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適材適食 -てきざいてきしょく-

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717食目「今日からできる!糖尿病日常診療セミナー」講演させて頂きました@奈良

「今日からできる!糖尿病日常診療セミナー」講演させて頂きました@奈良【適材適食】小園亜由美(管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ)

 

2019年12月7日土曜日、奈良で行われた今日からできる!糖尿病日常診療セミナーで姪浜院長 下野と共に講演させて頂きました。

姪浜院長 下野は明日から使える!糖尿病薬物療法と運動指導のポイントをテーマに、私は適材適食〜キモチを育てるカウンセリング〜と題して講演させて頂きました。

 

 

質疑応答を記します。

 

 

ーーー「〇〇〇が身体に良いとテレビで観たので食べている」という場合はどう対応する?

なぜ患者がテレビで紹介されたものを食べているのかという点を理解することが大切です。そこには必ず身体にとっていいことだからという理由があります。そのような行動をする患者は必ず身体にいいことをしているという考えがあり、健康になりたいという想いがあります。

そこで、どんな内容のテレビでどんなことをしているのかをしっかりと確認します。

その上で、その患者に適したことであれば褒めます。さらに栄養学的によりよい提案があれば患者に伝えます。

一方、その患者にとってその行動が悪影響を及ぼしかねない場合があります。多くの場合、テレビなどでやっている情報は一般的なもので、その患者にために考えられた情報ではありません。しかし、テレビというメディア=公共放送で放映しているという安心感からその内容を信じてしまう傾向があります。

一例として実際にあった事例を挙げると腸内によいと言っていたので『乳酸菌飲料』を大量に飲んでいた患者がいます。確かに乳酸菌飲料を摂ることで、腸内環境はよくなるかも知れません。しかし乳酸菌飲料の多くは糖分がたくさん含まれています。そう伝えると患者は「糖分が入っているなんて考えてなかった」と驚いた様子でした。そこで、本数を減らすこと、乳酸菌を摂るならヨーグルトを勧めるなどのアドバイスを行い、受け入れてもらうことができました。

多くの場合、健康に関する情報について、自身が求めている、欲しがっている情報だけを受け入れ、その他の情報は軽視する傾向があります。正確に理解していないことが多い原因となっています。

ただし、そこで正面から全面否定をすることは大問題です。せっかくの行動すべてを否定してしまいかねません。健康になるための行動を起こす意識は最も大切なものです。そこで、修整は丁寧、且つ慎重に行う必要があります。そして必ず代替案を提案するべきだと考えています。

 

 

ーーー菓子や果物を多く食べている場合どうする?
まず何故食べているのかの理由を確認します。その理由が例えば、

①炭水化物を抑えるためにご飯を控えている場合

本当に炭水化物を控える必要があるのかをその患者の病態を確認した上で、適量のご飯を食べることを勧めることもあります。

②好きだから食べている場合

まずどんなものを食べているのかを訊ね、その中からオススメという形でアドバイスをします。一般的には菓子よりも果物の方が栄養価やエネルギーを考えるとよいと言えます。しかし、食べすぎることで良さが失われ、悪影響を及ぼす場合があります。そのあたりを説明した上で、食べる時に量を意識するように伝えます。中には『果物は足が早くダメになるのですぐに食べない』と言われる場合がある。確かに菓子類に比べ、果物は生鮮食品なので保存期間が総じて短い。その場合、各果物にはそれぞれ適した保存方法があるので紹介する。果物と野菜は近いので野菜の保存方法も加えて紹介することもある。

 


ーーー野菜を食べていない人、調理ができない人どのように対応する?

まず野菜を食べられていない背景に対し理解を示すことが大切です。この時『本当は野菜を食べたいのだが食べられない』という患者の意思を見つけおくことも大事です。その意思がある場合、提案を行います。
理由

 ①調理ができない・・・・・・・→中食するものを紹介
 ②料理方法がわからない・・・・→旬の役菜など紹介
 ③食べる理由を知らない・・・・→野菜の効果を伝える
 ④どの野菜を食べればいい?・・→旬の野菜紹介

その患者の置かれている環境を理解した上で、その中できる最大限を探し提案するように心がけています。

 


ーーー食事・運動カレンダーの使用拒否する人もいる?
食事・運動カレンダーはすべての患者に対応できるものではないと考えています。講演内で紹介したBさんの場合、最初にツールの説明をした時の反応は悪く、できないのではないか?と感じていた部分がありました。が、その後については講演でお話した通りです。現在も継続中です。

食事・運動カレンダーについては、導入のタイミング、目標設定の仕方で大きく結果が変わってくることを実感しています。特に目標設定は大事で、患者本人が納得できる目標を一緒に探すよう心がけています。

このようなツールを使った方が生活習慣を変えやすい人もいます。が、逆に苦手な人もいます。また「この人には無理」とやる前から諦めてしまうのもよくありません。

ツールは手段にすぎません。目的は糖尿病合併症にさせないこと。そのために有効な手段=ツールは積極的に取り入れ、上手くいかなかった場合はそれを認め、理由を付け止め、反省の上、より適した方法を探していくことが最適解と言えるのではないかと考えています。

 

 

 

★ぶー!ポイント★

「今日からできる!糖尿病日常診療セミナー」講演させて頂きました@奈良【適材適食】小園亜由美(管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ)
最後になりましたが、

参加頂いた医療従事者のみなさま、

岸谷 譲 先生 (近畿大学医学部奈良病院 内分泌・代謝・糖尿病内科

そして講演会のスタッフのみなさまに心から深く感謝申し上げます。

参加頂いたみなさま、ありがとうございました。

 

   

ー適材適食ー

小園亜由美(こぞのあゆみ)|管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ・健康運動指導士

▲YouTube【こぞのあゆみチャンネル】では野菜や果物など食べものに関する情報を動画配信しています★

▲YouTubeでは野菜や果物など食べものに関する情報を動画配信しています★

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*1:文中の表現は全ての人が対象ではない場合があります。現在治療中の方は必ず担当医や管理栄養士の指示に従ってください。食事療法は医療行為です。ひとりひとりの身体の状態に合わせた適切でオーダーメイドなカウンセリングが必要です。充分に注意してください。