福岡・博多には「おきゅうと」と言う食べものがあります。
見かけはこんにゃくのようですが、ズバリ似ています。
こんにゃく程弾力性はなくどちらかと言うと
硬めの寒天のような感じの食感です。
ちゅるん!って感じです。
原材料は海藻のエゴノリで、煮溶かして固めて作ります。
おきゅうと。
ちょっと変わった名前ですよね。
タイトルでは「お救人」と書きましたが、
人を救った食べものだから、
というのが名前の由来のひとつとされているそうです。
福岡県立博物館に収蔵されている
江戸時代の「筑前国産物帳」には
『うけうと』と記されているそうです。
1731年(享保16年)末より悪天候が続き、
梅雨から約2ヶ月という長雨により冷夏となり作物が育たず
12,000とも970,000とも言われる餓死者を出した
「享保(きょうほう)の大飢饉」。
博多でも食べものがなく、
ある漁師が博多湾の海藻を煮詰めて固めたものを作り
飢えを凌いだことから、
人々を救った食べもの=お救人=おきうと=おきゅうと
となったという説があるそうです。
最初は博多だけだったそうですが
噂が噂を呼び福岡全域まで拡がり、
現在では九州各地で食べられています。
管理栄養士として、栄養は?と訊かれると、
「ありません」
と答えるぐらいほとんど何も栄養は入ってません。
が、エネルギー量も大変低いので、
ダイエットに最適と言えます!!!
昔は飢えを凌ぐための救世主として、
今は太った身体を適正にするため、
ヒーローも時代と共に役割が変わっているようです。
こんな風に鰹節とネギと少しの醤油を足して食べます。
そんなヒーローなおきゅうとも
年々消費量が落ちているようです。
昔は朝食の定番だったそうですが、
そういえば私も滅多に食べません。
今回紹介したくてスーパーで買ったぐらいです。
でも、こうして改めて注目してみると、
おきゅうとの良さが判ります。
ヒーローに感謝して。
頂きます!
★わん!ポイント★
九州以外で売っているのかなー、と心配。
売ってないようでしたら、
ぜひ九州、福岡に来た際はご賞味ください。
GWもおしまい。
みなさん、明日からがんばりましょう★
ー適材適食ー
小園亜由美(こぞのあゆみ)|管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ・健康運動指導士
*1:文中の表現は全ての人が対象ではない場合があります。現在治療中の方は必ず担当医や管理栄養士の指示に従ってください。食事療法は治療です。ひとりひとりの身体の状態に合わせた適切でオーダーメイドなカウンセリングが必要です。充分に注意してください。