新型コロナウイルス感染症。外出自粛要請など行動を制限することを求められる中、誰もが不安と恐怖を感じています。それらを解決する方法は唯一、新型コロナウイルス感染症特効薬の登場でしょう。
レムデシビルやアビガンと言った薬の名前は訊いたことがあると思います。「効果がある」「快方に向かった」などの話もありますが、これらの薬は他の病気、レムデシビルであればエボラ出血熱、アビガンはインフルエンザ治療薬として開発された薬ですが、抗ウイルス薬としての機能から、投与されています。
つまり、新型コロナウイルス感染症＝COVID-19を研究し専用に新たに開発された薬ではない、という事です。
もちろんウイルスに対して効き目があるのであれば、レムデシビルやアビガンのように治療薬として使用することもできます。現時点では、すでに開発されている薬の中から新型コロナウイルス感染症に効く薬を探しながら使っているという状態です。
では、新型コロナウイルス感染症用の新薬はいつ開発されるのでしょう。とても簡単な図を作成しました↓
これは一般的、平均的な新薬の開発から始まり、処方される＝私たちが利用できるようになるまでの大まかな過程を示した図です。
ひとめで判るように通らなければならないたくさんのステップ、それにかかる時間や費用が莫大であることが判ると思います。なぜこれだけのチェックをして、時間をかけるのか。それは安全のためです。
ある白い錠剤があったとします。
ソレを飲むと症状が緩和したり治っていきます。治っていく、ということはカラダの中でソレを飲むことで何か変化が起きている、という事です。ソレが人にとって都合のよいものを薬と呼びます。
ソレを飲むと症状が悪化しさらに悪くなっていきます。悪化するということは、ソレが体内で不具合を起こしている、という事です。ソレが人にとって都合の悪いものを毒と呼びます。
当然、薬を飲みたいわけです。でも、薬はカラダの中で何か変化を起こすもの、なので、ソレのすべてが人にとって善い効果をもたらす、とは限らないのです。
有名な話で言えば、アビガンは妊婦に投与できません。なぜなら胎児に悪い影響を及ぼす可能性があることが判っているからです。いわゆる副作用と言われるものです。しかし、インフルエンザウイルスに対して効き目があるので、薬として認められているのです。人に与える影響＝効き目という意味ではどちらも同じです。都合よく効く部分と、残念ながらそうではない部分があるのです。
そういう薬の「性格」を知るためにも何度もチェックして何度もテストを繰り返してはじめて薬として処方できるようになるのです。
今、世界中で新型コロナウイルス感染症に効く薬が開発されています。新型コロナウイルスにとてもよく効いて、他に悪影響がなく、小さな子どもから年配の人、病気を持っている人でも安全に使える、そんな新薬を目指して開発しているはずです。
しかし、それが私たちの手元に届くまでは時間がかかります。すぐによく効く薬は作ることはできないのです。
★ちゅー！ポイント★
ではできるまでじーっと待っていなければならないのでしょうか。私たちにもできることはあります。それは感染しないことです。小まめな手洗いうがい、そして3密を避けるなどの感染しないためのひとつひとつが大事なのです。
ー 適 材 適 食 ーてきざいてきしょく
小園 亜由美 （こぞのあゆみ）管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ・健康運動指導士・日本化粧品検定1級
*1:文中の表現は全ての人が対象ではない場合があります。現在治療中の方は必ず担当医や管理栄養士の指示に従ってください。食事療法は医療行為です。ひとりひとりの身体の状態に合わせた適切でオーダーメイドなカウンセリングが必要です。充分に注意してください。
