外から戻ったら手洗いうがい。
最近いつでもどこでも言われていますね。新型コロナウイルス感染症を防ぐために手洗いうがいが強く勧められています。今回はなぜ「手洗い」をした方がいいのかをお話していきます。
そもそもなぜ手を洗うべきなのでしょうか。
まずはこちらのサイトをご覧ください。
どちらも小学校のサイトです。授業で手の汚れについて学んでいます。
- 手を洗う前
- 水洗いした場合
- 石鹸で手洗いした場合
で手の汚れにどれくらい違いがあるかを体験する授業です。スゴいですね。今はこんな授業もやってるんですね。結果は一目瞭然で、清潔度合いは石鹸>水洗い>手洗い前になっています。
手は思っている以上に汚れています。見て判る以上に汚れています。
1日オフィスワークを行った後の手の汚れ
方法:ATPふき取り検査法
<衛生基準>清潔である:≦1,500、注意が必要:≧1,501
*ATPふき取り検査法:清掃度検査として普及しつつあり、微生物や食物の細胞に存在するATP(全ての生物が持っている化合物)を計測する方法。生物由来の汚れを検出できるため、手指や器物の汚染調査、清浄度調査に使用される。(この測定法は、生物由来の汚れの測定は可能であるが、特定の菌の測定はできない)
*RLU:汚れ度合いの指標
この資料によると、
- 指先・・・・・・2393
- 手の甲・・・・・2221
- 指の股・・・・・1089
- 手の平・・・・・998
よく洗う手の平の汚れは少なく、指先と手の甲がほぼ同じぐらい汚れていて、手全体に汚れが広がっていることが判ります。
そして新型コロナウイルス。ウイルスはとても小さな生物です。
新型コロナウイルスなどのウイルスの大きさは5μm(マイクロメートル)程度です。マイクロメートルなんて単位は普段使いません。日常生活で使う小さい長さの単位=mm(ミリメートル)で換算すると1mmの千分の一=0.001mmなのです。そんな小さなウイルスはとても肉眼で確認することはできません。 そしてそんなウイルスが手にたくさん付いていても私たちは気づくことすらできないのです。
手を洗う意味。
だから手を洗います。前項にあるように水で流すだけの流水ではなく、石鹸を使って洗います。そして石鹸を使ってしっかり手を洗うことで新型コロナウイルスなどを死滅させることができるのです。それを説明している動画があります、本編は英語ですが英語が分からなくても内容はしっかりと分かると思います。
*動画の下部分にある「字幕」で日本語を選択すると対訳が表示されます。
How soap kills the coronavirus
この動画で説明されていることを少しフォローすると、
ウイルスはとても小さい生きもので、その表面にはエンベロープと呼ばれる油のようなもので出来た膜があり、その中に核や栄養などを閉じ込めています。つまり、油でコーティングされているので、水だけならはじいてしまいます。
水と油は混ざり合わないのは知っている通りです。
石鹸の特徴として乳化というのがあります。乳化とはそのままでは分離してしまう水と油を混ぜることができる力があります。
石鹸でしっかり洗うと、油でコーティングされたウイルスの膜が乳化によって溶け出し、ウイルスの細胞自体保てなくなり、死滅させることができるのです。
そしてウイルスの膜を壊ししっかりと死滅させるためには、石鹸での手洗いを20秒間行う必要がある、と言われています。
ただし、全てのウイルスや細菌に石鹸が効くワケではありません。エンベロープと呼ばれる油のような膜を持っている仲間だけ、ということです。新型コロナウイルスはエンベロープを持ったウイルスなので石鹸はとても効果的です。
参考:
★ちゅー!ポイント★
なぜ石鹸で手をよく洗え!と言われるのか、その理由は新型コロナウイルスを死滅させることができるから、なのです。20秒以上という時間も重要です。しっかり石鹸で手を洗いましょう。
ちなみにエタノールなどのアルコールも石鹸と同様の効果があるとされています。アルコールよりも身近で使い勝手がよく安全で入手しやすい石鹸にスポットを当ててみました。
ー 適 材 適 食 ーてきざいてきしょく
小園 亜由美 (こぞのあゆみ)管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ・健康運動指導士・日本化粧品検定1級
*1:文中の表現は全ての人が対象ではない場合があります。現在治療中の方は必ず担当医や管理栄養士の指示に従ってください。食事療法は医療行為です。ひとりひとりの身体の状態に合わせた適切でオーダーメイドなカウンセリングが必要です。充分に注意してください。