2020年2月6日木曜日、福岡・早良区百道で行われた第51回 4地区合同糖尿病を語る会で講演させて頂きました。
今回私がテーマとしたのは、
適材適食 〜Whenと Whatを重視した食事カウンセリング〜
です。
When・・・いつ
What・・・なにを
中学の英語で最初に習う単語です。他にも、
Who・・・・だれが
When・・・・いつ
Where・・・・どこで
What・・・・なにを
Why・・・・なぜ
How・・・・どのように
いわゆる5W1Hです。食事カウンセリングを行う上では大変重要な要素です。これらの情報をしっかり聞き取り、把握しなければいけません。特に、
管理栄養士と患者との間でイメージのズレは、よく起きやすいことなのです。患者が言う「野菜食べてます」は私たち管理栄養士がイメージしているものと同じかどうかを確認する必要があり、そしてこの確認することが最も重要なのです。
5W1Hは問題を正確に捉えるためにも有効です。食事カウンセリングで、患者との会話をすすめていく上で、この5W1Hが正確に聞き出せているのか、揃っているか、ズレはないかを確認していくことだけで、現状を把握できる上、有効な指導を見つける手がかりになります。
特にWhy=なぜは重要です。
この患者ができない理由、やりたくない理由はなぜなのか。なぜ、食べてしまうのか。なぜ、野菜を食べないのか。なぜ、できたのか。なぜなぜなぜなぜとなぜを繰り返していくことで、その患者に合った指導方法が見つかります。
そんな話をさせて頂きました。
質疑応答の内容の一部を掲載します。
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質問
関西大学病院のデータは入院中の食事という条件下で、外来で実施できるのか?実際にベジファーストができている患者はいるのか?外来では難しくないのか?
回答
この研究結果を受けて、私が担当する食事カウンセリング(栄養指導)で『ベジファースト』を意識して指導を行っています。弊院の患者に限って「ベジファースト」という言葉の認知度を確認してみたところ、ほぼ100%の患者が知っていると答えています。
(なお、実際の正確な数値データは持ち合わせておらず現在調査中なので、現時点では主観での回答として参考程度にして欲しいのですが)
しかし「ベジファーストを実施していますか?」という問いかけに対して「やっている」と回答するのはそのうち7割程度でした。さらに、どのようにやっているのか尋ねると実際に私たち『管理栄養士がイメージしている理想的なベジファースト』を実践できているのは1割にも満たないという感覚があります。
この調査から、ベジファーストという言葉だけでなく「5分という時間を明示する」ことで、野菜を食べてもらうだけでなく、食事バランスが整ったり、ゆっくり食べさせたりする指導も併せて、達成可能になるのではないか、考えているところです。
これらは外来だから入院時と違って完全管理できないと諦めてしまうのではなく「日常生活の中で、どのようにしたらその患者が実現できるのか」ということを考えていくことが私たちの役割ではないでしょうか。
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特別講演
糖尿病の運動療法を考える 〜サルコペニア対策に必要な運動の基本と実践〜
松田 拓朗 先生(福岡大学病院 リハビリテーション部 健康運動指導士) でした。壇上で実際に椅子を使った運動方法などを実践されていました!
★ちゅー!ポイント★
最後になりましたが、
参加頂いた医療従事者のみなさま、
国崎 真 先生(国崎真クリニック 院長)
松田 拓朗 先生(福岡大学病院 リハビリテーション部 健康運動指導士)
そして講演会のスタッフのみなさまに心から深く感謝申し上げます。
参加頂いたみなさま、ありがとうございました。
松田拓朗先生はYouTubeチャンネルを開設されています▼
ワンポイント動画でとても判りやすくサクッと観られる運動動画です★ぜひ★
ー 適 材 適 食 ーてきざいてきしょく
小園 亜由美 (こぞのあゆみ)管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ・健康運動指導士・日本化粧品検定1級
*1:文中の表現は全ての人が対象ではない場合があります。現在治療中の方は必ず担当医や管理栄養士の指示に従ってください。食事療法は医療行為です。ひとりひとりの身体の状態に合わせた適切でオーダーメイドなカウンセリングが必要です。充分に注意してください。