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1049食目「宇宙空間だと老化が進む?!」東北大学の実験で加齢を食い止める遺伝子が判った!?そしてそれは未来の糖尿病薬になる?!

「宇宙空間だと老化が進む?!」東北大学の実験で加齢を食い止める遺伝子が判った!?そしてそれは未来の糖尿病薬になる?!【適材適食】小園亜由美(管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ)

 

猛烈な熱量・光量で私たちを照らしていたおひさまも若干パワーダウンしてきた感じがしますね。とは言え、まだまだ暑いですけど真夏とは明らかに違った感じになってきました。さてカレンダー上は9月も半ば、そろそろ秋です。秋と言えばお月見、ですね。

 

「宇宙空間だと老化が進む?!」東北大学の実験で加齢を食い止める遺伝子が判った!?そしてそれは未来の糖尿病薬になる?!【適材適食】小園亜由美(管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ)

2020年の中秋の名月は10月1日木曜日なんだそうです。

名月が満月とは限らない

2020年の中秋の名月は、10月1日です。
「中秋の名月」とは、太陰太陽暦(注1)の8月15日の夜に見える月のことを指します。中秋の名月は農業の行事と結びつき、「芋名月」と呼ばれることもあります。中秋の名月をめでる習慣は、平安時代に中国から伝わったと言われています。

今年は10月1日が中秋の名月、翌2日が満月と、中秋の名月と満月の日付が1日ずれています。
太陰太陽暦では、新月(朔)の瞬間を含む日が、その月の朔日(ついたち)になります。今年は9月17日(新月の瞬間は20時00分)が太陰太陽暦の8月1日、10月1日が太陰太陽暦での8月15日となります。一方、天文学的な意味での満月(望)は、地球から見て太陽と反対方向になった瞬間の月のことを指します。満月の時刻は、10月2日6時05分です。
今年のように、中秋の名月と満月の日付がずれることは、しばしば起こります。詳しくは、国立天文台暦計算室ウェブサイトの「名月必ずしも満月ならず」をお読みください。

中秋の名月(2020年10月) | 国立天文台(NAOJ)

少し肌寒い夜風を感じつつ、虫の音をBGMに夜空を見上げる。そんな季節が待ち遠しいですね。

 

今回は真ん丸のお月様が浮かぶ宇宙の話です。

宇宙では加齢変化が加速 ISS「きぼう」でのマウス実験から明らかに 加速を食い止める遺伝子も発見

 東北大学は9月9日、国際宇宙ステーション(ISS)でマウスの飼育実験を行った結果、宇宙への長期滞在で加齢変化が加速することが分かったとする研究を発表した。
 東北大学を中心とする研究チームは、通常のマウス6匹と、生体に有害な活性酸素などに対する防御機構として働く「Nrf2」という遺伝子を欠損させたマウス6匹の計12匹をISSの日本実験棟「きぼう」で飼育。約30日間の滞在を終えて、12匹とも生きて帰還した。

 帰還したマウスを詳しく調べたところ、宇宙滞在マウスでは各臓器での遺伝子の発現や血中代謝物の変化などが確認され、その一部がヒトの加齢性変化と同じだったという。宇宙に滞在すると筋肉量の低下など加齢に似た現象が起きることは知られていたが、遺伝子発現や血中代謝物の変化でも加齢が確認されたのはこれが初めてとしている。

 さらに、Nrf2欠損マウスではこの変化が加速していることが分かったという。これらのことから、Nrf2には加齢変化を食い止める役割があるとしている。

 Nrf2は人間にもあり、中には発現量の低い人もいることが知られている。将来的に月や火星などに長期滞在することを考える際に、個人のNrf2遺伝子について調べることが宇宙での健康リスクの評価につながる他、Nrf2を活性化させる薬が宇宙での健康リスク克服に役立つと研究チームはまとめている。Nrf2活性化剤は糖尿病やアルツハイマー病などの加齢性疾患の予防や治療に有用であることが分かっており、多くの製薬企業により開発が進んでいるという。

 研究成果は、英Nature Researchのオープンアクセス学術誌「Communications Biology」のオンライン版に9月8日付で掲載された。

宇宙では加齢変化が加速 ISS「きぼう」でのマウス実験から明らかに 加速を食い止める遺伝子も発見 - ITmedia NEWS

 

いきなり難しい話?になってしまいました。ので、私の理解している範囲でお話したいと思います。

「宇宙空間だと老化が進む?!」東北大学の実験で加齢を食い止める遺伝子が判った!?そしてそれは未来の糖尿病薬になる?!【適材適食】小園亜由美(管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ)

宇宙って地上と違って空気もないし、重力もありません。そんな環境の中、人も含めた生物にどんな影響があるのかを調べようという試みです。どうしたかというと、

「宇宙空間だと老化が進む?!」東北大学の実験で加齢を食い止める遺伝子が判った!?そしてそれは未来の糖尿病薬になる?!【適材適食】小園亜由美(管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ)

何もしていないマウスとある遺伝子を取り除いたマウスを宇宙空間に30日間滞在させて身体への影響を調べました。取り除いた遺伝子はNrf2(NF-E2-related factor 2)と呼ばれるもの。Nrf2という遺伝子は、私たちの身体を活性酸素から守ってくれる働きを持つ遺伝子なんだそうです。

活性酸素については以下で説明しています↓

活性酸素自体は悪いものを取り除く働きがあるのですが、生活環境などの悪条件が揃ってしまうと、私たち自身の身体にダメージを与えてしまうのです。

で、気になる宇宙マウスの結果はというと、

どちらのマウスも加齢のような状態が進んだ

そうです。が、

特にNrf2遺伝子を取り除いたマウスはその進行が速かった

ということのようです。

この実験により、宇宙空間のような地上とは全く違う肉体的にも精神的にもストレスが大きい環境だと加齢が進行してしまう、ということと、Nrf2遺伝子が加齢を抑制する可能性がある、としています。

 

もしNrf2遺伝子の解明が進み、薬として確立できるのであれば、加齢が原因で起きる糖尿病の治療に役立つかも知れない、としています。

 

★ちゅー!ポイント★

秋→月→宇宙→ネズミ→遺伝子→加齢→糖尿病

意外なつながり、となりました。今はまだNrf2活性化剤は開発中とのことですが、糖尿病の関連した薬はここ数年で飛躍的に増えました。薬が増えるということは、たくさんの選択肢が増えるということ。ひとりひとりの生活に、生き方に併せることができるようになってきていると実感しています。これからの研究開発に期待です。

 

ー 適 材 適 食 てきざいてきしょく

小園 亜由美 (こぞのあゆみ)管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ・健康運動指導士・日本化粧品検定1級

【適材適食】小園亜由美(管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ・健康運動指導士・日本化粧品検定1級)

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*1:文中の表現は全ての人が対象ではない場合があります。現在治療中の方は必ず担当医や管理栄養士の指示に従ってください。食事療法は医療行為です。ひとりひとりの身体の状態に合わせた適切でオーダーメイドなカウンセリングが必要です。充分に注意してください。