サルコペニアって言葉、訊いたことありますか?筋肉が衰えてしまうとサルコペニアと呼ばれるいう状態になり、それが原因で様様な病気になる可能性が高まるのです。今回はサルコペニアについて見ていきたいと思います。
筋肉が衰えるとどんなことが起きるのでしょう。
全身の筋肉量が減ってしまうと、
転びやすくなり、
ケガが増えてしまいます。
最悪転んで骨折してしまい、寝たきりの生活が増えてしまいます。
すると体を動かす機会が減ってしまい、さらに筋力の低下が起きてしまうという
悪循環が起きてしまうのです。
このような悪循環の原因となっている筋力低下のことを、サルコペニアと呼びます。
サルコペニアとは加齢に伴って生じる骨格筋量と骨格筋力の低下という意味です。そしてそれは歩けなくなるなどの身体的な障害、自由に活動できなくなるなどの生活の質の低下、サルコペニアが原因となる死などを引き起こすのです。たかが筋肉ですが、されど筋肉。実はとても怖い話なのです。
サルコペニアには判断基準があります。65歳以上の人が歩行速度もしくは握力測定を行います。歩く速度が1秒間に80cmよりも大きい場合、握力が男性26kg以上、女性18kg以上の場合は正常とされますが、歩く速度が1秒間に80cmよりも小さい場合、握力が男性26kgより低い、女性18kgより低いの場合は再度別の筋力測定を行った上で65歳以上の人が歩行速度もしくは握力測定を行います。
歩く速度が1秒間に80cmよりも大きい場合、握力が男性26kg以上、女性18kg以上の場合は正常とされますが、歩く速度が1秒間に80cmよりも小さい場合、握力が男性26kgより低い、女性18kgより低いの場合は再度別の筋力測定を行った上でサルコペニアとなります。
まだ65歳じゃないし関係ない、では、ありません。年齢を重ねると筋力は落ちるのは例外はありません。逆に若いうちから注意する必要があります。
さらにもうひとつ。
誰でも年々衰えていく筋肉。筋肉量が低くなるサルコペニア。筋肉が細くなっていくイメージなので、痩せている人をイメージしてしまいますが、最近の研究で実は肥満の人もサルコペニアになってしまう事が指摘されています。
どういうことかというと、
サルコペニアとは筋肉量が減ってしまうことでした。一方、肥満とは標準体重より重いことです。
そして肥満の人の筋肉を観てみた時しっかり筋肉があればいいのですが、
筋肉が減ってしまっていると、
2つが混ざり合いサルコペニア肥満となります。
サルコペニアは歩くスピードが遅くなったり、歩くこと自体が難しくなったりと身体機能の低下の原因でした。一方、肥満は糖尿病、心疾患、脳卒中、動脈硬化などの原因となり得ます。そして、サルコペニア肥満はサルコペニアと肥満が原因となるこれらの病気の両方を引き起こすだけでなく、リスクを高めることになるのです。
なんとかサルコペニアを防ぐ方法はないのでしょうか。
誰にでもできる簡単な方法があります。それは
運動と食事、です。
運動は筋肉を使って衰えさせないために行います。筋肉は使わなければ衰えますので、意識的に「動かして」保つようにします。でも、それだけでは筋肉は増えません。筋肉の材料となる栄養を補う必要があります。
極端に説明すると、筋肉を使って、筋肉の材料となる栄養を補うということです。もちろん、この画像のようにムキムキになる必要はありません。あくまでもイメージです。
ところで、ボディビルダーが飲んでいるこれ、なんだか知っていますか?そうプロテインといいます。
日本語にするとタンパク質、です。運動して筋肉を使い、筋肉の材料となるタンパク質を摂ることで、筋肉を育てているのです。
ではタンパク質を含む食材や食品にはどんなものがあるのでしょう。
魚介類や肉、チーズ、ダイズやダイズ製品などです。
ではどれくらいのタンパク質を摂ればいいのでしょうか。
厚生労働省がまとめている「日本人の食事摂取基準」2015年版によりますと成人が1日に摂取すべきタンパク質の推奨量は男性60g、女性50gとされています。
50gってどれくらいかというと、鶏胸肉だと、だいたいこれくらいです。でもこれは鶏の胸肉が50gなのであって、タンパク質50gではないのです。
鶏の胸肉には
- ナイアシン
- ビタミンK
- パントテン酸
- ビタミンB6
- 脂質
- リン
- カリウム
などの栄養素と一緒にタンパク質が含まれています。その量は約19g程度です。
もし鶏の胸肉だけで1日のタンパク質をまかなおうとすると、朝食・昼食・夕食にそれぞれ約50gずつ食べることになります。
毎食50gの鶏の胸肉、どうですか?食べられますか?ちょっと、、、厳しいですよね。
そこで、魚介類や肉、チーズ、ダイズやダイズ製品などタンパク質を含んだ食材・食品を上手に組み合わせてまんべんなく、摂ることをオススメします。
先程の鶏肉の中に色色な栄養素が含まれていたように、様様な食材・食品をまんべんなく食べることで、色色な栄養素を摂れるのです。
食事はバランスが大事、とはそういう意味でもあるのです。
★ぶー!ポイント★
サルコペニアは高齢者だけ、なんて考えていてはいけません。実は最近若い人たちの中にもサルコペニアがみられることが話題になっています。
しっかり食べて、しっかり動く。
シンプルだけど、健康づくりには決して欠かすことのできない要素です。
ー適材適食ー
小園亜由美(こぞのあゆみ)|管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ・健康運動指導士
*1:文中の表現は全ての人が対象ではない場合があります。現在治療中の方は必ず担当医や管理栄養士の指示に従ってください。食事療法は医療行為です。ひとりひとりの身体の状態に合わせた適切でオーダーメイドなカウンセリングが必要です。充分に注意してください。