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946食目「そのJリーガーは1型糖尿病だと公表した」J1神戸 セルジ・サンペール選手へのインタビュー@デイリー

「そのJリーガーは1型糖尿病だと公表した」J1神戸 セルジ・サンペール選手へのインタビュー@デイリー【適材適食】小園亜由美(管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ)

 

生活習慣病のひとつと言われる糖尿病。ところで生活習慣病とはどんな病気でしょう。

食事や運動・喫煙・飲酒・ストレスなどの生活習慣が深く関与し、発症の原因となる疾患の総称です。
以前は「成人病」と呼ばれていましたが、成人であっても生活習慣の改善により予防可能で、成人でなくても発症可能性があることから、1996年に当時の厚生省が「生活習慣病」と改称することを提唱しました。

日本人の三大死因であるがん・脳血管疾患・心疾患、更に脳血管疾患や心疾患の危険因子となる動脈硬化症・糖尿病・高血圧症・脂質異常症などはいずれも生活習慣病であるとされています。

生活習慣病 | e-ヘルスネット(厚生労働省)

では『糖尿病になった」と訊いた時、何が原因だと思いますか?

暴飲暴食、タバコ、運動不足、ストレスなどが積もりに積もっただらしない生活をした結果でしょうか。実際に生活習慣は糖尿病になる大きな原因のひとつです。しかし、それだけではありません。遺伝によるものや、加齢、他の病気によって引き起こされることもあるのです。そしてここで言う糖尿病は正式には2型糖尿病と言います。糖尿病がある人の約90%が2型糖尿病で、一般的に糖尿病とだけ言う場合は2型糖尿病を意味します。

残りの10%が子どもを授かった妊婦がなる妊娠糖尿病と、1型糖尿病です。

1型糖尿病

膵臓のβ細胞の破壊によるインスリンの欠乏を成因とする糖尿病である。以前は「インスリン依存型糖尿病」や「小児糖尿病」とも呼ばれていた。各種糖尿病のうち5-10%を1型が占めている。

1型糖尿病 - Wikipedia

インスリンが足りない状態は2型糖尿病でも起きることですが、特に1型糖尿病には主に

  • 予防方法が確立していない
  • なぜ膵臓のβ細胞に破壊という状態が起きるのか判っていない
  • 治療方法も完全に治す根治法ではなく対処療法
  • インスリン注射が必要

という特徴があり、生まれつきや小さい頃に発症する人もいれば、それまで全く健康だった人が1型糖尿病を発症することもあります。

そして先程お話しした通り、糖尿病=2型糖尿病というイメージができていてなかなか1型糖尿病のことを知る人が少ないのが現状です。そんな背景もあり、1型糖尿病の人のための情報サイトがあります。

japan-iddm.net

サイトのトップ頁には、幼い子どもたちが自ら自分の腕にインスリンを注射している画像が掲載されています。

1型糖尿病についてさらに詳しい情報は国立国際医療研究センターと情報センターにも掲載されています。

dmic.ncgm.go.jp

 

糖尿病にはインスリンが深く関係しています。簡単に説明すると、私たちが飲んだり食べたりすると、消化器官で体内に取り込みやすい形へ消化されます。すると膵臓からインスリンというホルモンが分泌されます。食べものに含まれている糖は主にエネルギー源となる栄養で、糖を全身の細胞が取りこむ時にインスリンが必要なのです。

つまりインスリンが足りない、もしくは全く分泌されないと、全身の細胞はエネルギー源の糖を取りこめなくなってしまうのです。すると、取りこめない糖は血管に残り続け過剰な状態=高血糖となり病気の原因となったりします。

2型糖尿病はこの高血糖状態を避けるために、食事に気をつけ、運動をし、薬などを使ってよい状態を保つこともできます。が、1型糖尿病の場合、インスリン注射を行うしかありません。カラダの調子を自分で管理調整しないといけないのです。

 

こんな記事を見つけました↓

J1神戸のスペイン人MFセルジ・サンペール(25)が9日までに、オンラインを通じたデイリースポーツの単独インタビューに応じた。18歳で発症した1型糖尿病について初めて日本メディアに語り、糖尿病を抱える人々へ「自分の人生を制限しないでほしい」と激励の言葉を送った。また、同じ病と闘うプロ野球阪神の岩田稔投手(36)についても言及し、「コラボレーションして勇気や希望を与えられるような活動ができれば」と思い描いた。
 病と闘う人々の希望となるべく、自らの病を明かした。サンペールは4月18日に、自身のツイッターで1型糖尿病であることを告白していた。公表に踏み切った理由について「世界にいる、糖尿病を患っているたくさんの人を勇気づけるため、自分にもできることがあるんじゃないかと思った」と説明した。

www.daily.co.jp

ここには記事の冒頭の一部だけを転載しましたが、この後、1型糖尿病を発症した時の事やその後についてインタビューに答えてます。

 

2型糖尿病の場合(病態にもよりますが)、運動をするようにアドバイスされることが多いと思います。運動する=身体を動かすことでエネルギーを消費するよりも、運動することで骨や筋肉が衰えないようにすることや、気分転換やストレス発散を主な目的にしています。

しかし1型糖尿病の場合、糖を身体に取りこむためのインスリンを自分で注射して補うので、かなり注意が必要なのです。注射が遅れても、早くても、多くても、少なくても身体に不調が起きる場合があるのです。

ましてやプロのサッカー選手となればその運動量は一般的な私たちとは比べものにならないほどハードなはずです。インタビューの中でも、

医師からは「もうサッカーはできないだろう」と告げられた。

1型糖尿病は現在の医学では根治できない。サンペールは今も体調管理に細心の注意を払っている。「特に栄養面で自分の体内に何を入れるか気を付けてコントロールしなければいけないし、血糖値を常に管理して、最良のコンディションでサッカーに挑めるよう心掛けている」という。

J1神戸・サンペールが1型糖尿病の公表語る 同じ病と戦う阪神・岩田と共闘希望も/サッカー/デイリースポーツ online

とあります。

そんな彼のプレイはYouTubeでも観ることができます。


【サッカー少年少女必見!】セルジ・サンペール選手が教えるトラップの極意とは?「J SCHOOL~ヴィッセル神戸 セルジ・サンペール編~」

 

セルジ・サンペール選手はインタビューでこう話しています。

「糖尿病を患いながらもサッカーでトップレベルまで到達することができた。皆さんには『自分の人生を制限しないでほしい』というメッセージを伝えたい。糖尿病という病が人々の夢を制限するようなことはない。もちろん難しい状況はたくさんあるが、一人一人が自分の夢に向かって困難に立ち向かっていただければ」

J1神戸・サンペールが1型糖尿病の公表語る 同じ病と戦う阪神・岩田と共闘希望も/サッカー/デイリースポーツ online

ピッチに立つセルジ・サンペール選手の勇姿をこれからも応援していきたいと思います。

 

★ちゅー!ポイント★ 

誰もがセルジ・サンペール選手のようにできる訳ではないかも知れません。でも、糖尿病だからと言って何も諦める必要はない!とセルジ・サンペール選手は自らの存在で証明してくれているのだと思います。

  

ー 適 材 適 食 てきざいてきしょく

小園 亜由美 (こぞのあゆみ)管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ・健康運動指導士・日本化粧品検定1級

【適材適食】小園亜由美(管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ・健康運動指導士・日本化粧品検定1級)

▲YouTubeでは野菜や果物など食べものに関する情報を動画配信しています★

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*1:文中の表現は全ての人が対象ではない場合があります。現在治療中の方は必ず担当医や管理栄養士の指示に従ってください。食事療法は医療行為です。ひとりひとりの身体の状態に合わせた適切でオーダーメイドなカウンセリングが必要です。充分に注意してください。