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適材適食 -てきざいてきしょく-

あなたに合った食べものを、あなたに合った食べ方で。

644食目「食欲が抑えられないのは●●が足りないから?」プロテインレバレッジ仮説って何?

「食欲が抑えられないのは●●が足りないから?」プロテインレバレッジ仮説って何?【適材適食】小園亜由美(管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ)

 

朝晩が段段涼しくなり秋の訪れを少し感じるようになってきましたね。秋と言えば「食欲の秋」。実りの秋はもうすぐです。美味しいものがたくさん出回ってしまうとついつい食べ過ぎてしまう、なんてことありませんか。そんな時、こんな記事を見つけました。

 

食欲を抑えられない原因は◯◯不足


なぜ食欲を抑えられないことが起こるのか?原因はタンパク質不足が考えられます。オクスフォード大学の研究で

人間は体内でタンパク質の必要な量を取るまで食欲を抑えられず、食べ続けてしまう

というものがあります。プロテインレバレッジ仮説というものです。

cocokara-next.com

 

タンパク質が足りるまで食欲が収まらないというプロテインレバレッジ仮説

プロテイン(protein)・・・タンパク質

レバレッジ(leverage)・・・てこの作用

レバレッジとは意訳すると小さな力を大きなものを動かすこと、という意味のようです。レバレッジのレバとはいわゆるレバーのことみたいです。

 

詳しく調べてみました。あまり説明しているところがなかったのですが、こちらのサイトが一番判りやすかったです。

これはプロテインレバレッジという仮説で2005年にオックスフォード大学のシンプソン博士によるもので興味深いので紹介させてもらいます。
人間はそもそも生きていくために食欲が必要です。その観点から人間の食欲がいつ止まるのかということを考えてみると必要な量のたんぱく質をとるまで人は摂取カロリーをとりまくってタンパク質をとろうとするのではないかとされています。
昔は脂質や糖質は大変貴重なものでしたから、タンパク質を満たすことで他のものも自然とついてくるのでタンパク質を求めればそれで問題ありませんでしたが、現代ではタンパク質はほとんど入っていないようなジャンキーな食べ物やお菓子が身の回りにあふれています。それによりこのプロテインレバレッジの機能がうまく作用していないのではないかということです。
食欲を増やしてタンパク質をもっととろうとするけれど実際には糖質ばかりを取ることになってしまうということが起きます。

このプロテインレバレッジについては最近研究も進んでいて、2013年に過去38件のデータからタンパク質の摂取量と摂取カロリーの相関を調べたという文献があり、タンパク質の摂取量が増えれば増えるほど総摂取カロリーは減る傾向が確認されています。
つまり、タンパク質が多い食事をしている人は総摂取カロリーが減っていたということです。タンパク質が満たされると食欲が減るから糖質や脂質に無駄に手を出す可能性が減るわけです。
この研究によりタンパク質が食欲を減らす効果があるのではないかという研究が進むきっかけにもなりました。

他にも、2011年の研究で22人の参加者にタンパク質の比率を増やした食事をしてもらったところ食欲が減少した結果が確認されています。

他の2013年の研究では79人の男女にタンパク質の比率を色々と変えた食事をとってもらいました。高タンパク食から低タンパク食まで色々としてもらいましたが、高タンパク食の方が自然と食欲が減り、食べる量を減らしたりダイエットするようには何も言っていないのに実際にその摂取カロリーが減っていました。
無駄な食欲を減らすためにはタンパク質を増やした方がいいのではないかということです。

daigoblog.jp

 

つまり、

生きるために必要な食欲は、そもそもタンパク質を求めているものだった。それが現代ではカロリーを多く含む糖質ばかりの食品が増えてしまった。そのため食べてもタンパク質が充分量にならないため、食欲が収まらない。結果、食欲を満たすために糖質の多い食品を食べ続けていく。そしてそれが原因で太っていく。

ということになると思います。

 

確かに、タンパク質が足りてないということは今大きな問題になっています。子ども達にとっては成長期の大事な時期に、高齢の人達にとってはサルコペニアなどの問題に絡んできます。

 

そしてタンパク質だけでなく、野菜も足りていません。

 

プロテインレバレッジが示すのはタンパク質を摂ろう!ということに加えて、タンパク質だけでなく必要な栄養を必要な分だけ摂ることが大切。つまりバランスが大事という風に私は解釈しました。

 

 

★ぶー!ポイント★

 

私のよく使っている言葉「適材適食」とは、自分に合った食べものを自分に合った食べかたで食べるという意味です。バランスのよい食事というのは、ひとりひとり違っています。あなたに合った食事を見つけるために栄養学を基にサポートをするのが私たち管理栄養士の役割だと考えています。

 

 

ー適材適食ー

小園亜由美(こぞのあゆみ)|管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ・健康運動指導士

▲YouTube【こぞのあゆみチャンネル】では野菜や果物など食べものに関する情報を動画配信しています★

▲YouTubeでは野菜や果物など食べものに関する情報を動画配信しています★

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*1:文中の表現は全ての人が対象ではない場合があります。現在治療中の方は必ず担当医や管理栄養士の指示に従ってください。食事療法は医療行為です。ひとりひとりの身体の状態に合わせた適切でオーダーメイドなカウンセリングが必要です。充分に注意してください。