毎月季節の野菜を紹介するシリーズはじめます★ その名も「旬の役菜」。
私は健康なカラダづくりに役立つ野菜を【役菜やくさい】と呼んでいます。季節ごとに旬を迎える野菜たちが持つ特徴的な栄養や成分を充分に引きだして美味しく楽しく頂きましょう。第1回目、8月の役菜はトマトです。
親しみ深いトマト。普通にみなさんの食卓に彩りを添えているトマトですが、今回はそのトマトに秘められた役菜部分にスポットを当てていきます。
3つのチカラで錆びにくいカラダに。
トマトにはカラダが錆びるのを防ぐ抗酸化作用を持った成分がたくさん含まれています。抗酸化作用とは、普段カラダを守ってくれている活性酸素が健康な細胞を敵だと間違えて酸化させてしまうのを防ぐ働きのことです。酸化とは錆びること。カラダが錆びることを防ぐ働きを抗酸化作用と言います。さてトマトの持つ抗酸化作用を持つ栄養素をみていきましょう。
トマトの主な役菜栄養成分
β―カロテン 抗酸化作用、免疫力強化
リコピン 強力な抗酸化作用、動脈硬化抑制作用、がん予防
13-oxo-ODA 肥満を原因とする高脂血症や脂肪肝を改善
ビタミンC 風邪予防、美肌効果
ビタミンE 血行改善、抗酸化作用、細胞老化予防
カリウム 体内水分調節、高血圧抑制、筋肉の正常化
ビタミンA 皮膚・粘膜強化、眼の病気の予防
食物繊維 腸内環境を整える
グルタミン酸 アンモニア解毒、脳を活性化、うまみ成分
ビタミンE(血行改善・抗酸化作用・細胞老化予防)
ビタミンEは脂溶性、つまり油に溶けます。体内では細胞の脂質となって細胞膜を守っていると考えられています。ビタミンEの持つ抗酸化作用成分は、サプリメントなどの合成されたビタミンEではその働きをあまり期待できません。またビタミンCと一緒に摂ることで抗酸化作用の相乗効果を得られます。
β-カロテン(抗酸化作用・免疫力強化)
トマトが赤いのは色素成分でもある【β-カロテン】が入っているから。β-カロテンは体内で「皮膚や粘膜を守り、眼の病気を予防する」とされる【ビタミンA】に変わります。そしてβ-カロテンは体内で異常な活性酸素の働きを抑える抗酸化作用を持っていて、同時に「免疫力を高め」健康を維持してくれます。
リコピン(強力な抗酸化作用・動脈硬化抑制作用・がん予防)
β-カロテンの2倍、なんとビタミンEの100倍の「最強クラスの抗酸化作用」を持つのが【リコピン】です。リコピンは中性脂肪やコレステロール値を下げる効果があります。
トマトの役菜成分を効果的に摂る裏技。
それは「ミニトマト」です。ミニトマトは小さいだけでなく栄養成分がぎゅっと濃縮されて詰まっています。同じ量ならエネルギー1.5倍、食物繊維1.4倍、カロテン1.7倍、ビタミンC2.1倍、カリウム1.3倍も多く含まれているんです。
トマトを食べるなら。
ビタミンE、β-カロテン、リコピンの「抗酸化物質トリオ」には2つの特徴があります。1つは油と相性が良いこと。2つめは加熱に強いこと、です。油と一緒に摂ると吸収率がアップするのがトマトの特徴です。油=脂肪=太るというイメージがありますが、脂肪は5大栄養素のひとつ。摂り過ぎも避け過ぎもカラダにとってよくありません。油は相性の良いトマトを使った料理で摂るとよいです。例えばオリーブオイルを使ったトマトソースのパスタなどはベストマッチな組み合わせです。
おいしいトマトの見つけ方。
おいしいトマトを見つけるには4つのポイントがあります。
①裏側に★印がある。
よく見ると筋があるのが判ると思います。この筋がしっかり入っているトマトは美味しいです。
②ヘタが活き活きしている。
ヘタの部分が緑色のものは収穫して間もない証拠。
③持ってズッシリするもの。
見た目より重みのあるものはしっかり中身が詰まっている証拠。
④色が鮮やかなもの。
くすんだものより鮮やかな色をしたもの
がおいしいトマトです。
トマトを美味しく食べるレシピはこちら↓
いかがでしたか?旬のトマト、楽しんでください★
★ぶー!ポイント★
毎月1日頃、その月のオススメ野菜を紹介していく予定です。
ー適材適食ー
小園亜由美(こぞのあゆみ)|管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ・健康運動指導士
*1:文中の表現は全ての人が対象ではない場合があります。現在治療中の方は必ず担当医や管理栄養士の指示に従ってください。食事療法は医療行為です。ひとりひとりの身体の状態に合わせた適切でオーダーメイドなカウンセリングが必要です。充分に注意してください。