濃いめの緑色した大きな葉っぱに
鮮やかなオレンジ・赤・黄色の茎。
「スイスチャード」です。
とっても綺麗ですね。
スイスチャードの仲間は実は日本にもあって
和名「不断草(フダンソウ)」と呼ばれています。
と言うことでこの葉っぱは
色が付いたのは葉だけではなく
名前も「色色」付いていて面白いのです。
■スイスチャード
チャード=chardとは「アザミ」で、ラテン語発祥だそうです。
それに「スイス」が付いているので「スイス原産のアザミ」と
思いきやそうではないらしいのです!
「イタリア料理大全」によると、
アメリカ人ウェイバリー・ルー(ヨーロッパの食に詳しく著作も多い)はなぜ、スイスと何の関係もないのに、アメリカでスイス・チャードと呼ぶのか理解に苦しむといっている。そして、おそらくアメリカ人が、19世紀にこの野菜を初めて目にしたのが、スイスの保養地だったからであろう。
とのこと。
地中海地域に自生しているらしいのですが、
アメリカ人がたまたま初めて目にしたのがスイスだったから
「スイスチャード」なんて名前になったそうです。
ところが英語では
「リーフビート」 =葉っぱも食べる砂糖の原料となるビート
「スピナッチビート」=ほうれんそうに似た砂糖の原料となるビート
とも呼ばれるそうです。
■不断草(フダンソウ)
日本では江戸時代の1697年に発行された「農業全書」に
「ふだん草」の栽培方法が紹介されていて、そこには
四季絶えずあるゆえに不断草と名付るなるべし
とあり、
「どの季節でも生えているので
なくなることのない=不断と名付けた」
と記されています。
確かに7月〜10月頃が旬ではあるのですが、
2月〜11月まで採れるらしいのです。
暑さにも強く、年間を通して栽培でき、
青菜が足りなくなる夏場でも収穫できる
とっても優秀な葉野菜なのです。
なので、
「いつも菜」
「常菜(とこな)」
とも呼ばれるそうです。
■うまい菜・ンスナバー
京都では「うまい菜」
沖縄では「ンスナバー」
とも呼ばれているようです。
厳密には違う種類かも知れませんが、
同じ仲間で色色な呼び名があるのは
面白いですね★
味はというと、苦味やクセはありません。
葉は大きくて厚め、軸も太めです。
ホウレンソウのように
お浸しや和え物やバター炒めやスープなどで食べますが、
最近インスタで流行っている食べ方がこれです↓
綺麗ですね!
これなら色合いだけで楽しく食べちゃいますね!
フダンソウ(ゆでた場合) 栄養価
βカロテン当量・・・3800 μg
カリウム・・・・・・760 mg
食物繊維・・・・・・3.8 g
ビタミンK・・・・・220 μg
葉酸・・・・・・・・92 μg
マンガン・・・・・・4.85 mg
βカロテンとカリウムの多い野菜です。
ぜひ、食べてみてください。
★わん!ポイント★
まるで色を塗ったかのような鮮やかさ。
野菜って綺麗ですね。
ー適材適食ー
小園亜由美(こぞのあゆみ)|管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ・健康運動指導士
*1:文中の表現は全ての人が対象ではない場合があります。現在治療中の方は必ず担当医や管理栄養士の指示に従ってください。食事療法は治療です。ひとりひとりの身体の状態に合わせた適切でオーダーメイドなカウンセリングが必要です。充分に注意してください。