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357食目「風邪は薬では治せません」風邪とインフルエンザの違いや対処方法を知っておこう

「風邪は薬では治せません」風邪とインフルエンザの違いや対処方法を知っておこう【適材適食】小園亜由美(管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ)

 

朝晩の冷え込みも厳しくなってきました。

みなさん、体調を崩してはいませんか?

 

冬は風邪やインフルエンザが流行します。

今回は「風邪」と「インフルエンザ」について観ていこうと思います。

 

ところで風邪とインフルエンザの「違い」って何でしょう。

ちゃんと説明できますか?

病名が違うということは対処方法も違いますので、

風邪とインフルエンザの違いについて観ていきましょう。

 

 

■風邪とは?

  • なんだかゾクゾクする。
  • 熱っぽい。
  • 喉が痛い。
  • 頭が痛い。

そんな体調の変化があると「風邪をひいた」って思いますよね。

でも「風邪」という病名はありません。

正式には症状によって

「急性上気道炎」

「上気道感染症」

などの病名を「かぜ症候群」と呼んでいます。

よく病名を観てみると「上気道じょうきどう」と言う語句が使われています。

上気道とは

鼻腔びくう:鼻の穴から喉までの間

 

咽頭いんとう:鼻の奥から舌の奥からのどぼとけのまでの後頭部側

喉頭こうとう:のどぼとけあたり

の部分、簡単に言えば「鼻から喉にかけて」です。

この部分が

熱を持ったり、痛みがあったりする

「炎症」

を起こしている状態です。

なぜ炎症が起きているかというと、

外部から「ウイルスや細菌など」が体内に侵入したためです。

ほとんどの場合ウイルスで、

代表的なウイルスはこんな感じだそうです↓

「風邪は薬では治せません」風邪とインフルエンザの違いや対処方法を知っておこう【適材適食】小園亜由美(管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ)

引用元:風邪 - Wikipedia

 

 

 

■インフルエンザとは?

  • なんだかゾクゾクする。
  • 熱っぽい。
  • 喉が痛い。
  • 頭が痛い。

など風邪と似たような症状がでますが、

原因となっているのがインフルエンザウイルスの場合のみ

「インフルエンザ」

と診断されます。

インフルエンザウイルスには3タイプあってそれぞれ

A型・B型・C型

と呼ばれます。

ちなみにこんな姿をしているそうです↓

「風邪は薬では治せません」風邪とインフルエンザの違いや対処方法を知っておこう【適材適食】小園亜由美(管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ)

引用元:インフルエンザウイルス - Wikipedia

 

 

 

■風邪とインフルエンザを見分けるには?

似た症状がでますが、実は大きく違った点があります。

 

原因  インフルエンザ  | 風邪

発症  突然に・急激に  | 徐徐に・緩やかに

発熱  38度以上    | 37度程度

症状  上気道症状    | 上気道症状

    (咳・鼻水・喉痛)| (咳・鼻水・喉痛)

    関節痛      |

    だるさ      |

 

となります。判りやすいのは「熱」です。

体温が

  • 38度以上ならインフルエンザ
  • 37度程度なら風邪

の疑いがある、とした方がいいでしょう。

 

 

■38度以上あったら。

38度以上の高熱に、

悪寒、だるさ、頭痛、関節痛、筋肉痛

などの症状がある場合は

インフルエンザの可能性が高いので、

すぐに医療機関を受診してください。

その時は38度以上熱があることを必ず伝えてください。

インフルエンザウイルスは大変感染力が強いので、

家を出る前に

「手洗い」+「うがい」をしてから

しっかり「マスク」をしてから外出してください。

インフルエンザかどうかについては検査を行います。

15分〜30分程度で結果がわかります。

もしインフルエンザにかかってしまっていても

発熱から48時間以内であれば有効な薬がありますので、

38度以上の発熱があったらすぐに受診してください。

 

中高年の場合、インフルエンザには特に注意が必要です。

インフルエンザにかかってしまったために、

  • 心不全
  • 心筋炎
  • 呼吸困難
  • 肺炎
  • 急性胃腸炎

などの合併症になる可能性があります。

特に糖尿病がある人は重症化する傾向にあるので、

当院ではインフルエンザの予防接種を勧めています。

予防接種を受けることで、

発症率が20%程度に抑えられたり、

合併症などによる死亡率が80%低下する、

と言ったデータもあります。

 

ただ予防接種をしても絶対にかからないわけではありません。

注射をしてから2週間程後から効いてきますし、

インフルエンザウイルスの型が違ったり、

効き目が薄れてきたり、

そもそもカラダが弱っているなどで

インフルエンザにかかってしまうこともあります。

 

 

 

■37度程度だったら。

37度程度の発熱に

喉、くしゃみ、鼻水、のどの痛み、痰

などの症状がある場合は「風邪」の可能性があります。 

もし風邪だった時、あなたはどうしますか?

ーーー病院に行く前に市販の風邪薬を飲む

そんな人も多いかと思います。

 

  でもそれは風邪を治す薬ではありません

 

市販されている風邪薬は「総合感冒薬」と呼ばれています。

感冒かんぼうとは

  • くしゃみ
  • 鼻水
  • 発熱

などの症状が出る「急性呼吸器疾患」のこと 

を指します。

これを風邪と呼んでいて、風邪を「普通感冒」と言います。

かぜ症候群=普通感冒なのです。

つまり

総合感冒薬とは

かぜ症候群=普通感冒の諸症状を抑える

 頭痛、のどの痛み、筋肉痛・・・鎮痛剤ちんつうざい

 発熱・・・・・・・・・・・・・解熱剤げねつざい

 咳・・・・・・・・・・・・・・鎮咳去痰薬ちんがいきょたんやく

 鼻水、鼻づまり・・・・・・・・抗ヒスタミン剤

など成分が配合されたもの

 なのです。

そう

「症状を緩和するため」に使われるのが

いわゆる「風邪薬」なのです。

テレビCMを思い出してみてください。

 『つらいかぜに』

 『つらいせき、たんに』

 『のどの痛み、発熱に』

 『鼻水、鼻づまりに』

 『効いたよね 早めの○○』

 『鼻・のど・熱に 3つのタイプの○○』

などなど、

こうして改めて観てみると

かぜの症状についてしか言っていない

ことが判ります。

総合感冒薬=かぜ薬は、

風邪によって引き起こされる症状を抑える成分が入っています。

つまり、

風邪の原因である細菌やウイルスをやっつけてはくれないのです。

熱や鼻水や咳が出ると「風邪」だと思うように、

風邪薬を飲むと

熱や鼻水や咳が「抑えられる」ので

風邪に効いているように思ってしまいますが、

風邪によって引き起こされる症状を抑えているだけ、なのです。

 

もし市販の風邪薬を飲んで数日経っても

・咳が酷すぎる上全く止まらない

・鼻水が全く止まらない

・喉が痛くて飲みものを飲んでも痛い

という場合は医療機関を受診してください。

家を出る前に

「手洗い」+「うがい」をしてから

しっかり「マスク」をしてから外出してください。

38度以下でもインフルエンザの場合もあります。

が、数日経っているとインフルエンザ用の薬は効きません。

その場合は、

熱を下げたり、咳を抑えたり、鼻水を止めるなど

市販の風邪薬とほぼ同じ成分で

より効き目の強いものを処方されます。

また風邪やインフルエンザに似た症状が出ていても

まったく違う病気の可能性もありますので、

「いつもと違う」「普通じゃない」と感じたら

必ず医療機関を受診してください。

 

一概には言えませんが

症状が「4日以上」続いた場合は特に注意が必要です。

参考:日本医師会ウェブサイト-急性上気道炎-

 

 

 

■風邪を治す薬はない。

風邪を治す薬はありません。

何故なら風邪の原因となる細菌やウイルスは無数にあるから、です。

それらを全て正確に捉え対応することができないからです。

インフルエンザの場合はウイルスがある程度特定できているので

インフルエンザウイルスが

 体内に拡散しないようにする

 体内で増殖しないようにする

=薬があるのです。

それでもA型B型C型と型毎に対応しなければならないのです。

 

 

 

■風邪を治すには?

今で風邪をひいた経験、あると思います。

でもそれらが治ったのは、あなた自身の力です。

自然に治る=自然治癒で治っているのです。

自然治癒のキーとなるのが「免疫」です。

ちょっとややこしい話なので判りやすい画を紹介します↓

 

「風邪は薬では治せません」風邪とインフルエンザの違いや対処方法を知っておこう【適材適食】小園亜由美(管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ)

 

熱はウイルスの活動を鈍らせるため。

鼻水・咳・くしゃみはウイルスを体外に出すため。

「調子が悪い」と感じている症状は

カラダがウイルスと必死に闘っている証拠なのです。

 

ではどうしたらいいのか。

それは

  • 安静
  • バランスのよい食事
  • 水分補給
  • 室温・湿度の調整

です。つまり、【しっかり休養する】ことです。

「風邪は薬では治せません」風邪とインフルエンザの違いや対処方法を知っておこう【適材適食】小園亜由美(管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ)

 

 

 

■結局薬は飲むべき?

市販されている総合感冒薬=風邪薬)

  症状をやわらげるためのものなので、

  症状がひどい時は利用してもよいでしょう。

  ただ治すのは自分自身の免疫力なので、

  睡眠などしっかり休養を取ることが最も重要です。

医療機関で処方された薬

  必ず薬の使用方法について説明がありますので

  その説明に従ってください。

  特にインフルエンザの場合、

  症状が治まったからと言って

  処方された分を飲みきらない人がいますが、

  処方された分量は

  体内のインフルエンザウイルスを撃退する分量

  なので、最後までしっかり飲みきってください。

  治ったと思っても体内に残っていて、

  それが他の人にうつる可能性があります。

  絶対に医師の指示に従うようにお願いします。

 

 

 

■風邪薬を使う上での注意事項

先日取り上げましたが

12歳未満への風邪薬の使い方が変わります。

詳細はこちらから↓

 

 

 

■インフルエンザや風邪になってしまったら?

うつさないようにすることが大事です。

咳やくしゃみはウイルスを空気中にばらまきます。

特に熱のある時が最も感染しやすいので注意が必要です。

 

 

 

■インフルエンザや風邪にならないためには?

「手洗いとうがい」が最も有効です。

手洗い)

  水でちゃちゃっと済ますのではなく、

  石鹸を使ってしっかり丁寧に洗いましょう。

うがい)

  水道水よりもうがい薬を利用した方が

  殺菌・殺ウイルス効果があります。

  市販のもので充分効果があります。

家に帰ってきたらまず手洗いとうがいをしっかりしましょう。

 

 

 

■ぴんぽんぱんぽーん

2018年の冬。

インフルエンザが流行の兆しがあるようです。

 

 

 

 

 

★わん!ポイント★ 

まとめると、

  1. インフルエンザも風邪もウイルスや細菌が原因。
  2. インフルエンザや風邪の薬はつらい症状を和らげるもの。
  3. インフルエンザは症状も重く危険な合併症を引き起こしやすい。
  4. インフルエンザの予防接種は効きます。
  5. 風邪は自然治癒する。
  6. 風邪をひいたらしっかり休養する。
  7. 38度以上の熱が出たら必ず医療機関を受診する。
  8. 37度程度でもいつもと違う感じがしたら医療機関を受診する。
  9. インフルエンザも風邪も周りにうつさないように気をつける。
  10. 予防は「手洗い」と「うがい」。

という感じでしょうか。

 

 

風邪を治すのは自分の中の免疫システムということは、

健康であれば免疫もしっかり働いてくれます。

健康は食事・運動・睡眠をしっかりとることが大切です。

そしてしつこいようですが「手洗い」「うがい」です。

 

元気にこの冬を過ごしましょう。

 

   

 

ー適材適食ー

小園亜由美(こぞのあゆみ)|管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ・健康運動指導士

 

*1 

 

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*1:文中の表現は全ての人が対象ではない場合があります。現在治療中の方は必ず担当医や管理栄養士の指示に従ってください。食事療法は治療です。ひとりひとりの身体の状態に合わせた適切でオーダーメイドなカウンセリングが必要です。充分に注意してください。