((( MENU )))

適材適食 -てきざいてきしょく-

あなたに合った食べものを、あなたに合った食べ方で。

987食目「苔からリトマス試験紙を産み出したのは錬金術師。」酸性とアルカリ性がひとめで判るリトマス試験紙。★次へ続く日記第2話★

「苔からリトマス試験紙を産み出したのは錬金術師。」酸性とアルカリ性がひとめで判るリトマス試験紙。★次へ続く日記第2話★【適材適食】小園亜由美(管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ)

 

******

1つの話題を追いかけていったら、次の話になって、それも追いかけていったら、また別の話が出てきて。今回の話はそんな次の話に続く話です。

******

 

前回は

  • 炭酸水ってシュワシュワ美味しいよね。
  • でもコーラとかにはたくさん砂糖が入ってるよ。
  • 炭酸って甘みを弱らせるんだね。
  • それを使って糖尿病の検査をやってるよ。
  • 炭酸水って水と二酸化炭素で出来てるんだよ。
  • それって空にたくさんあるよね。
  • 酸性雨の原因のひとつかも知れないね。

という話でした。今回は酸性のところから始めます。

 

 

酸性と言えば反対のアルカリ性。

身近なもので言ったら洗剤、酸性洗剤やアルカリ性洗剤なんか目にしたことがあると思います。

「苔からリトマス試験紙を産み出したのは錬金術師。」酸性とアルカリ性がひとめで判るリトマス試験紙。★次へ続く日記第2話★【適材適食】小園亜由美(管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ)

ところで酸性とかアルカリ性ってどんなことなのでしょう。どちらも「性」の文字が付いているので「性格、性質」のような感じがします。酸性・アルカリ性は水素イオンの数で決まります。

酸性やアルカリ性の違いは、「決まった」というより溶液の性質で「決まる」という方が正しい。例えば塩酸は強い酸性だけど、これは中性の水に塩化水素という物質が溶けているため。つまり酸性とかアルカリ性やその強さの度合いはその液ごとに決まっているのではなく、液の性質によって「決まる」のだ。
液の性質を決めているのは、溶液に含まれている「水素イオン」という物質の濃さ。詳しく数字で表すときは「水素イオン濃度指数(英語を略してpHと書く)」を使う。普通の溶液ではpHは0から14までだ。中性の真水がpH=7で、これより数字が小さいと酸性で水素イオンが多い。逆に数字が大きいとアルカリ性で水素イオンが少ない。つまりpHは酸性やアルカリ性の度合いを示すものさしというわけだ。
学校では酸性とアルカリ性の違いを詳しく習うけれど、この違いは「水素イオンの濃さ」というひとつながりの変化によるものであることを知っておこう。酸性とアルカリ性を適切な比率で混ぜ合わせると中性になる(中和という)のもこのためだ。

酸性やアルカリ性はどのようにして決まったのですか? : 今日のはてな : 子供の科学のWEBサイト「コカねっと!」-科学や理科、工作の役立つ情報いっぱい!

まとめると、

  • 水素イオンの数が少ない・・・・・・アルカリ性
  • 水素イオンの数がちょうどいい・・・中性
  • 水素イオンの数が多い・・・・・・・酸性

となるようです(ちょうどいいというのには語弊がありますが)。

なので、洗剤として使う場合、落としたい汚れに有効な性質の洗剤を選ぶ必要があるようです。詳しくはこちらを参考に↓

トイレの便器などには強い酸性を、油汚れには強いアルカリ性がいい、という事のようですね。*洗剤を使用する際は使用する商品の注意書きをよく読んだ上で使ってください。

 

ところで水素イオンってなんのことでしょう。

水素イオン (hydrogen ion)

という用語は、国際純正・応用化学連合によって、水素及びその同位体の全てのイオンを表す一般名として勧告されている。イオンの電荷に依って、陽イオンと陰イオンの2つの異なる分類に分けることができる。

水素イオン - Wikipedia

一応、水素イオンを元に酸性とアルカリ性を考えてみると、まず水そのものは

水(H2O)→水素イオン(H+)+水酸化物イオン(OH-)

となっていて、酸性を示す水素イオン(H+)とアルカリ性を示す水酸化物イオン(OH-)の数が1:1で同じなのでお互い打ち消しあうことで中性(中和)している、ということなので、

  • 酸性の水溶液・・・・・・H+(水素イオン)OH-(水酸化物イオン)
  • 中性の水溶液・・・・・・H+(水素イオン)OH-(水酸化物イオン)
  • アルカリ性の水溶液・・・H+(水素イオン)OH-(水酸化物イオン)

となるそうです。

(もう全然判りません。化学って難しい・・・。なんとなくでいいです、なんとなく。)

 

もうひとつ、酸性・アルカリ性を示す単位としてpHという単位が出てきました。

水素イオン指数(すいそイオンしすう、独: Wasserstoffionenexponent)

溶液の液性(酸性・アルカリ性の程度)を表す物理量で、記号pH(ピーエッチ、ペーハー(読み方参照)、英: potential of hydrogen)で表す。水素イオン濃度指数または水素指数とも呼ばれる。1909年にデンマークの生化学者セーレン・セーレンセンが提案した。現在は水素イオンの活量により定義される。

水素イオン指数 - Wikipedia

pHとは『ピーエッチ』もしくは『ペーハー』と読みます。pHとは水素イオンの量と覚えておけば大丈夫です。段階は0〜14まであって、

  • pH0(強い酸性)
  • pH7(中性)
  • pH14(強いアルカリ性)

と分類されます。

ちなみにテレビCMで流れるシャンプーで「お肌にやさしい弱酸性」は、3.0 ≦ pH < 6.0が弱酸性なのでこの範囲の商品ですということですね。人の肌は pH 5程度のようなので同じくらいの性質なので刺激が少ないですよ、ということなんだと思います、多分。

 

さてさて、ここまで化学チックなお話だったので、半数以上の人が寝落ちしてしまったのではないかと思いますが、ここからはちょっとノスタルジックでしかもファンタジーなお話です。

 

すでにpHという単語を聞いて赤い紙、青い紙を連想している人も多いのではないでしょうか。小学生の理科の実験でとても印象深い、そうリトマス試験紙です↓

「苔からリトマス試験紙を産み出したのは錬金術師。」酸性とアルカリ性がひとめで判るリトマス試験紙。★次へ続く日記第2話★【適材適食】小園亜由美(管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ)

リトマス試験紙、色が変わるのは覚えていると思いますが、どっちがどっち色だったか覚えていますか?こちらを観て想い出しましょう↓

 

 (Amazonで普通に売ってます)

 

  • 赤色リトマス試験紙→青色に変化=アルカリ性
  • 青色リトマス試験紙→赤色に変化=酸性
  • 赤色も青色も変化なし=中性

です。子どもの頃を思い出しましたか?(ここがノスタルジー)。

 

ではなぜリトマス試験紙と言うのでしょう。試験紙というのは酸性・アルカリ性を試験して調べる紙なのでいいとして、なぜリトマスなんでしょう。

ーーーどうせリトマスさんが発見、作ったからでしょ?

違うんです。リトマスとは染料のことで、元はなんと苔の名前なんです。

リトマス(英: litmus)

リトマスゴケ(Roccella 属)などある種の地衣類から得られる紫色の染料。複数の化学物質の混合物である。CAS登録番号は1393-92-6。主に試験薬として用いられる。
リトマス紙では、酸性・アルカリ性が簡単に判定できるため、物事を見極める尺度の比喩表現としても使われる。

リトマス - Wikipedia

リトマスゴケとはこんな見た目をしているそうです↓

何だか木の皮のようですね。これを粉末にしたもの↓

これがリトマスと呼ばれる染料です。と言っても現在では染料としては使っていないそうで、リトマス試験紙もこのリトマスから作られたものではなく、化学的に合成されたものが使われているそうです。

そしてこのリトマス、もうひとつ面白い話があります。リトマスゴケに含まれる成分が染料になると発見したのはなんと錬金術師だったそうです。その錬金術師は、アルナルドゥス・デ・ビラ・ノバという人物なんだそうです。(ここからファンタジー)

アルナルドゥス・デ・ビラ・ノバ

(ラテン語: Arnaldus de Villa Nova、アルナルドゥス・デ・ウィラノウァとも)またはアルナウ・ダ・ビラノバ(カタルーニャ語: Arnau de Vilanovaまたはアルノー・ド・ビルヌーブ(フランス語: Arnaud de Villeneuve; フランス語: Arnaud de Ville-Neuve、1235年頃 – 1313年頃)

医師・薬剤師。Arnaldus Villanovanus、Arnaldus de Villanuevaなどと表記されることもある。かつては錬金術師や占星術師でもあるとされてきた。アルナルドゥスはラモン・リュイ(ライムンドゥス・ルルス)とともに、薬草をスピリッツとともに蒸留して作るリキュールの祖といわれる。
(中略)
フィオーレのヨアキムの影響を受け、アルナルドゥスは1288年の『De adventu Antichristi』 で、「1378年に世界が終末を迎え、反キリスト者が出現するだろう」と主張した。1291年から1299年までは医学校の校長を務めた。アルナルドゥスの医師としての名声は計り知れず、患者には3人のローマ教皇と3人の国王がいた。1300年頃にはリトマスが染料となることを発見した

アルナルドゥス・デ・ビラ・ノバ - Wikipedia

 1235年頃から1313年頃の医師・薬剤師、だから治療には薬草を多く使っていたのでしょう。その中にリトマスゴケがあって調べているうちに染料になると発見したのでしょう。

 

錬金術師であり占星術師でもあるアルナルドゥス。彼の発見が今全国の日本の小学生たちに酸性・アルカリ性を直感的に判断できるリトマス試験紙を産み出す礎になったんですね。800年も昔の話です。

 

 

(つづく)次回、酸性とアルカリ性で敏感に反応する花のお話。

 

 

★ちゅー!ポイント★

酸性とアルカリ性。リトマス試験紙が簡単に手に入ることが判ったので家にあるものを実際に測ってみるのも面白いですね。リトマス試験紙がなくてもこんな風に実験できるみたいですよ↓

このサイトでは、レモン果汁、食器洗い用洗剤、炭酸水、インスタントラーメンのゆで汁などを実験しているみたいです。

 

ー 適 材 適 食 てきざいてきしょく

小園 亜由美 (こぞのあゆみ)管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ・健康運動指導士・日本化粧品検定1級

【適材適食】小園亜由美(管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ・健康運動指導士・日本化粧品検定1級)

▲YouTubeでは野菜や果物など食べものに関する情報を動画配信しています★

*1 

*1:文中の表現は全ての人が対象ではない場合があります。現在治療中の方は必ず担当医や管理栄養士の指示に従ってください。食事療法は医療行為です。ひとりひとりの身体の状態に合わせた適切でオーダーメイドなカウンセリングが必要です。充分に注意してください。