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653食目「マイクロプラスチックゴミという危機」他人事ではない!成人ひとり当たり年間2000個が体内にという説も!

「マイクロプラスチックゴミという危機」他人事ではない!成人ひとり当たり年間2000個が体内にという説も!【適材適食】小園亜由美(管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ)

 

今、私の視界にもあなたの視界にもプラスチック製品が必ずあるはずです。そしてプラスチック製品を使わない日はありません。それくらいプラスチックでできているものはたくさんあります。 たとえば、ペットボトル。

「マイクロプラスチックゴミという危機」他人事ではない!成人ひとり当たり年間2000個が体内にという説も!【適材適食】小園亜由美(管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ)

プラスチックは生活になくてはならないものです。これだけプラスチックに囲まれた生活をしているのですが、実はプラスチックについて全然知らなかったので、色色と調べてみました。

 

 

 

そもそもプラスチックってなに?

主に石油から作られている、というのは知っていてもそれ以上は知りません。プラスチックってなんでしょう。

プラスチック(plastics)
樹脂をさすが,一般に合成樹脂のことをいう。樹脂は一般的な性質として加熱すると軟化して,任意の形に成形することができる。すなわち塑性 plasticityをもっているのでプラスチックと呼ばれる。このような合成樹脂は,熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂に大別される。

プラスチックとは - コトバンク

www.youtube.com

プラスチックは日本語で合成樹脂と言うんですね。自然界にある石油を原料に、加工して高分子化合物と呼ばれる人工物質のひとつがプラスチック=合成樹脂なんですね。つまり合成樹脂とは自然界にはなかったもの=人の手で作り出したもの、ということです。そんな合成樹脂には色色な種類があるようです。

 

■熱可塑性ねつかそせいプラスチック

熱を加えると柔らかくなり加工しやすくなる性質を持ったプラスチックです。1度加工してもさらに熱を加えると柔らかくなるのが特徴です。

ポリエチレンテレフタレート(PET)
ペットボトル、ビデオのテープ、たまごのパックなど。

高密度こうみつどポリエチレン(HDPE)
食品袋、バケツ、洗面器、灯油タンク、パイプ、網、コンテナなど。

塩ビ(V、PVC)
手袋、農業用フィルム、電線コード、パイプ、水道管、窓のサッシなど。

低密度ポリエチレン(LDPE)
ポリ袋、食品容器、ラップ、紙パックの両面、シート、高圧電線など。

ポリプロピレン(PP)
台所、風呂用品、自動車部品、荷造り紐など。

ポリスチレン(PS)
コンピュータ、プリンター、プラモデル、発泡スチロール箱、食品トレイなど。

AS樹脂(SAN)
調味料容器、使い捨てライター、扇風機の羽、ジューサーなど。

ABS樹脂(ABS)
旅行用トランク、家具、パソコン

ポリアミド、ナイロン(PA)
ファスナー、レトルト食品袋、自動車部品、つり糸など。

ポリカーボネート(PC)
CD、携帯電話、ノートパソコン、カーポートなど。

ポリ乳酸(PLA)
生ごみ袋、レジ袋、ICカードなど。

 

 

■熱硬化性プラスチック

熱を加えると柔らかくなり加工しやすくなりますが、再び熱を加えても今度は逆に硬くなる性質を持ったプラスチックです。

アクリル樹脂(PMMA)
メガネレンズ、コンタクトレンズ、写真し立て、ポスターフレーム、水族館窓ガラスなど。

ポリウレタン(PU)
塗料、スポンジ、接着剤、スキーブーツ、自動車部品、ボウリングボールの表面

シリコーン(SI)
哺乳瓶乳首、おしやぶり、マニュキュア、ハンドクリーム、キーボード

 

 引用元:

 

訊いたことある名前がいくつかありますが、初めて訊いた名前もたくさんあります。でも、それが何に使われているかの例を見ると確かに使っている日用品ばかりです。そしてありとあらゆるものにプラスチックが使われていることが改めて判ります。ペットボトルの「ペット」とは「PET=ポリエチレンテレフタレート」の略、つまりプラスチックの種類を表した言葉、なんですね。色色な商品についているこんなマーク↓は材質を表しているんですね。

 

「マイクロプラスチックゴミという危機」他人事ではない!成人ひとり当たり年間2000個が体内にという説も!【適材適食】小園亜由美(管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ)


引用元:Section10 識別表示マーク | PETボトルQ&A | PETボトルリサイクル推進協議会

 

私たちの生活を豊かに便利に快適にしてくれる石油製品のプラスチック。でも今そのプラスチックが問題となっています。

 

 

 

成人ひとり当たり年間2000個のマイクロプラスチックを体内に取り込んでいるという調査結果

世界21カ国で取れた塩を使い、食卓塩として販売されている39銘柄を調査したところ、その90%からマイクロプラスチックが検出された

海のプラスチック汚染が叫ばれてから久しい。米国化学会発行の業界誌ケミカル&エンジニアリング・ニュース(C&EN)によると、年間800万トンのプラスチック・ゴミが海に流れ出ている。そんな中、プラスチック汚染に関してショックなデータがまた1つ明らかになった。このほど行われた調査で、私たち人間も、海に流れ着いたマイクロプラスチックを年間2000個も口にしているというのだ。

世界21カ国で取れた塩を使い、食卓塩として販売されている39銘柄を調査したところ、その90%からマイクロプラスチックが検出されたという。これは、成人1人当たり年間2000個のマイクロプラスチック片を食べているのに相当する。マイクロプラスチックが発見されなかったのはわずか3銘柄だった。

マイクロプラスチックとは、粉々になって大きさが5ミリ以下になったものを指す。

 

なんと食塩の中にマイクロプラスチックが紛れ込んでいて、それを私たちは年間2000個も知らずに食べてしまっている、というのです。さらに衝撃的だったのは、

しかし当然ながら、食塩から取り込むマイクロプラスチックは、人間が体に取り込んでいる全体量のほんの一部に過ぎない。体内に入る全体量は年間で成人1人当たり3万2000片に上ると見られており、食塩からの2000片はこのうちわずか6%程度だ。クオーツによると、80%は呼吸から体内に取り込まれている。 

 なんと呼吸からも体内にマイクロプラスチックを取り込んでいて、そちらの方が圧倒的に多く、全体の80%もある、と言うのです。

 

 

 

「マイクロプラスチック」とはなんでしょう。

マイクロプラスチック(英: microplastics)

(生物物理学的)環境中に存在する微小なプラスチック粒子であり、特に海洋環境において極めて大きな問題になっている。一部の海洋研究者は1mmよりも小さい顕微鏡サイズの全てのプラスチック粒子と定義しているが、現場での採取に一般に使用されるニューストンネットのメッシュサイズが333μm (0.333 mm) であることを認識していながら、5 mmよりも小さい粒子と定義している研究者もいる。
海洋生物がマイクロプラスチック自体と、それに付着した有害物質(PCBやDDTなど)を摂取し、生物濃縮によって海鳥や人間の健康にも影響することが懸念されている。科学的な検証・検討は途上であるが、日本を含めた世界の官民で、発生量抑制や回収を目指す取り組みが始まっている。 

マイクロプラスチック - Wikipedia

大きさの定義は色色あるようですが微笑なプラスチック粒子のことで、5mm〜0.333mmというサイズのようです。

 

「マイクロプラスチックゴミという危機」他人事ではない!成人ひとり当たり年間2000個が体内にという説も!【適材適食】小園亜由美(管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ)

海にはたくさんの漂流物があります。 中にはプラスチック製のものも多く見られます。プラスチックは水に浮くので潮の流れで浜に打ち上げられ、そして溜まっていきます。とても残念なことですが、ただそれは「目に見えている大きさのものだけ」ということのようです。

「マイクロプラスチックゴミという危機」他人事ではない!成人ひとり当たり年間2000個が体内にという説も!【適材適食】小園亜由美(管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ)

人の住んでいない北極に積もった雪の中や北極海の海水の中、

「マイクロプラスチックゴミという危機」他人事ではない!成人ひとり当たり年間2000個が体内にという説も!【適材適食】小園亜由美(管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ)

フランスにある高さ3,404mのアネト山を含むピレネー山脈に積もった雪の中、

「マイクロプラスチックゴミという危機」他人事ではない!成人ひとり当たり年間2000個が体内にという説も!【適材適食】小園亜由美(管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ)

太平洋に漂うゴミは79,000トンと見積もられていて、そのうち31%=22,630トンがマイクロプラスチックではないかとした報告もあるそうです。さらには

「マイクロプラスチックゴミという危機」他人事ではない!成人ひとり当たり年間2000個が体内にという説も!【適材適食】小園亜由美(管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ)

雨水の90%にマイクロプラスチック、色とりどりの繊維が混入 米調査

(CNN) 米コロラド州デンバーとボールダーで行われた雨水の調査で、90%の雨水にマイクロプラスチックが含まれていることが分かった。米内務省と米地質調査所の研究チームがまとめた報告書「プラスチックの雨が降る」で明らかにした。
プラスチックは肉眼では見えないものの、顕微鏡で観察すると、採集した雨水の90%から見つかった。そのほとんどは色とりどりの繊維の形状で、青色を筆頭に、赤、銀色、紫、緑、黄色の順に多かった。

CNN.co.jp : 雨水の90%にマイクロプラスチック、色とりどりの繊維が混入 米調査

雨水の90%にマイクロプラスチックが含まれているそうです。

 

1mmの1/3。もうホコリの大きさです。目を凝らしてやっと見えるサイズです。そんなマイクロプラスチックが海洋や大気中に数え切れない程存在していて、逆に言えばマイクロプラスチックのない場所は地球上にはない、とさえ思えてきます。

 

 

 

マイクロプラスチックが出来る仕組み

でも私たちの使っているプラスチック製品はマイクロプラスチックのように目に見えないような小さくありません。なぜ、1mmの1/3ほどに小さくなってしまうのでしょう。生物は死を迎えると微生物によって分解されていきます。でもプラスチックは人工物、微生物はそれを食料にして分解されることはないはずです。

マイクロプラスチックができる主な仕組みはわかっています↓

「マイクロプラスチックゴミという危機」他人事ではない!成人ひとり当たり年間2000個が体内にという説も!【適材適食】小園亜由美(管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ)

引用元:https://news.mynavi.jp/article/20190809-874871/

プラスチックを微小にまで細かくしているのは、太陽光に含まれている紫外線が主な原因と考えられています。紫外線を浴びたプラスチックは脆く壊れやすくなるのです。

 

こうして目に見えない程小さなマイクロプラスチックができるのです。あまりにも小さいため、海に棲むプランクトンや小魚は知らないうちに体内に取り込んでしまいます。そしてそれら小魚を餌にしている魚がマイクロプラスチックごと食べます。そして人類がその魚を捕り、溜まったマイクロプラスチックごと体内に取り込むのです。つまり私たち人類も含めあらゆる生物がマイクロプラスチックを体内に取り込んでいるということ、なのです。

*ちなみに海洋にどれくらいのマイクロプラスチックが含まれているのかの調査を行う方法がこちらに記載されています↓

 

 

 

マイクロプラスチックって健康に影響ないの? 

水や大気に含まれてしかも目に見えないのではマイクロプラスチックが体内に入ることを完全に防ぐことは現状難しいように思えます。でもプラスチックを体内に取り込んで健康に影響はないのでしょうか。

世界保健機関WHO がマイクロプラスチックについて見解を出しています。

飲料水内のマイクロプラスチック、健康リスクについて初見解 WHO


(CNN) 水道水やボトル入り飲料水に混入したマイクロプラスチックの健康リスクについて、世界保健機関(WHO)が初の見解を公表し、「現在のレベルでは健康リスクは生じないと思われる」との見方を示した。
ただし、現時点で利用できる情報は限られると述べ、マイクロプラスチックが人の健康に及ぼす影響についてはさらなる調査が必要だとしている。
WHOの専門家は、マイクロプラスチックは飲料水を含めて至る所に存在していると指摘、「健康に対するマイクロプラスチックの影響については早急にもっと詳しく調べる必要がある」とした。
WHOの調査では、マイクロプラスチックの物理粒子と化学物質、およびマイクロプラスチックに付着している可能性のある微生物について、潜在的な有害性を調べた。
その結果、根拠となる情報は限られるものの、化学物質と微生物病原菌については人の健康に関連した懸念は低いと報告した。
マイクロプラスチックについては、大きさが150ミクロンを超す粒子が人体に吸収される公算は小さく、それより小さい粒子の摂取は限られると推定。一方で、ナノ級の粒子を含む超小型のマイクロプラスチック粒子の方が危険は大きいかもしれないと判断した。
ただ、ナノ粒子の毒性について結論を出すには情報が不十分だと指摘、懸念材料となるような信頼できる情報はないとしている。
英国立海洋研究所の専門家は、「マイクロプラスチックが人の健康にとって有害であることを示すデータは現時点で存在しない。だがそれは必ずしも、無害という意味ではない」と解説している。

転載元:

情報や調査がまだ充分と言えないのでマイクロプラスチックが健康にとって有害とは言えない、と言っているようです。つまり「判らない」のです。

 

 

 

マイクロプラスチックに対しての動き 

WHOの見解がそうだとしても、世界は動き始めています。

ニュースになっているのですでに知っている人も多いと思います。ここに取り上げただけでなくプラスチック製の製品を減らす努力が拡がっています。

中には微細なマイクロプラスチックを除去するための方法やアイディアも生まれています。

 

ただ簡単ではありません。

目に見えないマイクロプラスチックには様様な見えない問題が山積みなのです。

 

 

 

今、私にできること 今、私たちにできること

新しい技術の進歩や様様な問題が解決するまで待っていればいいのでしょうか。プラスチック製品はとても便利です。プラスチックのない生活は考えられないほど浸透しきっています。でも、すべてがプラスチックでなくてはならない、というワケではありません。

ストローは便利です。でも使う毎に捨ててしまうものです。それではプラスチックのゴミを増やすだけです。プラスチック製のストローは1回しか使えないのでしょうか。何度でも使えるはずです。それを私たちは使うたびに捨ててきました。ならば、使い捨ててもマイクロプラスチックにならない素材で作ろうという竹ストロー。プラスチック製に比べて価格は高いかも知れません。レジ袋も同じです。安くて便利を取るか、高くても環境に配慮されたものを取るか。それは消費者である私たちの選択に委ねられています。

かと言って、プラスチックでなくてはならないものもあります。どうしてもプラスチックで作らなければならない理由のあるものもあるはずです。

 

 

私自身も今すぐにしっかりとした答えを出せるわけではありません。そんな私でも今すぐできることはあるはず、そう考えています。あなたはどう考えますか?

 

 

 

★ぶー!ポイント★

記事にしたのはほんの一部です。しかも詳しくない私が判る範囲で紹介しているだけです。検索をかけるとたくさんのニュースや情報が出てきます。ぜひこの機会に調べてみてはいかがでしょうか。

 

www.asahi.com

2リットルのペットボトルで女子中学生が海に溺れた子を助けたそうです★

 

 

ー適材適食ー

小園亜由美(こぞのあゆみ)|管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ・健康運動指導士

▲YouTube【こぞのあゆみチャンネル】では野菜や果物など食べものに関する情報を動画配信しています★

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*1:文中の表現は全ての人が対象ではない場合があります。現在治療中の方は必ず担当医や管理栄養士の指示に従ってください。食事療法は医療行為です。ひとりひとりの身体の状態に合わせた適切でオーダーメイドなカウンセリングが必要です。充分に注意してください。