まず
「物忘れ」
「認知症」
「アルツハイマー病」
の違いについてお話します。
まずは「物忘れ」と「認知症」の違いを
ざっくりと説明すると、
【物忘れ】
・物忘れしてしまったことを「自覚できる」
・過去に体験したことの「一部を忘れる」
・何かヒントがあれば「思い出す」
・生活を送る上で大きな「問題はない」
・物事の判断力の「低下はない」
【認知症】
・物忘れしてしまったことを「自覚できない」
・過去に体験したことの「全てを忘れる」
・何かヒントがあっても「思い出せない」
・生活を送る上で大きな「問題がある」
・物事の判断力の「低下する」
ということになります。
似た症状に見えますが大きく捉えるとかなり違います。
物忘れは加齢がその原因のひとつと言われています。
次に「認知症」と「アルツハイマー症」についてみていきます。
【認知症】
「症」という言葉がつきますが、病名ではありません。
「状態」を表す言葉で、
・認識する
・記憶する
・判断する
といった能力が障害を受け、
生活に支障をきたす状態のことを言います。
【アルツハイマー病】
脳が萎縮、つまり小さく縮んでいく「病気」です。
アルツハイマー病は認知症の原因のひとつで、
日本では認知症の約60%がこの病気であると言われています。
つまり、アルツハイマー病が認知症を引き起こしていて
特に「アルツハイマー型認知症」と呼ばれています。
認知症は
・記憶障害
・見当識障害
・学習障害
・注意障害
・視空間認知障害
・問題解決能力障害
など様様な障害を引き起こしていきます。
進行性で、最終的には寝たきりになるケースが殆どです。
そんなアルツハイマー病に
インスリンが深く関係していることがわかってきました。
脳の神経細胞が活動するために必要とされるエネルギー源は
脂肪ではなくほとんどが「糖」だという事が判っていました。
神経細胞は「インスリン」を使って糖を取り込むのですから、
糖尿病でインスリンの効きが悪くなる
「インスリン抵抗性」があると
必要な糖が取り込まれずに
神経細胞に支障がでていて、
それがアルツハイマー病を引き起こし、
認知症を引き起こしているのではないか、という流れです。
同時に、
糖尿病治療で使われている「GLP-1受容体作用薬」が
アルツハイマー病を予防するのではないか、と
研究が進められています。
研究では、
・認知障害を抑える
・インスリン感受性を改善
・神経細胞をつなぐシナプスを回復
ことが確かめられたそうです。
今夜、NHKのためしてガッテンでも
同じような話題を取り上げていましたね。
★わん!ポイント★
食事や運動など生活習慣が、
糖尿病だけでなく認知症までをも引き起こす。
小さな積み重ねが
将来を大きく変えることがわかってきました。
大切にしたい、ですね。
ー適材適食ー
小園亜由美(こぞのあゆみ)|管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ・健康運動指導士
*1:文中の表現は全ての人が対象ではない場合があります。現在治療中の方は必ず担当医や管理栄養士の指示に従ってください。食事療法は治療です。ひとりひとりの身体の状態に合わせた適切でオーダーメイドなカウンセリングが必要です。充分に注意してください。