2019年5月25日土曜日、世界甲状腺デー。
弊院は生活習慣病、主に糖尿病の専門クリニックですが、同時に「甲状腺の専門クリニック」でもあります。
甲状腺は、心臓や肺、胃や腸と同じ臓器ですが、あまり知られていない臓器でもあります。
甲状腺は羽根を拡げた蝶のような形をしていて、喉元のあたりにあります。甲状腺は「甲状腺ホルモン」を分泌して主に全身の調子を整えています。
なので、「体調が悪い」ことが長く続くような時、実は甲状腺の病気の場合があるのです。弊院のウェブサイトに掲載されていますが以下のような症状がある場合は甲状腺の検査をお奨めします。
甲状腺セルフチェック
- 心臓がドキドキする。
- たくさん汗をかく。
- 手がふるえる。
- 体重が減る。
- 目が出る。
- 疲れやすい。
- イライラする。
- 落ち着きがない。
- 暑がり。
- 下痢。
- たくさん食べても太らない。
- 髪が抜ける。
- からだがだるい。
- やる気がでない。
- 体重がふえる。太る。
- 首が腫れる。
- のどに違和感がある。
- 寒がり。
- 肌が乾燥する。
- 肌がカサつく。
- からだがかゆい。
- からだがむくむ。
- 便秘。
- 昼間も眠い。
- 生理不順。
- 首にしこりがある。
- からだが重い。
- 不妊。
これらの症状が数ヶ月以上続くような時は、甲状腺が原因の場合があります。
甲状腺の検査と治療
このような症状は誰もが経験したことのあるものだと思います。疲れなどが原因と片付けてしまいがちです。もし、気になるようでしたら検査を受けてみましょう。ただし、甲状腺について詳しく、数多くの症例を経験している「甲状腺専門医(日本甲状腺学会専門医)」がいる医療施設を受診することをお奨めします。
本邦における甲状腺疾患の罹患数は500~700万人で、そのうち治療が必要な患者は約240万人と推計されます1)。しかしながら、実際に治療を受けているのは厚生労働省平成26年患者調査(平成26年10月単月)で約45万人と報告されており、未治療の患者が多く存在しているのが現状です。
その理由として、甲状腺疾患はよくある病気にもかかわらず多様な症状を呈するために、他の疾患と誤認したり、認識されなかったりすることの多い疾患であることが挙げられます。
この様な背景から、知らず知らずのうちに患者および一般市民の社会生活や日常生活の質の低下などに影響を及ぼしていることが少なくないと考えられます。
そこで、「世界甲状腺デー」に合わせて甲状腺疾患啓発・甲状腺検査推進運動を行うことで、「疾患に対する認識の向上」「所見とともに診断時に有力なデータが得られる甲状腺検査の推進」を行います。
ぜひこの機会に甲状腺について考えてみてはいかがでしょうか。
甲状腺と言えば、以前甲状腺学会で講演会をさせて頂きました。
うわさの真相〜それホント!?〜【講演会】小園亜由美(管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ)日本甲状腺学会 学術集会 市民公開講座@別府
★ぶー!ポイント★
甲状腺の病気にはいくつか種類があります。中には食事を気をつけなければならない場合もあります。
まずは「甲状腺専門医」のいる医療施設で検査を受けてみましょう。「健康診断」と思って気軽に受診してみましょう。何もなければ安心できますし、もし何かあったとしても専門家がしっかり治療をしてくれます。お守り代わりに、受診してみましょう。
ー適材適食ー
小園亜由美(こぞのあゆみ)|管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ・健康運動指導士
*1:文中の表現は全ての人が対象ではない場合があります。現在治療中の方は必ず担当医や管理栄養士の指示に従ってください。食事療法は医療行為です。ひとりひとりの身体の状態に合わせた適切でオーダーメイドなカウンセリングが必要です。充分に注意してください。