テレビや雑誌、ウェブなどで
『健康に良い』
と取り上げている食品や食材をよく見かけます。
ーー〇〇が××の△△倍!
ーー失われていく〇〇を補う!
ーー不足しがちな〇〇を補給!
確かに「その通り」なこともたくさんあります。
が、こんなこともあります。
糖尿病のあるAさん。
これまでの3年間
薬は使わず毎日の運動と毎食の食事だけで
ずっと血糖コントロールが順調でした。
しかし、
今回の血液検査の結果で異常がみられ
体重も増えていました。
そこで食事カウンセリングで
何か変化はないか訪ねたところ、
あるテレビの情報番組で
「オリーブオイルがカラダにいい!」
というのを観て、
食べるもの全てにオリーブオイルをかけている
ということでした。
みなさんも
オリーブオイルがカラダにいい!
って訊いたこと、ありませんか?
インターネットで検索してみると、
オリーブオイルには
などが含まれていて、
- 皮膚への美容効果
- アンチエイジング効果
- アトピーに対する改善効果
- 腸管運動の活性化
- 便秘の改善
- 下剤依存症からの脱却
- ダイエット効果
- メタボリックシンドロームの改善効果
- 抗うつ剤の減量効果
- 大腸がんの予防効果
- 乳ガンの予防効果
- 潰瘍性大腸炎の改善効果
- クローン病の改善効果
- 認知症の発症リスク低減の効果
- 副作用がない鎮痛作用効果
- 心臓病の予防効果
- 動脈硬化の予防効果
- 高脂血症の改善効果
- 糖尿病の改善効果
- 骨粗鬆症の予防効果
- 逆流性食道炎の改善効果
- ピロリ菌の増殖を抑える効果
などなど、良いことばかりです。
なるほど、
『オリーブオイルさえ摂っていれば健康になれそう』
です。
でも、本当にそうなのでしょうか。
オリーブオイルとは
オリーブ・オイル(英語: olive oil)、またはオリーブ油(おりーぶゆ)は、オリーブの果実から得られる植物油である。
つまり油です。
100gあたりの栄養価を見てみると
エネルギー・・・・・・884 kcal
炭水化物・・・・・・・0 g
脂肪・・・・・・・・・100 g
飽和脂肪酸・・・・・13.808 g
一価不飽和・・・・・72.961 g
多価不飽和・・・・・10.523 g
タンパク質・・・・・・0 g
ビタミン
コリン・・・・・・・0.3 mg
ビタミンE・・・・・14.35 mg
ビタミンK・・・・・60.2 µg
ミネラル
ナトリウム・・・・・2 mg
カリウム・・・・・・1 mg
カルシウム・・・・・1 mg
鉄分・・・・・・・・0.56 mg
となっています。
まさに「脂肪」=油だけだと判ります。
油は少量でも多くのエネルギーを含んでいますので
「摂り過ぎる」と「体重は増えます」。
脂質は欠かすことのできない「栄養素のひとつ」です。
欠かすことはできません、が、
摂り過ぎるとカラダにとって「悪影響」が出てきます。
オリーブオイルに含まれている
カラダにとって良い成分も
摂り過ぎることで「悪影響」が出るのです。
今回はオリーブオイルについて取り上げましたが、
他の「カラダに良い」とされる食品や食材も
「摂り過ぎる」と「悪影響がでる可能性がある」のです。
いくらカラダに良いものだとしても
そればかり食べるとそれは偏食となります。
栄養は大雑把に大きく分けて
- 炭水化物 :エネルギーになる
- タンパク質:カラダをつくる
- 脂質 :エネルギーになる
- ビタミン :カラダの調子を整える
- ミネラル :カラダの調子を整える
- 食物繊維 :カラダの調子を整える
とされています。
これらがその人にとって過不足ない状態が
栄養バランスの良い状態で、
健康なカラダを創り維持するために必要です。
食品や食材に含まれている
ひとつひとつの成分だけに注目すれば
健康に良い働きに見えます。
でも、
その成分だけで健康なカラダを創ることはできません。
トータルバランスが大事だと私は考えます。
私が使う「適材適食」という言葉には
そんな想いが含まれています。
★ぶー!ポイント★
オリーブオイルはとてもいい食品・食材です。
上手に使っていきたいですね★
ー適材適食ー
小園亜由美(こぞのあゆみ)|管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ・健康運動指導士
*1:文中の表現は全ての人が対象ではない場合があります。現在治療中の方は必ず担当医や管理栄養士の指示に従ってください。食事療法は医療行為です。ひとりひとりの身体の状態に合わせた適切でオーダーメイドなカウンセリングが必要です。充分に注意してください。