「早食い」って言われたこと、ありませんか?
食事にどれくらい時間をかけていますか?
何かと忙しい毎日。判っていても食事に割く時間=作る時間も食べる時間も取れなくて、ついついさっと食べられるようなものを買って済ましてしまう、なんて誰にでもあることだと思います。
そんな中、スローカロリーという言葉を見つけました。スローカロリーってどんなことでしょう。調べてみるとこんな記事に注目してみました↓
【レポート】
スローカロリー研究会年次講演会
ゆっくり吸収されるカロリーを活用
日本では糖尿病、高血圧、脂質異常症など、動脈硬化を促す生活習慣病が増えている。これらの病因が重なり、内臓脂肪が増えることで発症するメタボリックシンドロームも注目されている。こうした課題を解決するために、「スローカロリー」という新しい考え方が誕生した。
「スローカロリー」とは、糖質が健康に与える影響をカロリーの「量」のみでみるのではなく「質」に着目しようという考え方だ。糖質(炭水化物)は三大栄養素のひとつ。糖質を摂らないと、脳や身体がエネルギー不足となり健康を維持できなくなる。
カロリー値は同じでも、消化・吸収の速度が遅く、食後の血糖上昇や過剰なインスリン分泌を抑える食品は、持続型のエネルギーとなり、日常生活やスポーツなどにおいて健康増進の効果をもたらす。
「スローカロリー研究会」は、「スローカロリー」の有用性について調査・研究を進め、情報を発信するために活動している。このほど「第5回年次講演会 スローカロリーの考え方について正しく知ろう!」を東京で開催した。
つまりスローカロリーとは「砂糖のように一気に消化吸収され血糖値を急激に上げてしまう食品があるように、逆にゆっくり消化吸収されて血糖値の上昇が穏やかな食品を利用しよう」という動きです。
同サイトには以下の図も掲載されていました↓
転載元:【レポート】スローカロリー研究会年次講演会 ゆっくり吸収されるカロリーを活用 | ニュース・資料室 | 糖尿病ネットワーク
中心にスローカロリーがあります。この図からも判るように「血糖値をゆっくり上げる食品」だけではなく、
- 食物繊維を意識的に摂る
- 食べる順番を工夫する
- バランスの良い献立
- 糖質の効率的な摂取
- よく噛んでゆっくり食べる
- 規則正しい食生活
- ベジタブルファースト
- 糖質の質と量を意識する
と言った食行動もスローカロリーに含まれます。これらを実行することで、
- インスリン抵抗性の是正
- 内臓脂肪がつきにくい
- 持久力
- 筋肉や肝臓のグリコーゲンを上げる
- パワーコントロール
- 早食い防止
- 食欲増進
- 腹持ちのよさ
- 満足感の持続
- 食後の高血糖が緩やか
になるなどのメリットを得られ、
- 糖尿病境界型
- メタボシンドローム
- 肥満
- 便秘
- 幼児/小児の成長期の食事
- 健康づくりのための運動
- スポーツ栄養
- ロコモティブシンドローム
- サルコペニア
- フレイル
- 歯周病
- 高齢者の低栄養
- ストレス・食行動の心理学
- メンタルコントロール
- 痩せダイエット
- 摂食障害
- 糖尿病
などの病気などは遠ざけることができ、運動や栄養などは促進される、ということのようです。逆に言えば健康の源にスローカロリーがある、ということでしょうか。
ひとつひとつは食事カウンセリング/栄養指導などでは今までも行われてきたことだと思います。例えば、農林水産省のオフィシャルサイトにもゆっくり食べるというテーマが掲げられています。
なので個個に観ると新しいものではないのですが、こうして図にして体系化してみるとその中心にスローカロリーがあるというのは頷けます。そしてそれが様様な身体や生活に関係していることもハッキリと見えてきます。
スローカロリーという言葉。そしてスローカロリーという考え方。もし気になったのであれば調べてみてみるといいかも知れません。
★ぶー!ポイント★
似た言葉で「スローフード」がありますが、スローフードとは
スローフード
スローフード(英: slow food)は、1986年にイタリアのカルロ・ペトリーニ(イタリア語版)によって提唱された国際的な社会運動。ファストフードに対して唱えられた考え方で、その土地の伝統的な食文化や食材を見直す運動、または、その食品自体を指す。
ということなので、ちょっと意味合いが違ってきます。
食べ方や食べるものを変えると人生が、未来が変わってくる。
スローカロリー、大変興味深いです。
ー適材適食ー
小園亜由美(こぞのあゆみ)|管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ・健康運動指導士
*1:文中の表現は全ての人が対象ではない場合があります。現在治療中の方は必ず担当医や管理栄養士の指示に従ってください。食事療法は医療行為です。ひとりひとりの身体の状態に合わせた適切でオーダーメイドなカウンセリングが必要です。充分に注意してください。