甘い物、好きですか?
今まで食べた甘い物の中で1番甘かったものって何ですか?
甘い物って色々ありますよね。甘さと言えばなんと言っても砂糖、ですね。甘い物の多くに砂糖が使われています。砂糖って直接舐めると甘いですよね。
ところが、私たちは砂糖の甘さのたった20%程度しか感じていないらしいのです。
私たちはどうやって食べものの味を感じることができるのでしょうか。それは口の中の舌にある味蕾という器官で感じているのです。
味の蕾(つぼみ)と書いて味蕾(みらい)と読みます。
本当に蕾のようなカタチをしていますね。
人は舌に味蕾(みらい)と呼ばれる小さな器官をもっており、約10,000個の味蕾によって食べ物の味を感じていると言われています。
この味蕾には物質を検出して脳に味を伝える味覚受容体が複数存在しており、それぞれに役割があります。
例えば甘味受容体は甘味物質に反応して脳に「甘味」を伝えてくれます。
この甘味物質は砂糖をはじめとする糖類だけでなく、多種多様です。それらはすべて「甘い」と感じさせるものの、性質が大きく異なっているのです。
糖類は一般的な甘味物質ですが、エネルギー源として身体に吸収されるため摂取しすぎると肥満の原因となります。
つまり、この味蕾の甘さに反応する部分に触れることで信号が脳に伝わり「甘い」と判断しているんですね。ところが、
さて、私たちが甘みを感じるには甘味物質が味蕾に触れなければいけません。
では、砂糖やそれを含む食品を食べる時に、どれほどの砂糖が味蕾に接触するのでしょうか?
実は全体量のうち、たったの20%だと言われています。つまり、私たちが口にいれた砂糖の80%は味蕾を刺激することなく、直接胃の中に入っているのです。
私たちは砂糖がもたらす20%分の甘みを得るために、余分の80%の糖質を身体に取り入れていたのです。
なんて事でしょう!味蕾に触れるのは砂糖の20%だけで、残りの80%は甘さを感じることなくただ消化しているだけ、なんだそうです!(モッタイナイ!)
とは言え、それが私たちの身体。身体の仕組みだから仕方がない。
と諦めるのは早いです!実は甘さをより感じられる方法があるんです。
夏の暑い日にキンキンに冷えた炭酸飲料を飲んだ経験はありませんか?炭酸の刺激と氷の冷たさとちょうどいい甘さが乾ききった喉にとっても美味しいですよね!
では、その炭酸飲料がぬるくなって常温になったものを飲んだ経験ってありますか?飲んだことがある人なら分かると思いますが「とても甘く感じた」はずです。むしろ甘すぎて飲めないまであるレベルで甘いです。
実は人にもよりますがだいたい35度程度のものが最も甘く感じることが分かっています。だからキンキンに冷えている時は感じなかった甘さが常温になって甘さが際立って感じるようになるのです。
35度、ちょっと低めですがまるで人の体温のようです。体温と同じくらいが1番甘く感じされるというのには、進化の過程で何かそういう風になる理由があったのかも知れません。
これは有名な話で、たとえばジュースなど冷やして飲むものは、冷えていても甘さを感じられるように砂糖の量が調整されています。つまり「常温では甘すぎるぐらいたくさんの砂糖が入っている」可能性があるのです。気をつけないといけないですね。
ジュースと言えば果物。果物を食べた時に感じる甘さは砂糖ではなく果糖かとうと呼ばれるものです。果糖には砂糖と違った特徴があって温度が低いほど甘く感じるのです。よく果物を冷やして食べますが、腐らないように、長持ちするようにする意味と同時により美味しく食べるためという理由もあるのです。
ですから、20%しか感じる事のできない砂糖の甘み。より甘く食べたいのであれば35度程度のものを食べるとより甘みを感じることができるのです。アイスクリームは難しいですが、例えばお饅頭やたい焼きなんかは出来たての温かい方が同じ砂糖の量でも断然甘く感じることができるのです。
★ちゅー!ポイント★
「甘い」と感じたらその4倍実は甘くて、甘い分砂糖が入っているんだと覚えておきましょう。
甘い物に限らず、食べ過ぎはよくありません。ほどほどにしましょう。
ー 適 材 適 食 ーてきざいてきしょく
小園 亜由美 (こぞのあゆみ)管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ・健康運動指導士・日本化粧品検定1級
*1:文中の表現は全ての人が対象ではない場合があります。現在治療中の方は必ず担当医や管理栄養士の指示に従ってください。食事療法は医療行為です。ひとりひとりの身体の状態に合わせた適切でオーダーメイドなカウンセリングが必要です。充分に注意してください。