乳        3.3g

*ただしこれらは一般的な数値なので食品、特に加工品によっては大きく数値が変動します。かならず確かめてください。

 

いかがでしょう?

意外な食材もあったのではないでしょうか。

 

ポイントとして

【色色な食材から摂る】

です。

ーーチーズが好きだから

と言ってチーズばかり食べてしまうのはよくありません。

チーズにはタンパク質以外の栄養も含まれているように

ここに挙げた他の食材もタンパク質を含んでいますが

他の栄養も含んでいます。

 

バランスよく食べる。

低栄養を防ぐためには大事なことです。

 

今から20年後の2040年。

65歳以上の

男性の5人に1人、

女性は4人に1人

が一人暮らし

という予想も発表されています。

 

 

 

 

★ぶー!ポイント★ 

 

今回は「高齢者」が対象のように見えますが

実は若い人の間で「低栄養」が問題になっているんです!

kozonoayumi.hatenablog.com

 

  

ー適材適食ー

小園亜由美(こぞのあゆみ)|管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ・健康運動指導士

▲YouTube【こぞのあゆみチャンネル】では野菜や果物など食べものに関する情報を動画配信しています★

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*1 

*1:文中の表現は全ての人が対象ではない場合があります。現在治療中の方は必ず担当医や管理栄養士の指示に従ってください。食事療法は医療行為です。ひとりひとりの身体の状態に合わせた適切でオーダーメイドなカウンセリングが必要です。充分に注意してください。