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適材適食 -てきざいてきしょく-

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642食目「肥満でも糖尿病にならない遺伝子が発見される!?」山陽新聞デジタルより

「肥満でも糖尿病にならない遺伝子が発見される!?」山陽新聞デジタルより【適材適食】小園亜由美(管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ)

 

どんなに太ったとしても、決して糖尿病にならない。カギは遺伝子だった!

そんなニュースを見つけました。

 吉備国際大(高梁市伊賀町)の加納良男教授(細胞生物学)らの研究グループは12日、マウスの実験で、肥満になっても糖尿病にならず、長生きできる突然変異遺伝子があることを突き止めたと発表した。

 加納教授は約15年前、ラットの培養細胞の中に熱に強い細胞があることを確認。その細胞を調べると、インスリンの分泌に関与するタンパク質の一つに遺伝子の突然変異があることが分かった。

 (中略)

 突然変異遺伝子がどのような役割をしているかラットの細胞を使って調べたところ、細胞の老化の原因とされる活性酸素の働きを抑えたり、インスリンの分泌を増やすことで糖尿病の発症を予防したりしていた。がん細胞の増殖を抑制していることを示すデータも得られたという。

www.sanyonews.jp

 

ーーじゃあその遺伝子があればどんなに食べたり飲んだりしてもいいんだね!

ちょっと待ってください。活性酸素の働きを抑えたり、インスリン分泌を増やしたりすることはデータが取れているかも知れません。でもそれはラットの話。記事にもあるように

加納教授によると、ヒトに同様の突然変異遺伝子があるかどうかは分かっておらず、「長寿の人がこの“健康長寿遺伝子”を持っているか研究し、糖尿病やがんの治療薬開発につながる成果が得られれば」としている。

肥満でも糖尿病にならない遺伝子 吉備国大グループ、マウスで発見:山陽新聞デジタル|さんデジ

としています。

 

またこのことは実は以前から知られていました。遺伝的な要素や影響によって糖尿病が発症することがある。まったく逆の話ですが、同じこととも言えるかも知れません。

 

でも、2型糖尿病は生活習慣病とひとつと言われるように、ライフスタイルが大きく影響することも事実です。

たとえば、家族全員が肥満傾向にある人は糖尿病になりやすいと言われています。肥満になるには色色な原因となるものはありますが、脂っこいものや甘いものをより多く摂る家庭が多くみられます。その中で生まれ育つと食べる量や食べるものがより肥満になりやすい、ということは意外と多くあるのです。そしてそれはある意味、遺伝的であり、家族性とも言えます。

 

そして例え糖尿病にならない遺伝子があってもなくても、食事や運動、睡眠やストレスなどライフスタイルを整えていけば、糖尿病を発症せず、万が一糖尿病が発症しても糖尿病合併症を防ぐことができる可能性が多くあります。

 

糖尿病治療には食事や運動と言われますが、それは糖尿病や生活習慣病のある人だけでなく、すべての人の健康を作り、健康であり続けるために必要なこと、なのです。

 

 

★ぶー!ポイント★

遺伝子はどうすることもできません。

が、糖尿病にならない遺伝子が研究され、それが新薬の開発に大きく貢献する可能性があります。期待大です。

が、食事や運動などはいつでも変えることができます。あなた次第です。変えたいのにどうしていいのか分からない、上手く行かない、そんな時は私たち糖尿病を専門に治療するクリニックに相談してください。あなたに合った方法をあなたと一緒に見つけます。

 

   

ー適材適食ー

小園亜由美(こぞのあゆみ)|管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ・健康運動指導士

▲YouTube【こぞのあゆみチャンネル】では野菜や果物など食べものに関する情報を動画配信しています★

▲YouTubeでは野菜や果物など食べものに関する情報を動画配信しています★

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*1:文中の表現は全ての人が対象ではない場合があります。現在治療中の方は必ず担当医や管理栄養士の指示に従ってください。食事療法は医療行為です。ひとりひとりの身体の状態に合わせた適切でオーダーメイドなカウンセリングが必要です。充分に注意してください。