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適材適食 -てきざいてきしょく-

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643食目「緑茶は2型糖尿病を予防してくれる可能性がある」久山町研究から分かったこと@九州大学大学院衛生・公衆衛生学教授 二宮利治氏らの研究より

「緑茶は2型糖尿病を予防してくれる可能性がある」久山町研究から分かったこと@九州大学大学院衛生・公衆衛生学教授 二宮利治氏らの研究より【適材適食】小園亜由美(管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ)

 

緑茶は日本人にはとても馴染み深い飲みもの。美味しいだけでなく、身体に良いと以前から言われてきました。そんな緑茶にまたひとつ新たな可能性が見つかりました。

 

www.mylohas.net

 

緑茶の話の前にまず久山町ひさやままち研究についてお話します。糟屋郡かすやぐん久山町は、福岡市東区の隣にある人口8,840人(2019年)の福岡都市圏に近い上、緑豊かな町です。

そんな久山町で1961年から九州大学を中心にある調査と研究が行われてきました。

久山町研究

当教室では、1961年から、福岡市に隣接した糟屋郡久山町(人口約8,400人)の住民を対象に脳卒中、心血管疾患などの疫学調査を行っている。久山町住民は全国平均とほぼ同じ年齢・職業分布を持っており、偏りのほとんどない平均的な日本人集団である。研究の発端は、日本の死亡統計の信憑性に疑問が投げかけられたことにある。当時、脳卒中はわが国の死因の第1位を占めていた。なかでも、脳出血による死亡率が脳梗塞の12.4倍と欧米に比べて著しく高く、欧米の研究者からは「誤診ではないか」との声が上がった。しかし、それを検証するための科学的なデータがなかった。そこで日本人の脳卒中の実態解明を目的として始まったのが久山町研究だった。

 1961年から追跡を開始した第1集団(剖検率80%)の初期のデータでは、脳出血による死亡率は脳梗塞のわずか1.1倍。死亡診断書に病型診断の誤りが数多く含まれていたであろうことを、剖検という科学的な手法で証明した。

 久山町研究の最大の特徴は、この剖検率の高さにある。正確な死因を知るという点において、剖検以上に正確な診断方法はない。追跡調査の精度も高い。これまでに行方不明となった対象者は数例に過ぎず、追跡率は99%以上。また、久山町研究では40歳以上の住民を5年ごとに集団に新しく加えているため、生活習慣の移り変わりの影響や、危険因子の変遷をもうかがい知ることができる。

 最近では、衛生・公衆衛生学分野の教室員の他に、九州大学病態機能内科学、精神科神経科、心療内科、循環器内科、呼吸器科、眼科、予防歯科、健康科学センターなどから大学院生や若手研究者が集まり、研究テーマが生活習慣病全体に広がった。久山町研究は、臨床と疫学の両方を俯瞰できる幅広い視野を持つ人材を育てるユニークな疫学研究である。2002年に、従来の環境因子に遺伝子解析(SNPs)を加えた生活習慣病のゲノム疫学がわが国で初めて開始され、成果をあげている。

  • 全住民を対象(40歳以上)
  • 前向きの追跡(コホート)研究
  • 研究スタッフによる検診・往診
  • 受診率(80%)
  • 剖検率(75%)
  • 追跡率(99%以上)

久山町研究とは|久山町研究|九州大学大学院 医学研究院

乱暴に言ってしまえば、

平均的な日本人が住む久山町の住む全ての人たちに協力してもらい、研究のための色色なデータを収集している

ということかと思います。

この研究により色色な事が判ってきました。何よりスゴいのが長い期間ずっと調査し続けデータを取り続けていること、そしてそれが私たちと同じ「日本人」であるという事です。

健康に関するデータの中には日本人ではない海外のものもとても多くあります。場合によっては私たちに合わないこともあります。特に食生活は日本という国特有の気候や地形、歴史、文化などがあり、海外とは違った特徴を多く持っています。そういう事だけでもこの久山町研究は私たち日本人により日本人のための研究と言えます。

もちろん研究の中には糖尿病をはじめ生活習慣病に関する様様なデータがあり、色色なことが分かってきました。今回の話もその成果のひとつと言えます。

 

緑茶が2型糖尿病リスク低下に効く? 九州大、久山町研究から
緑茶好きは2型糖尿病にかかりにくいかもしれません。緑茶成分L-テアニンの代謝産物「エチルアミン」の血清濃度が高い人は、2型糖尿病になりにくい可能性があることが、九州大学大学院衛生・公衆衛生学教授の二宮利治氏らの研究で明らかになりました。

 

エチルアミン濃度が上がると、2型糖尿病の発症は下がる!
エチルアミンは、緑茶に含まれるテアニンという成分が代謝されたもの。緑茶を飲んでから血清中に24時間以上残っているため、この研究では血清エチルアミン濃度を、緑茶摂取量を知る手がかりにしました。今回対象になったのは、2007年の健診を受けた糖尿病のない40~79歳の福岡県久山町の住民2,253人。対象者を7年間追跡し、2型糖尿病の発症を比較しました。その結果、追跡期間中に282人が2型糖尿病を発症しました。2型糖尿病の累積発症率は、血清エチルアミン濃度の上昇に伴い低下することが分かりました。

緑茶が体にいい理由とは? 九州大、久山町研究で明らかに | MYLOHAS

 

九州大学大学院衛生・公衆衛生学教授 二宮利治氏

これもとても乱暴に言えば

緑茶を飲んでいる人の方が飲まない人に比べて2型糖尿病になりにくかった。緑茶をよく飲む人の血液にはエチルアルミンと呼ばれる緑茶に含まれる成分が多く見られた。

という感じだと思います。

 

まずは緑茶の栄養成分について観てみることにしましょう。

緑茶 

チャノキの葉から作った茶のうち、摘み取った茶葉を加熱処理して発酵を妨げたもの。もしくはそれに湯を注ぎ、成分を抽出した飲料のこと。 中国は全世界の緑茶の約75パーセントを供給する主要生産国である。中国国内で生産される茶類のうち60パーセント以上を緑茶類が占め、多くの人々が緑茶を常飲している。

 

緑茶 100 g あたり

カロリー・・・・・・・・0 kcal

脂質・・・・・・・・・・0 g

コレステロール・・・・・0 mg

ナトリウム・・・・・・・1 mg

カリウム・・・・・・・・29 mg

炭水化物・・・・・・・・0 g

タンパク質・・・・・・・0.1 g


ビタミンC・・・・・・・4 mg

カルシウム・・・・・・・4 mg

鉄・・・・・・・・・・・0 mg

ビタミンD・・・・・・・0 µg

ビタミンB6・・・・・・0 mg

コバラミン・・・・・・・0 µg

マグネシウム・・・・・・1 mg

 

緑茶 - Wikipedia

緑茶はご存知の通りエネルギー、脂質、コレステロールがゼロとされる飲みものです。その上血圧を下げてくれることが期待されるカリウムを多く含んでいます。

厳密に言えば100gあたり0.96kcalのエネルギーを含むとされていますが、ほぼ無視できる僅かな量と言えます。より詳しい緑茶の栄養価を知りたい人は以下で確認してみてください。

ja.wikipedia.org

 

さて今回の発表ですが私はとても素晴らしい内容だと思っています。もちろんすべての人が緑茶を飲んでいれば絶対に2型糖尿病にならない!という事ではありません。が、緑茶を飲むことに全く問題はないと考えているからです。

そして緑茶はとても奥深く味わい深い飲みものです。以前お茶を作っている現場を見学したことがあり、その時淹れて頂いたお茶の味を今も忘れていません。

kozonoayumi.hatenablog.com

 

緑茶は日本では平安時代、つまり今から1000年以上も前から飲まれていたと言われています。そんなに長い間人々に親しまれてきたには理由がある、と私は思っています。

 

美味しい飲みものがたくさんあります。でもそれは舌の上を通過している時だけかも知れません。身体が美味しい!と喜ぶものを選んでみるというのも健康な身体づくりのためには大切です。

 

 

 

★ぶー!ポイント★

緑茶について調べようと思うとたくさんの情報があります。興味を持った人はぜひこの機会に調べてみてはいかがでしょうか。

私からは大手飲料メーカーのサイトを紹介します。

www.ocha.tv

 

   

ー適材適食ー

小園亜由美(こぞのあゆみ)|管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ・健康運動指導士

▲YouTube【こぞのあゆみチャンネル】では野菜や果物など食べものに関する情報を動画配信しています★

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*1:文中の表現は全ての人が対象ではない場合があります。現在治療中の方は必ず担当医や管理栄養士の指示に従ってください。食事療法は医療行為です。ひとりひとりの身体の状態に合わせた適切でオーダーメイドなカウンセリングが必要です。充分に注意してください。