今、この時も私たちの頭上408km上空に秒速4.66kmというもの凄いスピードで国際宇宙ステーション(International Space Station)が地球の周りを周回しています。
国際宇宙ステーションを運営するためには補給物資が欠かせません。補給物資を届けるため、日本の補給機こうのとり9号機が2020年5月21日に打ち上げられました。
【録画】「こうのとり」9号機/H-IIBロケット9号機打上げライブ中継
こうのとり9号機には国際宇宙ステーションで行われている科学実験装置などの機器などの他に生鮮食品も積まれました。以前も紹介しました。
今回、こうのとり9号機で運ばれたのは、
- 宮崎 パプリカ
- 群馬 キウイフルーツ
- 愛媛 河内晩柑
- 愛媛 清見
- 愛媛 レモン
- 佐賀 温州みかん
↓実際の果物の写真が掲載されています。
これらの生鮮食品には厳しい審査基準があります。今、地球上で猛威を振るっている新型コロナウイルスなどのウイルスや細菌などが一緒に持ち込まれた場合、閉鎖空間である国際宇宙ステーションにとってはまさに致命傷となってしまいます。そのため、
「こうのとり」9号機への搭載について
搭載する生鮮食品は、5月9日に種子島宇宙センターに納品されました。受領後、洗浄、除菌を行い、細菌数検査を経て合格を受けています。
4週間の長期保存を達成するために、細菌やカビの発生を抑制する除菌や生鮮食品の呼吸をコントロールさせる包材を使っています。キウイフルーツは、除菌や包材に加え未追熟品を調達し、保管中に追熟させることで、4週間の長期保存を達成しています。
また、梱包を終えた生鮮食品は5月17日未明、レイトアクセスとして「こうのとり」9号機に搭載しました。計画通り打上げされ、宇宙飛行士がおいしく食べられる状態で届けることができました。
というような厳重なチェックと管理を行ったそうです。
そこまでして何故届けたのか。ジュースや加工技術で何とかなりそうでもあります。生鮮食品を届ける理由について、
JAXAでは、国産生鮮食品を調達し、「こうのとり」でISSに輸送、宇宙飛行士に提供することにより、宇宙飛行士が抱える長期宇宙滞在による様々なストレスを緩和し、パフォーマンスの向上に繋げたいと考えています。
また、併せて、“食”という身近なテーマを通じてISS/宇宙飛行士の活動を多くの人に身近な存在として認識いただくとともに、「こうのとり」ならではの国産生鮮食品の輸送を生鮮食品の産地の皆さまとともにアピールすることにより、ISSプログラムにおける日本のプレゼンスが向上することを期待しています。
とコメントしています。
★ちゅー!ポイント★
食事は栄養やエネルギーを補うのが本来の目的です。しかし、極限の状態とも言える宇宙空間にいる厳しい訓練に耐えた世界の宇宙飛行士たちにでさえ、生のレモンの香りがストレスを軽減し、パフォーマンスを上げるために役立つ。食は身体だけでなく、心にも栄養を与え、エネルギーを満たしてくれるのだと、私は感じています。
ー 適 材 適 食 ーてきざいてきしょく
小園 亜由美 (こぞのあゆみ)管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ・健康運動指導士・日本化粧品検定1級
*1:文中の表現は全ての人が対象ではない場合があります。現在治療中の方は必ず担当医や管理栄養士の指示に従ってください。食事療法は医療行為です。ひとりひとりの身体の状態に合わせた適切でオーダーメイドなカウンセリングが必要です。充分に注意してください。