京都でしか味わえない「まぼろしのごちそう」が福岡で味わえる
そのお店を知ったのは2018年末のことでした。その「まぼろしのごちそう」は本場?!京都でも本当に一部でしか味わうことができない、大変貴重なもので独特の味わいだから実際に食べてみた方がいい、ということだけ訊かされていました。春になったらまぼろしのごちそうに会える、とだけ覚えていました。
そしてその時が来ました。福岡・中央区平尾のマンションに囲まれた高級住宅街の中にそのお店はありました。
一本木 石橋 いっぽんぎ いしばし 。
いきなりの「和」。2018年9月にオープンしたばかりのお店。
女将さんに出迎えられ、お店に入ると1分もしないうちにココロとカラダが和んでいくのがわかります。初めてきたのに、前から知っているような、どことなく居心地のいい雰囲気です。落ち着きます。ふぅって息を吐く感じ、です。
お茶が出てすぐに、竹の筒が出てきました。
竹酒です。竹とっくりと竹おちょこで頂きます。お酒は飲めないのですがとても珍しかったのでほんの少しだけぺろっと味見させてもらいました。お酒はまったく判らないので上手く表現できませんが、竹の香りがしてとても澄んだ感じででもすぐに喉の奥が熱くなりました。
ここから先はお料理の画像だけです。どれもとびっきり「美味しい」です。でも美味しいとしかコメントできそうにないので「美味しい」は使わないで書いていきます。
これ、なんだと想いますか?答えはこちら↓
京の伝統野菜「賀茂ナス」。独特のナスの深い紫色で、とてもまんまるです。しっかりした賀茂ナスです。それを焼いて、その上にバフンウニを載せた、そんな一品です。
「ばちこ」とは「くちこ(口子)」ともいうそうです。
くちこ(口子)は、ナマコの生殖巣であり、軽く塩をして塩辛にした生くちこ、干して乾物にした干しくちこが有る。このこ(海鼠子)とも呼ばれる。主な産地は能登半島周辺で、一般的に平たく干したものが能登の高級珍味として親しまれている。干しこのこには、三角形のばちこ、棒状の棒くちこが有る。
ご主人が鰹節を削っていたのですが、1本ではなく何本かを削っていたので見せて頂きました。
鮪節まぐろぶしは甘味。
枯れ節かれぶしは上品さ。
荒節あらぶしは薫りの良さ。
素材や料理、流れ、雰囲気、季節などで微妙に割合を調節していると仰ってました。
そして、いよいよ「まぼろしのごちそう」とご対面です。
千屋牛ちやぎゅうにたくさん載った緑。これがまぼろしのごちそう「花山椒はなざんしょう」です★始めて見ました!
お肉で包むように花山椒を巻いて口に入れた瞬間、ふわっと山椒独特の、でもとても優しい薫りが拡がります。全部ほうばると、今度は舌に刺激が、これもとても優しく心地のよい刺激です。千屋牛はとてもやわらかくふわふわで、でもしっかり油があるのですがだからこそ、花山椒のスパイスが効いてお互いに美味しさを高めあっています。未体験の美味しさです!ご主人いわく、今年は花山椒があまり採れていないのかもう手に入れられないかも知れない、だからもうこれで今年最初で最後です、と仰っていました。まさに「まぼろしのごちそう」。よく味わって頂きました。
ご主人のススメで汁までしっかり飲み干しました。お行儀が悪いかも知れませんが、まぼろしのごちそう、全部頂かなければモッタイナイ!し申し訳ないです★
ここまでも圧倒的な美味しさでしたがここからはさらに圧倒的さがアップします。
驚きです★レンコンなんです!お粥なんです!美味しいのです!
これは圧巻でした。タマゴがとにかくふわふわとろとろです。アナゴもふわふわです。もう本当に語彙力がなくて表現のしようがなくて悔しいほどの美味しさです★
レンコン餅としましたが「蓮粉はすこ」というレンコンから取れるデンプンでつくったお餅です。和菓子で涼しげな感じを出すための定番なんだそうです。とってももちもち。和三盆の優しいふんわりした甘さは抹茶との相性抜群です。
ご主人です★
撮影の許可を頂いた際にご主人は
全然インスタ映えしなくてすみません。
もう少し飾ればいいんですけど。
でも
美味しいものを
美味しく食べてもらおうとすると
飾りっ気のない、
そのまんまになっちゃうんです。
と仰ってました。
味にこだわって。
味を最も大事にした結果。
ご主人の出す一品には一切の無駄がない。
引き算の美学、です。
もちろんどの料理も見栄えが悪いものなどありません。
考え尽くされ結果の姿なのです。
美味しいものは、美しいのです。
写真には味はもちろん薫りも食感も触感も映りません。
そして私では映らない部分を表現する言葉が見つかりません。
ただ「食べてみてほしい」としか言えません。
ご主人の想いの味がします。
とても素敵なご夫妻です。
お二人の笑顔がそれを物語っています。
そしてとっても仲良しです★
食事の間のお話もとっても楽しかったです。
堅苦しいことはなにもありません。
美味しいものを美味しく食べて欲しいお二人と、
お二人が選んで創る美味しいものを食べに来るお客との
楽しい、素敵な時間が流れている、そんなお店でした★
ゴチソウサマでした★
(ぜひまたごちそうになりに来たいです!)
★ぶー!ポイント★
食事に行った後、数日後に「家庭画報」に掲載されているのを見つけました。
私のレポートなんか比べものにならないくらいきちんと書かれていますのでぜひご覧ください・・・。
ー適材適食ー
小園亜由美(こぞのあゆみ)|管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ・健康運動指導士
*1:文中の表現は全ての人が対象ではない場合があります。現在治療中の方は必ず担当医や管理栄養士の指示に従ってください。食事療法は医療行為です。ひとりひとりの身体の状態に合わせた適切でオーダーメイドなカウンセリングが必要です。充分に注意してください。