糖尿病が悪化すると
- 網膜症
- 腎症
- 動脈硬化
- 歯周病
- 神経障害
などの糖尿病合併症を引き起こします。
中でも神経障害は、血液中のブドウ糖の量が多い状態=高血糖が長い時間続くと身体中に張り巡らされた神経の働きを阻害して色々な症状を引き起こします。
①足がしびれたり、冷えたり、つったり(末梢神経障害)、②立ちくらみがしたり、排尿に障害が起きたり、便秘になったり、逆に下痢になったり、勃起障害を起こしたり(自律神経障害)、そして③足の感覚が低下してケガをしても気づけなくなってしまったり、足潰瘍や、足壊疽が起きたりします。
足の細胞が腐ってしまう足壊疽が起きてしまうと、最悪足を切断することになります。なぜ切断するまで気づかないかというと、高血糖のため足の神経が働かなくなり、足が傷ついても痛みを感じないため、悪化してしまうのです。
足切断という最悪なシナリオを避けるための新商品を開発中というニュースを見つけました。
靴下を履くだけで、糖尿病の人が足を切断せずに済むだろうか?
Sirenは、そう考えている。布製で洗える文字どおりのスマートウェアラブル製品を開発している同社は、最初の製品として靴下をリリースした。これは糖尿病患者の足の健康をモニタして危険な状態を早期に発見する。なお製品開発のために同社は、シリーズBで1180万ドル(約12億7000万円)を調達した。
(中略)
Sirenのソックスは足の6カ所で体温を測り、気づかなかった傷を見つける。周りよりも相当温度の高い場所が見つかったら、そこは傷による炎症があるかもしれない。ソックスはBluetoothでスマートフォンと接続可能で、専用アプリで患者自身が足の状態をチェックできる。そして最も重要なのは、その情報が医師にも届いて患者の状態をモニターできる点だ。
(中略)
新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックの中、感染を恐れて医者や病院へ行かない人が多い。また病院側は、緊急性の低い外来を制限している。足の定期検査も緊急性は低いだろう。しかしSirenのソックスなら、患者の医師が遠くからでも足の健康をモニタできる。
検温できる装置を埋め込んだサポータを巻くだけ。あとはスマートフォンで体温をチェック。異常があった場合は、本人はもちろんのこと、担当医にもその通知が届くというもののようです。
★ちゅー!ポイント★
デジタル技術でしっかりサポートできるグッズがどんどん増えてきています。このツールの私が注目している点は担当医との情報共有です。個人情報との線引きをしっかりクリアして、来院時だけでなく、日常も危険から守れる安心をテクノロジーで実現できるのであれば大歓迎です。
そして、そもそも糖尿病を悪化させないために、毎日の食事や運動、そして薬をしっかり飲むことが何よりも大切です。
ー 適 材 適 食 ーてきざいてきしょく
小園 亜由美 (こぞのあゆみ)管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ・健康運動指導士・日本化粧品検定1級
*1:文中の表現は全ての人が対象ではない場合があります。現在治療中の方は必ず担当医や管理栄養士の指示に従ってください。食事療法は医療行為です。ひとりひとりの身体の状態に合わせた適切でオーダーメイドなカウンセリングが必要です。充分に注意してください。