ブロッコリーを食べているゴリラさんのように、草食=植物を食材のベースにした食事を摂ることで、生活習慣病・糖尿病になるリスクを低く抑えることが判ってきました。
糖尿病があると『好きなものが食べられなくなる』と考えている人がたくさんいますが、糖尿病があっても食べていけない食品はありません。とても誤解されているのですが、アレルギーや他の病気や投薬中など特別なことがない限り、私たち管理栄養士は食べてはいけない、とは言いません。
だからと言って好きなものを好きな時に好きなだけ食べていい、という訳ではありません。ひとりひとりの生活や身体に合ったエネルギーと栄養のバランスが整う範囲で食べましょう、という事です。簡単に言えば、食べ過ぎ・食べなさすぎはダメ、ということ。
そしてそのエネルギーと栄養のバランスが摂れた食事はというと、植物を食材のベースにした食事がいいということが調査結果で見えてきました。
意識して植物ベースの食事を摂ることで、2型糖尿病のリスクが減少することが、米国のハーバード公衆衛生大学院の研究で明らかになった。研究の詳細は医学誌「JAMA Internal Medicine」に発表された。
糖尿病があっても食べてはいけない食品はないのですが、食べたほうがいいオススメ食品があります。
オススメ食品
①野菜
②全粒穀物ぜんりゅうこくもつ
③ダイズ
④豆類
⑤ナッツ類
⑥果物
以上6食品・食材です。
どれも食べ慣れた食べ物ばかりだと思いますが、全粒穀物って何か知ってますか?
全粒穀物
全粒穀物(ぜんりゅうこくもつ、英: whole grains)とは、精白などの処理で、糠となる果皮、種皮、胚、胚乳表層部といった部位を除去していない穀物や、その製品である。
主に玄米、玄米を発芽させた発芽玄米、ふすまを取っていない麦、全粒粉の小麦を使った食品、オートミール、挽きぐるみのソバなどがある。
全粒穀物とは、全粒=皮や胚芽なども含めた植物の実のすべてを残したままの穀物のこと、です。身近なものとして、
小麦
オートミール
ソバ
などがあります。
ではなぜ全粒穀物が身体によいのでしょう。
それは、精製や精白したものよりも
- 食物繊維
- ビタミンB1をはじめとしたビタミンB群
- 鉄分をはじめとしたミネラル
が多く含まれている=栄養価が高いため、です。精製した白米は美味しく栄養もあるのですが、それよりも精製度の低い=より自然な状態に近い玄米の方が栄養価が高いのです。また、食物繊維はより多く含まれているので、消化吸収がゆっくりになり、長時間に渡って満腹感が持続します。そしてゆっくりとした消化吸収が、血糖値の急上昇を抑えてくれる働きがあります。
ほかにも心臓病や大腸癌のリスクを低下させるなどのレポートもあります。
植物をベースにした食事、中でも野菜は食事の彩りを整えてくれるだけでなく、実際に身体にとって嬉しい作用をたくさん含んでくれているのです。
★ぶー!ポイント★
たとえば米ぬかやおからなど、精米や精製した際に出たものの中に栄養が残っていて、それを捨てずに上手に使っていた昔の人の知恵に驚かされます。
ところで。
ゴリラって葉っぱしか食べないのにどうしてあんなに立派な筋肉質を保てるのでしょう。それについてはこちら↓
ー適材適食ー
小園亜由美(こぞのあゆみ)|管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ・健康運動指導士
*1:文中の表現は全ての人が対象ではない場合があります。現在治療中の方は必ず担当医や管理栄養士の指示に従ってください。食事療法は医療行為です。ひとりひとりの身体の状態に合わせた適切でオーダーメイドなカウンセリングが必要です。充分に注意してください。