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適材適食 -てきざいてきしょく-

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165食目「ひらけゴマ!はアブラ[過多]ブラ!」

ひらけゴマ!はアブラ[過多]ブラ!【適材適食】小園亜由美(管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ)

 

むかーし、むかし。

ペルシアに

とてもお金持ちの兄 カシムと

貧乏な木こりの弟 アリババという兄弟がいました。

 

ある日、

アリババがロバを連れて森に入ると

辺りからたくさんの馬の足音が聞こえてきます。

 

アリババは気になって足音の方を覗いてみると

おそろしい顔つきの男たちが大勢近づいてきます。

アリババは怖くなり咄嗟に身を隠しました。

物陰からおそるおそる数えてみると

なんと男たちは40人もいます。

やがて親分らしき男が岩の前に立ち、そして言いました。

 

「ひらけ、ゴマ!」

 

 

 

 

ご存じ『アリババと40人の盗賊』の話です。

盗賊の親分のセリフ「ひらけ、ゴマ!」の呪文は有名ですね。

でも何故「ひらけ、ゴマ!」なのでしょう。

 

ひらけ、ゴマ!は英語で「Open sesami !」、

sesami(セサミ)=ゴマなので、そのままですね。

ちなみにアラビア語でゴマは

حبوب السمسم

と書いて「シムシム」と発音するそうです。

 

で、何故ゴマなのかというと諸説あるようなのですが、

「アリ・ババと40人の盗賊」の話が作られた時代、中近東地域では、ごまは油を搾るための重要な農作物として広く栽培されており、貴重な財源=宝物として重用されていました。お話のなかにも「魔法の霊験に通じる神秘なごま」という表現があり、ごまには神秘な力があると信じられていたようです。

ごまは成熟後乾燥させると、種子の詰まったさや(さく果)が割れ、なかの種がはじけ出ます。このことから「開けごま!」とは、パッと勢いよく開く様子を指して使われる当時の慣用句だったともいわれています。「開け、ごま!」の呪文は、「ぎっしり詰まった大切な宝よ、早く出て来い!」という願いが込められているのでしょうね。

なぜ「開け、ごま!」なの?

なるほど。

貴重な油の原料となるゴマを宝物とするのは納得です。

ゴマが割けて中から油を含んだ種が飛び出す、

と考えるとなるほど、です。

 

では日本ではというと、

日本では、縄文時代から遺跡から発見されていますが、利用法は明確になっていませんが、奈良時代には、ごま油が調味料として利用されるなど、すでに重要な作物としてごまが栽培されていたようです。

ゴマについて、黒ゴマ、白ゴマなど種類がありますが、何が違うのでしょうか。特性と、栄養成分上違いなどを教えて下さい。:農林水産省

縄文時代は紀元前131世紀頃、

今から15,000〜2,300年前ですから

気の遠くなるほど昔から食べられていたようです。

 

というか、

農林水産省がゴマについて

とても詳しく説明する頁を用意してあるのがびっくりです★

こんなことが書かれています↓

 

■ゴマの栄養成分

白・黒・金で若干含まれる量の違いはあっても栄養成分はほとんど同じです。成分の約50%は脂質で、次に約20%がたんぱく質、約20%弱が炭水化物です。
脂質に含まれる脂肪酸は人体では合成できない必須脂肪酸で、リノール酸、オレイン酸が非常に多く、次にパルチミン酸、ステアリン酸も多く、トコフェロール類(ビタミンE類)も含まれています。そのほか灰分のセレンやゴマの特徴としてリグナン類のセサミンが含まれていて酸化防止効果があり、動脈硬化や脂質異常症等の予防効果が期待されると言われています。

ゴマについて、黒ゴマ、白ゴマなど種類がありますが、何が違うのでしょうか。特性と、栄養成分上違いなどを教えて下さい。:農林水産省

 

『ゴマには栄養がたくさん詰まってる!』

聞いたこと、ありませんか?

特に「セサミン」なんかは有名かも知れません。

ゴマはsesami(セサミ)だからセサミン。

・肝機能向上

・コレステロール吸収の阻害

・抗がん効果

・アルコールや四塩化炭素による障害の防御効果

・高血圧効果

などが期待できるとされているようです。

 

 

今日、糖尿病のある患者さんに食事カウンセリングをしました。

その中で患者さんは

「何にでもゴマをかけて食べてます」

と言ってました。

なぜゴマをかけるのかと尋ねたところ、

「だってゴマってカラダにいいって言うじゃないですか」

と言ってました。

 

 

確かにゴマには多くの栄養が含まれています。

しかし、

ゴマの約50%は脂質、アブラなのです!!!

(意外と知らない人、多いと思います)

 

セサミンなどの成分は脂溶性、

つまりアブラに溶け込んでいるので

栄養たっぷりではあるのですが、

エネルギーもたっぷり含まれています。

 

ゴマをメインにして食べる料理やおかずは

そうないとしても

やはり何でもかんでもゴマを振りかけてしまえば、

栄養も摂れますが、

エネルギーも必要以上に

多く摂ってしまうことになりかねません。

 

アブラと言うと

液体や肉の脂身を想像してしまい、

さらっと食べられるゴマに

アブラが多いとなかなか想像できません。

だから注意が必要なのです。

 

ゴマは風味も味もいいので

アクセントとし使うのには賛成ですが、

使いすぎは注意です。

 

先程の患者さんも

控えると約束してくれました。

 

たとえ栄養たっぷりだとしても

食べ過ぎ、摂り過ぎは

病気を引き起こす原因になりかねません。

 

適材適食、です。

 

 

 

★わん!ポイント★

今日のタイトル

『ひらけゴマ!はアブラ過多ブラ』

とは、

開いたゴマをたくさん食べ過ぎると、

アブラ過多になってしまうよー

という呪文でした。

 

アブラカ「タ」ブラではなく、

アブラカ「ダ」ブラ、ですね。

 

 

 

 

ー適材適食ー

小園亜由美(こぞのあゆみ)|管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ・健康運動指導士

 

*1 

 

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*1:文中の表現は全ての人が対象ではない場合があります。現在治療中の方は必ず担当医や管理栄養士の指示に従ってください。食事療法は治療です。ひとりひとりの身体の状態に合わせた適切でオーダーメイドなカウンセリングが必要です。充分に注意してください。