今週のお題「桜」
春を佐賀しに、探しに出かけました。
山のあちらこちらが桜色。
(たぶん)シロツメクサが一杯!
海も冬の重い色から春色に変わってる気がします。
福岡から1時間かからないで目的地唐津周辺に到着です。
天保9年=西暦1838年創業
川魚・摘草料理『飴源あめげん』です。
とてものどかな風景の中に突然あるお店なのですが
「ミシュラン2つ星★★」という名店なのです!
唐津・呼子と言えば海を連想してしまいますが、
こちらは「川と山の恵み」を味わえるお店なのです。
とっても雰囲気のある「宿屋」のような店構えです。
お店の中に入ると、
梅の花、福助、カニ。どれも雰囲気があって期待は高まるばかりです。
早めに着いてしまったので、
食事の準備ができるまで奥の部屋に通して頂きました。
囲炉裏があり、
周りには飴源を訪れたたくさんの有名人 著名人の写真が飾ってありました。
芸能人だけでなく、政界の人も!
部屋の窓からすぐ目の前に川が見えます。
飴源
團 伊玖磨 だん いくま
唐津の虹の松原に注ぐ玉島川は、昔からつがに(もくずがに)の名産地として知られています。
玉島川は神功皇后じんぐうこうごうが朝鮮出兵の勝敗を占うために、弓弦(ゆづる)で鮎を釣った伝説の川として有名です。その玉島川の清流に添って昔からの老舗ー「飴源」があります。
春の「野草しろうお」、夏の「鮎の背ごし」、「田楽」、秋の「つがに」と一年中温暖なこの地はまた、摘み草のメッカでもあります。川を中心に広がる台地は、作りかざらぬ自然の味の宝庫といえましょう。台地のみかんも有名です。
飴源一家の心のこもった、自然の味を活かした かにめしは、これらの味が供される、唐津焼・十三代中里太郎右衛門師のうつわとともに忘れ得ぬものとなりましょう。
おかみさんはとっても気さくでお話上手 な人です★
さすが老舗を守っているだけのことはあります!
素敵な人です★
おかみさんの計らいで空いている部屋も見せて頂きました。
どの部屋からも玉島川の流れを見ることができます。
私が通された部屋は2階です。
落ち着きます。
ものすごく遠い場所まで来たようです。
生活している福岡から1時間も離れていないのにまるで様子が違います。
テーブルには葉っぱが飾られています。
外の景色がそのままテーブルまで繋がっているようです。
部屋と外との境目がなくなる、そんな感じがします。
箸置きがカニです。
いよいよお料理です。
「小鉢」から。
最初の小鉢からカラダの中まで春が流れ込んできました。
そして「白魚のおどり」です。
シロウオ躍り食い@ミシュラン2つ星『飴源(あめげん)』@佐賀県唐津
そして「うなぎ」
コウシンダイコンなどたくさんのダイコンと摘み草と
ヤマメの背越しとコイの洗い。
摘み草はどれもとても歯ごたえがよく、
噛みしめる度に心地良い音を立てます。
とってもいい音です。
春の音です。
とてもオイシイです。
コイも別の魚かと思うくらい全く違った味に感じました。
次に「玉子とじ」。
そして「ヤマメの塩焼きと飴焼き」です。
どちらもしっかりじっくり焼いてあるのがわかります。
同じ魚なのに全く違う味わいです!
塩は適度な塩気でさっぱりした味、香ばしさがたまりません!
飴はほどよい甘さで身までほんのり甘味が入ってます。
ただ甘いだけでなく香ばしさと香りがたまりません!
どちらもとてもやわらかくアタマからシッポまで全部食べられます!
これは甲乙付けがたい!というか付けるのが失礼なほど
オイシイ★★★
「飴焼き」は飴源だけのオリジナルなんだそうです。
創業以来の飴の壺を使っているとか。
絶品です!!!
そして「かきあげ」です。
真ん中はシロウオ、その上はなんと「ビワの葉」なんだそうです!
「ビワの種は毒」って知ってましたか?
そして飴源名物「蟹の姿煮」です。
「ツガニ」、別名「モクズガニ」です。
上海蟹の仲間なんだそうです。
川に棲んでいる蟹と聞いていたので
ちっちゃな蟹を想像していたのですが結構大きかったです。
甲羅の大きさが8cmぐらいはあります。
両手のハサミがしっかりがっちりしています。
上がオスで下がメス。
オスのハサミやアシにたくさんの「毛」が生えています。
びっくりするほどびっしりです!
毛質は硬くなくやわらかくもなく、です。
お店の人に食べ方を教えてもらいました。
味は特にカニミソ部分が
まるで「高原の牧場で飲む絞りたての牛乳」のような味です!
牛乳味ではないです、
濃厚で、甘くて、なんだかそんな感想です!
とってもオイシイです★
でも蟹は人を寡黙にします。
味わえば味わうほど閑かになっちゃいます。
ツガニと閑かな戦いの真っ最中に
「かにめし」
が運ばれてきました!
「かに寄せ汁」は、とっても優しい味です。
ふわっと、でもしっかりと蟹の風味がします。
オイシイ★
そしてお櫃一杯の「かにめし」
飴源のご主人がこの「かにめし」の作り方についてのインタビュー記事を見つけましたので転載します。
飴源
田中豊司の「つがに飯」
創業天保9年(1838年)。初代源吉さんが川魚料理と水飴を扱っており、通称『飴屋の源さん』と呼ばれていたことから、屋号は『飴源』となったのだそう。
お話をうかがったのは五代目・田中豊司さん。お父様と二人で江戸時代から代々伝わる味わいを守っている。
「前を流れる玉島川は、『鮎』という字の由来につながる神功皇后の伝説があったり、万葉集にその名が登場していたりと、とても歴史ある川なんです。川魚の宝庫でもありますね」。
白魚、鮎、鯉、ウナギ、つがになど、様々な“川の幸”をいただくことができる。
「玉島川は川底が砂地で水温が低いという特徴があります。魚はあまり大きくならずに身がしまって美味しいですね。つがにも他の川のものと色も違うし、やっぱり美味しいと思います」。さっそく、厨房でつがに飯の作り方を見せていただいた。
「まず、へこ(お腹の皮のような部分)を外し、甲羅を外し、口のエラのところを外します。そして、足の先端の、ツメの部分を落とします。これは、落としたところから味が染み込むようにです。調味料を入れつがにを入れたらよく混ぜます。味付けは昔ながらの飴源の秘伝の味付けです。それがごはんの一粒一粒に染み込んでいくんです」。できあがったつがに料理は、美しい器でいただく。こちらで使う器の主なものは、唐津焼13代中里太郎右衛門窯のもの。器の美、料理の美味が呼応する。つがには甘く、濃い味わいだ。
「川のかには脂が多いしコクがあります。つがにもそうですね。秋の初めのつがには、身の入り方は少ないですが甘いんです。冬に向けては肉質も厚くなってきますし、みそもたっぷりと入ってきます。季節によって、時期によって、脂ののり方も味も異なり、どちらも美味です。その味を知っている方は秋に1度、冬にもう1度というように、つがにを食べに何度もおみえになりますよ。うちには生簀があるのでほぼ一年中つがに料理をお出しすることができます。カニは水が動かないと弱るので、それをうまく再現させなければならないのが難しいところですね。エサは、カボチャ、サツマイモ、生米などを与えています」。
田中さんが個性的なつがにの美味しさに気づいたのは大人になってからだったという。
「お酒を飲むようになってからですね(笑)。一度この街から離れていましたが、帰ってきて食べて、『旨い!!』と思いました。小さい頃はよく捕まえて遊んでましたよ。せまいとこが好きみたいで、石と石の間なんかにいるんですよね。そこにスルメをつっこむと、ハサミでつかんでくるので引っ張りだせるんです!! その頃は捕まえたら親父に渡して料理してもらってましたね」。川魚とともに『飴源』が大切にしているのが“摘草料理”。
「朝摘みの新鮮な野菜や摘草を使った料理ということです。川魚や自家園で作った京野菜の素材をいかした料理を作り続けますので、景色、歴史、季節を感じながらゆっくり召し上がっていただきたいですね」。
部屋から見える玉島川は、山からきれいな水を運ぶ。今も昔も変わらず、川魚をはじめとした美味しい素材の宝庫なのだ。
かにめしだけでもとってもオイシイのですが、
かに寄せ汁をかけるともう別次元の美味しさです★
一口ごとにカラダの隅々まで蟹のうま味が拡がる感じです。
〆に季節の果物をいただきました。
「いちごさん」です。
もう
お腹いっぱい。
幸せいっぱい。
大満足★
酢味噌と柚子胡椒がポイントでした。
帰りに
「1階の奥の部屋にツガニの落書きがある」
と聞いて部屋を見せて頂きました。
どこでしょう。ちゃんと写ってます!
私の春はここにありました。
とても美味しかったです!
★ぶー!ポイント★
春には春のオイシイものがあります。
旬を味わう。
とても贅沢でとても素敵なことです。
旬を迎えるたべものは
その季節に必要な栄養を用意してくれてる、
そんな気がします。
そして、
オイシイ!と感動しながらする食事から
得た栄養はきっと私のカラダを素敵にしてくれる、
そんな気がします。
いつもこんな素敵な食事ばかりは食べられません。
だけど、
いつも行くスーパーにだって
旬の食材があります。
食事は美味しく、そして楽しく。
そんな風に食べて生きたい、です。
カラダに栄養、
ココロにも栄養。
ゴチソウサマでした★
ー適材適食ー
小園亜由美(こぞのあゆみ)|管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ・健康運動指導士
*1:文中の表現は全ての人が対象ではない場合があります。現在治療中の方は必ず担当医や管理栄養士の指示に従ってください。食事療法は医療行為です。ひとりひとりの身体の状態に合わせた適切でオーダーメイドなカウンセリングが必要です。充分に注意してください。