栄養豊富で甘くて美味しいハチミツ。
自然の甘味なので、
ついつい赤ちゃんにあげたくなってしまいますが、
生後1歳の乳幼児には「絶対に」与えてはいけません。
最悪、命を落とす危険性さえあります!!!
今日、こんなニュースがありました。
「乳児ハチミツ注意」、死亡事故受け表示義務化
ハチミツを食べた乳児が昨年3月、ボツリヌス菌が原因の「乳児ボツリヌス症」で死亡した事故を受け、業界団体が会員業者に、容器への注意表示を義務付けることを決めた。来夏にも規約を改正し、統一した表示基準を設けて、乳児に対する危険性を明確にする。(読売新聞)
なぜいけないのか?
それは、
乳児ボツリヌス症
通常のボツリヌス症と異なり、腸内細菌叢が未発達の乳児にボツリヌス菌の芽胞を摂取することにより起こる。芽胞は乳児の体内で発芽し、ボツリヌス毒素を作り出す。原因となる食物は黒糖などいくつか考えられているが、蜂蜜について因果関係が明白になっている。そのため、1歳未満の乳児に蜂蜜を与えてはならない(1987年10月20日厚生省通知)。芽胞は高温に耐えるため、一般的な加熱調理では蜂蜜中の芽胞の除去は困難である。この中毒が乳児特有である理由として、乳児は成人に比べ腸内細菌叢が未発達であることや、消化管が短いことから、成人では上部消化管で不活化されるボツリヌス菌が乳児では腸管まで届いてしまうためと考えられる。
つまり、
1歳過ぎるまで腸内環境が整っていないため、
ハチミツに潜むボツリヌス菌に負けてしまう
ためなのです。
生のハチミツじゃなくて、火を通したり、加工してあれば大丈夫?
かというと、熱にも強いので結論「ダメ」です。
消費者庁でも呼びかけています。
腸内環境が整っていないためにハチミツ以外にも
- 自家製野菜スープ
- 缶詰
- 井戸水
- コーンシロップ
などはボツリヌス菌に感染する可能性があるため
注意が必要とされています。
(食品安全委員会)
ボツリヌス菌ではなく、
「アレルギー」にも配慮が必要です。
- エビ
- カニ
- 小麦
- ソバ
- たまご
- 乳
- 落花生
などは加工食品に表示義務があります。
義務ではなく表示推奨とされる
- アワビ
- イカ
- イクラ
- サケ
- サバ
- オレンジ
- カシューナッツ
- クルミ
- キウイフルーツ
- バナナ
- モモ
- リンゴ
- 牛肉
- 鶏肉
- 豚肉
- マツタケ
- ヤマイモ
- 大豆
- ゴマ
- ゼラチン
なども注意すべき食品とされています。
これらの食材・食品にアレルギー反応があり、
ひどい場合はアナフィラキシーショックを起こします。
アレルギーについては病院で検査を受けることで判ります。
もし熱や発疹など体調の変化があった時はすぐに病院を受診してください。
アレルギーは別として、
ハチミツのボツリヌス菌については、
1歳を過ぎると腸内環境が整うので、
与えても大丈夫とされています。
不安であればかかりつけ医に相談してみてください。
ハチミツは栄養価の高い食材です。
お子さんの成長には必要です。
でも、気をつけなければなりません。
★わん!ポイント★
子育て中じゃないとしても、
ぜひ覚えておいてください。
赤ちゃんは与えられたものしか
食べることはできません。
万が一すら起きないためにも
みんなで情報共有していきましょう★
ー適材適食ー
小園亜由美(こぞのあゆみ)|管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ・健康運動指導士
*1:文中の表現は全ての人が対象ではない場合があります。現在治療中の方は必ず担当医や管理栄養士の指示に従ってください。食事療法は治療です。ひとりひとりの身体の状態に合わせた適切でオーダーメイドなカウンセリングが必要です。充分に注意してください。