毎月季節の野菜を紹介するシリーズ★ その名も「旬の役菜」。
私は健康なカラダづくりに役立つ野菜を【役菜やくさい】と呼んでいます。季節ごとに旬を迎える野菜たちが持つ特徴的な栄養や成分を充分に引きだして美味しく楽しく頂きましょう。9月の役菜はキノコです。
知られているだけで300種類。
よく知られていないものを含めると日本には1000種類を超えると言われています。キノコの仲間は種類が多く栄養成分もそれぞれ違います。
キノコの主な役菜栄養成分
食物繊維 腸内環境を整える
カリウム 体内水分調節、高血圧抑制、筋肉の正常化
ビタミンD カルシウム吸収 免疫力向上 がん抑制
ビタミンB1 疲労回復
ビタミンB2 老化防止
100gあたりの栄養成分(ゆでた場合)ランキング上位3位までのキノコを紹介します。
エネルギー(活動の源)の少ない順
- 1位 キクラゲ
- 2位 ナメコ
- 3位 マッシュルーム
エネルギーはカロリー。キノコの仲間は全体的に低エネルギーです。たくさん食べてもエネルギー量は他の食材に比べて低めです。しかも食物繊維やビタミン類も豊富に含まれています。特にシイタケはうまみ成分が多いので美味しいです。とてもオススメの食材です★
食物繊維(腸内環境を整える)の多い順
- 1位 キクラゲ
- 2位 ブナシメジ
- 2位 エリンギ
成人女性なら毎食100g強づつ食べると必要量17gにほぼ達します。
ビタミンD(カルシウム吸収 筋肉増強 認知症予防)の多い順
- 1位 キクラゲ (8.8µg)
- 2位 マイタケ (5.9µg)
- 3位 エリンギ (2.6µg)
キノコにビタミン?と思う人も多いかも知れません。実はキノコには成人男女の摂取量目標は5.5µgなのでたくさん含まれていることがわかります。ビタミンDはカルシウムの吸収を助け健康な骨を作り筋肉量を増やす働きがあります。骨粗しょう症予防して筋肉をつける、まさに健康なカラダづくりに欠かせません。それだけではありません。最近では免疫力を高め、糖尿病予防やがんを抑制する可能性があると注目されています。
抗がん効果で注目を集めた高価なアガリクスだけでなく、身近なシイタケやシメジなど現在様々な研究がされています。まだまだ私たちの知らない力を秘めているのかも知れません。
ビタミンDをアップさせる裏技。
馴染み深い生シイタケですが100gあたり0.4µgのビタミンDしか入っていません。ところが調理前数時間天日干しするだけで6倍の2.4µgにアップします!これはシイタケに含まれるエリゴステロールが紫外線によりビタミンDに変化するためです。茶色の傘の部分を下にして日光に当ててから頂きましょう。市販の干しシイタケも食べる直前に干すのがオススメ。他にもエノキやシメジもビタミンDは増えます!
*詳しくはこちら↓
自宅でキノコを育てよう。
シイタケなどは自宅で簡単に育てることができます。以前、ブログで紹介しました。
育て始め↓
収穫↓
想像以上にたくさんシイタケができます★しかも採れたて産地直送?なので美味しいです★
*詳しくは上記、過去のブログ記事を覗いてみてください。
キノコの種類
日本国内でも1000種類を超えるとても種類の多いキノコですが、食用として栽培しているもの=よくスーパーなどで見かけるものは限られています。
▲エリンギ
▲シイタケ
▲マイタケ
▲ヒラタケ
▲ナメコ
▲マツタケ
マツタケはちょっと気軽に買えませんけど・・・。
キノコの旬。
秋の味覚、旬の野菜としてこちらで代表的なキノコを紹介しています↓
キノコを食べるなら。
キノコは菌糸。水を吸い込みやすい構造をしているので、洗ってしまうと香りや風味やうま味まで流してしまいます。汚れが気になる場合は軽くぬらしたキッチンペーパーなどで拭き取るといいでしょう。栄養成分には水に溶けやすい水溶性と、溶けにくい不溶性があります。キノコには両方が入っていることが多いので、水で洗い流し過ぎると水溶性食物繊維やビタミンB1/B2が大きく減ってしまいます。ですからスープや鍋などにして食べるのがオススメです。
キノコの上手な保存方法。
真夏でなければ常温でも大丈夫です。新聞などで包んでビニール袋に入れて「冷蔵室」で保管すれば1週間程度は美味しく頂けます。石突を外し、食べやすい大きさにして保存袋などでしっかり密封すれば「冷凍室」でもOK。その場合は、解凍せずにそのまま調理できます。ただし半分に切って中身がピンク色だった場合は酸化していますので、食べないようにしましょう。キノコは生鮮食品なので早めに食べましょう。
オリジナルレシピ
キノコというとなんとなーく地味で脇役な感じがしますが、とっても栄養価が高いのに低エネルギーでカラダに嬉しい食材なのです。今回は新しいアイディアとしてのキノコの楽しみ方を2つ紹介します。どれもとても簡単ですぐに作れます。
4種のキノコの秋カレー
お肉を使わずにきのこだけを使って作るカレーです。きのこの旨味としっかりとした噛み応えがあるので、満足感の高い一品です。カレーはルーのエネルギーも高いですが、具の種類によっても大きくエネルギーが変わります。お気に入りのルーがあれば、きのこのカレー、チャレンジしてみてください。カレーだからといっていつもよりご飯が多くならないように注意してください。
エネルギー 396kcal(ごはん150gとして提供した場合。)
材料 4人分
- シメジ・・・・・・・・1袋
- エノキ・・・・・・・・1袋
- エリンギ・・・・・・・1袋
- マイタケ・・・・・・・1袋
- サラダ油・・・・・・・大さじ1/2
- お好みのルー・・・・・4皿分
- 水・・・・・・・・・・適量(ルーに合わせて)
- お好みの野菜・・・・・適量
- ごはん・・・・・・・・適量
作り方
- キノコの石づきを外し、食べやすい大きさにほぐす。
- 電子レンジでほぐしたキノコを600Wで4分ほど加熱する。
- 鍋に油を入れ、加熱したキノコを炒める。
- 水を加え、15分ほど煮込む。
- 火を止め、カレールーを溶かす。
- とろみがつくまで煮込む。
- トッピング用のお好みの野菜をフライパンで焼く。
- お皿に盛りつけて完成。
レシピを配布中です↓
シイタケの骨太焼き
ビタミンDの多く含まれるシイタケとカルシウムが含まれるチーズを合わせて焼いた骨のための簡単料理です。
エネルギー 37kcal(シイタケ2個)
材料 2人分
- シイタケ・・・・・・・・・4個
- 醤油・・・・・・・・・・・0.4g
- とろけるチーズ・・・・・・20g
作り方
- シイタケの石づきをとる。
- シイタケの笠の部分に醤油を数滴かける。
- とろけるチーズをのせてオーブントースターで3分程度焼く。
- ほんのり焦げ目がついたらお皿に盛りつける。
こちらのレシピは動画で見ることができます↓
★ちゅー!ポイント★
キノコの良さをアピールしてきました。もう少し涼しくなってくると秋のレジャーとしてキノコ狩りがありますが、キノコはとても種類が多く、よほど慣れた人でも見間違えるほど、どれもよく似ています。その証拠に毎年事故が起きています。
- キノコ狩りで遭難、死亡相次ぐ 高齢者が斜面滑落の傾向:朝日新聞デジタル
- 猛暑と台風で豊作も…キノコ狩り遭難多発、食中毒も (1/2ページ) - 産経ニュース
- キノコ採り中の遭難死亡事故相次ぐ 山梨 - 産経ニュース
- 死者数が過去最多…「キノコ狩り」に潜む危険に注意! - NAVER まとめ
- きのこ狩り中の遭難事故が多発、単独行動は自重を。 島崎三歩の「山岳通信」 第130号 YAMAYA - ヤマケイオンライン / 山と渓谷社
- 特集 | 松茸狩りで高齢夫婦死亡か…キノコ豊作の今年相次ぐ遭難 『山のプロ』が説く“備えの重要性” | 東海テレビ
とても栄養価が高くて低エネルギーで美味しいキノコですが、くれぐれも安全第一でお願いします。
ー 適 材 適 食 ーてきざいてきしょく
小園 亜由美 (こぞのあゆみ)管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ・健康運動指導士・日本化粧品検定1級
*1:文中の表現は全ての人が対象ではない場合があります。現在治療中の方は必ず担当医や管理栄養士の指示に従ってください。食事療法は医療行為です。ひとりひとりの身体の状態に合わせた適切でオーダーメイドなカウンセリングが必要です。充分に注意してください。