食中毒の種類と症状をお話してきましたが、
今回は、それぞれの細菌やウイルスに感染しないための
具体的な方法をお話していきます。
■サルモネラ菌(細菌)
場所:動物の腸内、河川、下水など
食品:卵、レバー
予防*手や調理器具の洗浄・消毒。
*卵は新しいものを購入。
*卵は冷蔵保存し早めに消費する。
*肉や卵は充分に加熱する。
(中心部を70℃/1分間)
*調理場のネズミや虫の駆除。
■カンピロバクター(細菌)
場所:家畜、ペット、野生動物・鳥
食品:主に鶏肉、飲料水、サラダなど
予防*熱や乾燥に弱いので、
調理器具は熱湯消毒した後に充分に乾燥させる。
*塩素消毒、煮沸消毒が有効。
*生肉と調理済みの肉類は別に保管。
*生肉に触れたら充分に手を洗う。
■病原性大腸菌(細菌)
(O-157など)
場所:土、下水、動物、ヒトのし尿
食品:あらゆる食品
予防*生野菜はよく洗う。
*生野菜は中心部まで充分に加熱する。
(中心部を70℃/1分間)
*調理器具を充分に消毒する。
*手をよく洗い、消毒する。
*井戸水など水道水以外の水に注意する。
■腸炎ビブリオ(細菌)
場所:魚介類、海水
食品:魚介類の刺身、すし、野菜
予防*魚介類を調理前に水でよく洗う。
*魚介類の保管は4℃以下。
*夏場の生食は要注意。
*調理器具の洗浄と消毒。
*生食用調理器具は他では使わない。
*魚介類の中心部まで充分に加熱する。
(中心部を65℃/1分間)
■ウェルシュ菌(細菌)
場所:水、土、人や動物の腸内
食品:肉類、魚介類、野菜
予防*前日調理は避ける。
*加熱調理したものでも早めに食べる。
*調理したものを室温で放置しない。
*保管は小分けして素早く冷却する。
■セレウス菌(細菌)
場所:土、水、ほこり
食品:米、小麦を原料とした食品
予防*大量に調理せず必要量だけ調理する。
*速やかに低温(10℃以下)で保存する。
■黄色ブドウ球菌(細菌)
場所:化膿した傷、鼻腔、喉、皮膚、腸、ほこり
食品:穀類、穀類加工品(おにぎり、弁当など)
予防*手を充分に洗い、消毒する。
*手にキズがある場合は調理しない。
*おにぎり等はラップ等を使って直接触れない。
★100℃を超える熱でも死滅しない。
■ボツリヌス菌(細菌)
場所:土、海、河川
食品:缶詰、びん詰、保存食品
予防*真空パックや缶詰が膨張していたら食べない。
*「食品を気密性のある容器包装に入れ
密封した後、加圧加熱殺菌した
(缶詰、ビン詰を除く)」
の表記がないものは、
保存方法を確認し、期限内に食べる。
■ノロウイルス(ウイルス)
場所:感染者の便、吐しゃ物
食品:感染している食品、二枚貝
予防*牡蛎などの二枚貝は完全に加熱する。
*貝類を生食する際は
汚染されていない海域の生食用のものを選び、
ウイルスが蓄積する内臓を除去する。
*下痢や風邪に似た症状がある場合は調理しない。
手間がかかると思うかも知れませんが、
それだけで感染を防ぐことができます。
手洗いなどは食中毒だけでなく、
風邪予防にも有効ですので、
ぜひ身につけてください。
(関連記事)
食中毒対策
食中毒の種類と症状
★わん!ポイント★
いかがでしたか。
手を洗い消毒をすること。
調理器具も殺菌すること。
保存は適切にすること。
他の食材と一緒にしないこと。
など、
細菌やウイルスを
取り込まないように 他に感染しないように
することが大切です。
参考:http://www.altan.co.jp/syokucyudoku.html
ー適材適食ー
小園亜由美(こぞのあゆみ)|管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ・健康運動指導士
*1:文中の表現は全ての人が対象ではない場合があります。現在治療中の方は必ず担当医や管理栄養士の指示に従ってください。食事療法は治療です。ひとりひとりの身体の状態に合わせた適切でオーダーメイドなカウンセリングが必要です。充分に注意してください。