午前中は通常勤務、午後から移動、
19時から沖縄・那覇で
糖尿病療養指導セミナー
〜栄養・運動療法について考える〜
にて講演させて頂きました。
演題は「適材適食」。
今回は「治療中断」について考えてみることにしました。
糖尿病の治療に関わる医療従事者であれば
誰もがぶつかる
大きくて、固くて、とても手強い壁です。
しかし、
治療を続けて悪化させないことが最も大事なことである以上、
避けられる問題ではありません。
日本糖尿病学会でも調査発表がありました。
そしてその理由のいくつかは
私たち医療従事者の言動によって左右されることが含まれています。
治療を中断してしまうのは、
やる気がないのではなく、
「やれない理由」があるはず。
私たちはその理由を探り、
解きほぐしていかなくてはなりません。
そのためには、
管理栄養士が専門である食事のアドバイスをするだけでは実現できません。
看護師や臨床検査技師などそれぞれのエキスパートが
薬、食事、運動や病態について詳しく学び、
その上で専門分野を発揮して互いに補完し合う必要がある、
そんな提案をお話させて頂きました。
「適材適食」とは
最適な食事についてを表現する言葉ですが、
それだけでは患者さんを護ることはできない、
と私は強く感じています。
講演の中で頂いた質問で、
弊院が行っている「じぶんみがきグランプリ」についてのことがありました。
その答えとして
患者さんが
大切だ、大事だ、と考えているものを
聴き出し、
それと治療を違和感なく結びつける
とお話しました。
それは昨日の
例えば
ゴルフをしたい。
旅行に行きたい。
孫と遊びたい。
そんな患者さんの目標や「夢」を教えてもらって、
「だったらこうしましょう!」
と提案します。
夢に向かってそのための準備、それが治療。
そんな風にカウンセリングをしています。
治療のための生活にならないように、
生活の中に自然と馴染んだ治療。
と同じです。
風邪のように1週間治療すれば治るのであれば
治療のために過ごすことはできます。
でも、糖尿病は現時点では完治することはありません。
だからと言って、
治療のために人生を過ごすことはできるでしょうか。
それで幸せな一生を過ごすことになるのでしょうか。
糖尿病だからと言って、
健康な人と違いなく過ごすことはできます。
確かに好きなように食べ、
好きなように過ごすことはできなくなるかも知れません。
でも、それは糖尿病になったからではなく、
誰のカラダにとっても負担となり、
いずれ健康を手放すことになりかねないことなのです。
だから食に詳しい管理栄養士として、
私は健康的な毎日を過ごすために
「適材適食」
を一生懸命オススメしているのです。
★わん!ポイント★
最後になりましたが、
今日参加頂いた医療従事者のみなさま、
長田 光司先生(ながた内科クリニック 院長)、
伊是名カエ先生(首里城下町クリニック 管理栄養士)、
田名 毅先生(首里城下町クリニック 第一 院長)、
下野院長、
そして
講演会のスタッフのみなさまに
心から深く感謝申し上げます。
ー適材適食ー
小園亜由美(こぞのあゆみ)|管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ・健康運動指導士
*1:文中の表現は全ての人が対象ではない場合があります。現在治療中の方は必ず担当医や管理栄養士の指示に従ってください。食事療法は治療です。ひとりひとりの身体の状態に合わせた適切でオーダーメイドなカウンセリングが必要です。充分に注意してください。