早朝5時半。福島県にある畑で収穫された野菜は、朝7時すぎの郡山駅発の東北新幹線に乗って、東京駅に到着。そのまま東京駅構内で採れたて野菜として販売されているそうです。
味は良いのに形が悪くて市場に出ない「もったいない野菜」を格安で食卓に届けます。福島の朝採れ新鮮野菜が午後には東京駅に。スピード出荷を可能にしたのは新幹線でした。
多くの人たちが詰め掛けているのは東京駅構内に設置された福島県産の野菜コーナー。キュウリが1本50円。さらにナスは1袋200円。ピーマンは1袋150円です。通常価格の2割ほど安くなっているという野菜。実は、おいしくても見た目が悪いなどの理由で捨てられてしまう、いわゆる「もったいない野菜」です。しかし、なぜ福島で規格外とされ廃棄へ向かう野菜が東京駅で安く売られているのでしょうか。その答えは新幹線にありました。
11日午前5時半から収穫されたキュウリ。天気などによって大きく左右されますが、5%が廃棄となります。もったいない野菜は産地から販売場所まで運ぶコストがネックになり、捨てざるを得ないのが生産者の悩みの種でした。そこで考え出されたのが新幹線による直送。既存の交通網を活用することによって余分なコストがかからずに済み、1時間40分後には郡山駅から東京駅に到着しました。新幹線を活用することにより、当日朝に収穫された野菜を新鮮なまま安く提供できるのです。
また、新幹線を使って直送されてきた野菜は直売だけでなく駅構内にあるレストランでも活用します。パエリアが名物のお店「VOLPUTAS 東京駅グランルーフ店」ではもったいない野菜をたっぷり使ったメニューを1日20食限定で出しています。
東北新幹線で郡山駅から東京駅まで、乗車時間約1時間30分。自由席使用で7810円。でもそちらの方が輸送コストが安いというのはちょっと驚き。しかも販売されるのは形が悪いというだけで市場に出ないもったいない野菜なんだそうです。それまでは仕方なく破棄していた、というのも驚き。
とても素晴らしい試みだと思いました。
★ぶー!ポイント★
新幹線って在来線と比べて利用料金が高いのに、新幹線を使って野菜を運ぶ?何?セレブなの?と思っていましたが、記事には市価よりも20%安いとあります。新幹線を使っても市価より安い。大きな努力の結果、だと思います。
野菜は植物、植物が成長し実を付けるまでは長い時間と多くの手間がかかります。ただ規格に合わないというだけで美味しい野菜たちを、せっかく実った野菜たちを捨ててしまうのはモッタイナイ、です。個性のある形をした野菜たち。調理してしまえば判らないです。
郡山から届けられるのは採れたての野菜たちだけではなく、人々の努力と想いも一緒に届いていると私は想います。
野菜の形、あなたはそんなに気になりますか?
ー適材適食ー
小園亜由美(こぞのあゆみ)|管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ・健康運動指導士
*1:文中の表現は全ての人が対象ではない場合があります。現在治療中の方は必ず担当医や管理栄養士の指示に従ってください。食事療法は医療行為です。ひとりひとりの身体の状態に合わせた適切でオーダーメイドなカウンセリングが必要です。充分に注意してください。