2019年10月25日金曜日、ONOメディカルナビ グラクティブライブセミナーにて講演させて頂きました。舞台裏を画像で少し紹介します。
背景が合成だと気づいた人、いましたか?こんな感じでお送りしていました。
当日お寄せ頂いた質問について再度お答えしておきたいと思います。
食事・運動カレンダーを当院でも導入していますが、患者さんへこのツールを勧める際のよい方法や継続するためのよい方法は?
糖尿病患者さんのための食事・運動カレンダーについては本編の中でもお話させて頂きました。
最も重要なことは目標の設定です。目標をどのように設定するかによって、継続や成功するかに大きな影響を及ぼす、と考えています。
ではどのようにすれば継続でき、結果が出せる目標を設定することができるか。
それには「患者さんとよく話をする」ことが欠かせません。患者さんと話をしながら、患者さんが納得するような目標が大切になります。目標とする内容が低すぎたり、高すぎたりしたとしても、構いません。患者さん自身が納得する目標であればよいのです。
達成できなかった場合
たとえ、目標を達成できなかったとしても、決して責めたりはしません。できなかった理由を聞き取りながら、前回よりも実現可能な目標を調整して提案していきます。ここで重要なのはできなかった理由です。目標を達成できていなかったとしても、シートには患者さんが目標に対する努力の跡が必ず残っています。たとえそれが小さく些細なことたとしても、それを見つけ出し褒めます。
ーーほとんど埋めてありますね!
ーーキレイな字で書いてあって分かりやすいですね!
ーー土日以外すべて埋まっていますね!
ーー惜しかったですね、あと少しでしたね!
などです。一見目標とは関係ないことでも構いません、必ず患者さんの努力の跡を見つけ出し、褒めることが大切です。本来目標を決めそれを達成しようとする場合、それが達成しなかった時、褒められたりはしません。もちろん、患者さんは達成していない結果を私たちに出す場合、怒られることを覚悟しているはずです。でも、食事や運動など生活習慣の見直しは簡単なことではない、ということを私たちは痛いほど理解しているはずです。そんな難しい生活習慣の見直しに取り組んでいる人に、その努力を支えていくために食事療法や運動療法があるはずだと私は考えています。
ただし達成しなかった場合、次回の目標つまり修整した目標を設定することがとても大切なポイントになります。できなかった理由を理解することで、無理なくできることを見つけ出すことができます。素晴らしい目標を立てて達成することは理想ですが、誰もがそれを達成できるとは限りません。そして素晴らしい目標を達成し続けていくことも難しいのではないでしょうか。
それよりも、長く、無理なく、できれば楽しみながら、やり続けていくことができる目標を探すためのツールとして使っていくことこそが、制作する際の本当の目的です。
講演内で紹介したBさん。体重やHbA1cについてはほぼ動きがありませんでした。だからと言って、食事・運動カレンダーがBさんに合っていないと私は判断していません。なぜなら、2つの目標に対しての実行達成率が飛躍的に伸びているからです。食事・運動カレンダーの導入後2ヶ月でカラダに有意な変化は認められませんでした。しかし、Bさんのキモチは大きく変化していると私は感じています。
すぐに答えが出ないこともあります。
そもそもこのようなツールが合わない人もいます。
その人に合った治療方法を見つけ出すことがその人の健康を守ることになると、私は考えています。
★ぶー!ポイント★
食事・運動カレンダーを導入してすぐに結果が出ている人もいます。でも、講演でBさんを選びました。これからもBさんの努力の跡をしっかりと追っていきたいと考えています。そしてみなさんのその結果を報告したいと思っています。その結果がよいものになるように、全力で頑張るつもりです。
最後になりましたが、当日ご視聴、参加頂いた医療従事者のみなさま、そして講演会のスタッフのみなさまに心から深く感謝申し上げます。
ー適材適食ー
小園亜由美(こぞのあゆみ)|管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ・健康運動指導士
*1:文中の表現は全ての人が対象ではない場合があります。現在治療中の方は必ず担当医や管理栄養士の指示に従ってください。食事療法は医療行為です。ひとりひとりの身体の状態に合わせた適切でオーダーメイドなカウンセリングが必要です。充分に注意してください。