思わず疑ってしまうような驚きのニュースがありました!
乳がん細胞を脂肪細胞に変えることに成功:バーゼル大学の研究
<スイスのバーゼル大学の研究チームは、抗がん剤と糖尿病治療薬を組み合わせることで、乳がん細胞を脂肪に変えることに成功した......>
国際がん研究機関(IARC)の推計によると、乳がんは、肺がんに次いで罹患数が多く、2018年に乳がんと診断された患者の数は、世界でおよそ210万人にのぼる。
スイスのバーゼル大学の研究チームは、上皮間葉転換(EMT)や間葉上皮転換(MET)といったがん細胞が体中に広がるときのメカニズムを活用し、米食品医薬品局(FDA)の承認薬によって乳がん細胞を脂肪に変えることに成功した。一連の研究成果は、2019年1月14日、がん領域の学術雑誌「キャンサー・セル」で公開されたが、再び今話題になっている。
マウスにヒトの乳がん細胞を移植し、米国で治療用として使用が許可されている
- 抗がん剤「トラメチニブ」
- 2型糖尿病治療薬「ロシグリタゾン」
を投与したところ、
- 乳がん細胞が脂肪細胞に変化した
- がん細胞自体の成長を止めて転移も防いだ
- 脂肪細胞が再び乳がん細胞に戻ることはなかった
という結果が得られたとがん学術雑誌に発表した、という事なのです!
Cancer Cells Converted into Harmless Fat Cells in Mice
この話が凄いのは乳がん細胞を脂肪細胞に変えることはもちろんのこと、既に使われている薬を2剤併せて使うことで効果がでるという点です。
日本でも乳がんは深刻な問題です。乳がんで亡くなる人は年々増え続けていて、2017年には14285人にも上ります。大腸がん、胃がん、肺がんと比べて乳がんは若い層、特に40代から急激に増える傾向があります。
乳がんへの関心が高まったこともあり、乳がん検診を受ける人が増えた結果か、2014年では女性の罹患数の1位だった乳がんが2017年には5位まで下がってきています。が、やはり油断はできない状態です。
さらに研究が進み、乳がんの特効薬になることを祈りたいと思います。
★ぶー!ポイント★
GoodNewsですが、
①まだマウスでの結果である
②米国で承認されているのであって日本ではない
という点に注意してください。ただ本当に効果があるのであれば多くの乳がんで苦しんでいる人たちが救われる可能性がある、と考え書きました。
今の日本で最も効果があるのは早期発見、早期治療です。乳がん検診を定期的に積極的に受けるようにしましょう。
ー適材適食ー
小園亜由美(こぞのあゆみ)|管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ・健康運動指導士
*1:文中の表現は全ての人が対象ではない場合があります。現在治療中の方は必ず担当医や管理栄養士の指示に従ってください。食事療法は医療行為です。ひとりひとりの身体の状態に合わせた適切でオーダーメイドなカウンセリングが必要です。充分に注意してください。