新型コロナウイルス感染症の致死率は(現時点で)
- 全世界平均・・・5〜6%
- 日本国内・・・・2.6%
と言われています。
そして新型コロナウイルス感染症で症状が重くなる=重症化や亡くなってしまう人には共通点があると、米国保健福祉省 米疾患管理予防センター(CDC)が具体的に示し、注意を促しています。
- 65歳以上
- 特別養老老人ホーム利用者
- サービス付き高齢者住宅利用者
- 長期療養施設入所者
- 慢性肺疾患
- ぜんそく患者(中等症から重症)
- 心臓の状態のよくない人
- がん治療中
- 喫煙者
- 骨髄・臓器移植者
- 免疫不全症患者
- HIV患者(コントロール不良)
- AIDS患者(コントロール不良)
- BMI40以上の深刻な肥満者
- 糖尿病患者
- 人工透析中の慢性腎臓病患者
- 肝疾患患者
この中で生活習慣病・糖尿病の専門クリニックのスタッフとして、
01. 65歳以上
14. BMI40以上の深刻な肥満者
15. 糖尿病患者
について当院に通院する多くの人が当てはまるのでとても心配です。
65歳以上
一人の例外もなく誰もが歳を取ります。しかし歳を取ることで健康を失うことはありません。『歳だから』という言葉をよく耳にしますが、老化していくことは健康でなくなることではありません。そして糖尿病などの病気があったとしても、毎日を元気に活き活きと過ごしている65歳以上の人はたくさんいます。健康で居続けるためには、治療を欠かさないことが大事です。
肥満
同じ体重でも背の高い人も低い人もいます。そのような体格差を考慮したのがBMIです。BMI(Body Mass Index )は体格指数。体重と身長が判れば標準と比較して太っているのか、痩せているのかを判断する目安になります。数字を入力するだけで簡単に判るサイトがあります↓
ではBMI40以上とはどんな感じでしょう。
青・・・痩せ気味
緑・・・標準
黄・・・太り気味
橙・・・太っている
赤・・・太りすぎ
太りすぎている=肥満の人は内臓に脂肪が必要以上にあり、そのため慢性的な炎症を起こした状態になっています。カラダの中が炎症を起こしているということは当然免疫機能が炎症に対応しなくてはならなくなり低下してしまいます。免疫機能が低下しているところに新型コロナウイルス感染症になってしまうと、重症化しやすいと考えられています。
糖尿病
以前にもブログで糖尿病のある人は新型コロナウイルス感染症に感染してしまうと重症化しやすいということをお伝えしてきました。
人は誰でも食事をします。食べたり飲んだりすると、血糖値が上がります。血糖値が上がるのは誰にでも起きることです。しかし糖尿病があると血糖値が高い状態が長い間続いてしまいます。いわゆる高血糖状態です。高血糖状態が長い間続いてしまうと、血管や神経を徐々に傷つけていきます。そして動脈硬化を起こすことになります。また、血栓も出来やすくなります。弱った血管に血栓が詰まると、詰まった場所が脳なら脳梗塞、心臓なら心筋梗塞を起こします。
そして糖尿病があると、感染した場所に免疫細胞たちの到着が遅れたり、上手にウイルスを退治することができなくなってしまいます。
ではどうしたらいいでしょうか。
まずは新型コロナウイルス感染症に感染しないこと、です。そのために手洗いうがい、3密を避け、不要な外出は控えるなど、緊急事態宣言中にやっていたことを今後も引き続きやっていく必要があります。
なお、本文中で紹介した米国保健福祉省 米疾患管理予防センター(CDC)では、新型コロナウイルス感染症にならないために、以下のような提案をしています。
- なるべく家にいる
- 頻繁に手を洗う
- 他人とは約6フィート(約1.8メートル)、だいたい腕の長さの2倍
- 具合の悪そうな人から距離を置く
- 日用品など生活必需品は予めストックしておく
- 頻繁に手を触れる場所は清潔にし、消毒する
- クルーズ旅行や重要でない飛行機搭乗は避ける
と、同時に糖尿病の治療を続けることが大事です。食事、運動、薬などを新型コロナウイルス感染症が流行る前と同じように続けていきましょう。糖尿病は何かをやったらすぐに数値がよくなるような特効薬はありません。しかし、小さな小さな努力をコツコツ積み上げていくことで、悪化を防ぐことができます。
外出自粛で糖尿病専門医のいる医療機関へ行くのを一時的に控えている人も多くいると思います。でも、新型コロナウイルスに感染しなかったとしても、そのために糖尿病が悪化してしまっては意味がありません。
どうか、糖尿病の治療を続けていくようにお願いします。
★ちゅー!ポイント★
糖尿病の治療で大切な食事や運動。それは特別な事ではなく、毎日の生活そのものです。生活習慣病では、生活をより健康的に、カラダを労り、大切にしてカラダがよろこぶような生活を送ることが大切としています。
糖尿病の治療は、新型コロナウイルス感染症に負けないカラダづくりでもあるのかも知れません。
ー 適 材 適 食 ーてきざいてきしょく
小園 亜由美 (こぞのあゆみ)管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ・健康運動指導士・日本化粧品検定1級
*1:文中の表現は全ての人が対象ではない場合があります。現在治療中の方は必ず担当医や管理栄養士の指示に従ってください。食事療法は医療行為です。ひとりひとりの身体の状態に合わせた適切でオーダーメイドなカウンセリングが必要です。充分に注意してください。