先日のミルクについての続編です。
まずは牛乳の主な成分について、です。
牛乳(ぎゅうにゅう、英: milk)
100 g あたり
カロリー・・・・・・・・・・・66 kcaL
脂質・・・・・・・・・・・・・3.8 g
飽和脂肪酸・・・・・・・・・2.3 g
多価不飽和脂肪酸・・・・・・0.1 g
一価不飽和脂肪酸・・・・・・0.9 g
コレステロール・・・・・・・・12 mg
ナトリウム・・・・・・・・・・41 mg
カリウム・・・・・・・・・・・150 mg
炭水化物・・・・・・・・・・・4.8 g
水溶性食物繊維・・・・・・・0 g
不溶性食物繊維・・・・・・・0 g
タンパク質・・・・・・・・・・3.3 g
ビタミンC・・・・・・・・・・ 1 mg
カルシウム・・・・・・・・・・110 mg
鉄・・・・・・・・・・・・・・0 mg
ビタミンD・・・・・・・・・・ 0.3 µg
ビタミンB6・・・・・・・・・・0 mg
コバラミン・・・・・・・・・・0.3 µg
マグネシウム・・・・・・・・・10 mg
『牛乳は栄養がたっぷり』として育ち盛りの小学生の給食の定番となっていますね。行乳にはタンパク質、脂質、炭水化物という三大栄養素がしっかり含まれている他、カルシウムなどのミネラル、ビタミンなどを含んでいるからです。
もちろん子どもたちだけに良いという訳ではありません。例えば、
など、オトナにとっても栄養たっぷりなのは変わりありません。さらには最近、オトナのための粉ミルクが流行っているようです。
そんな栄養たっぷりな牛乳。実は細かく分類されています。
牛乳(ぎゅうにゅう、英: milk)
ウシの乳汁である。日本の法律による定義は、成分を調整していない生乳が牛乳と定義され、脂肪分を調整したものが低脂肪牛乳などとされ、また商品に「牛乳」の名をつけることができる。牛乳成分を増減したり乳糖を分解すれば加工乳であり、乳飲料は牛乳由来成分以外を加えた栄養添加やコーヒーミルクなどである。牛乳の加工製品は乳製品であり、脱脂粉乳、バター、生クリーム、チーズ、ヨーグルト、アイスクリームなどが作られる。
スーパーの牛乳の棚に行くと色々な牛乳が置いてあります。牛乳やら低脂肪牛乳やら加工乳やら。観たことあるのではないでしょうか。一度整理してみましょう。
- 生乳:乳牛から乳を搾ったままで、加熱殺菌などの処理を何ら行っていないもの。搾乳しただけの乳。生乳は、牛乳や乳製品の原料となる。
*以下は必ず加熱殺菌を行っている。
- 成分無調整牛乳(牛乳):生乳を殺菌し、そのまま詰めた牛乳。乳脂肪分が3.0%以上含まれているもの。
- 特別牛乳:成分無調整の牛乳で、許可を受けた特別な牛乳処理施設で製造されたもの。
- 成分調整牛乳:生乳から、乳成分(脂肪・ミネラル・水分等)の一部を取り除いたもの。
- 低脂肪牛乳:成分調整牛乳のうち、生乳から脂肪分のみを除去し、脂肪分を0.5~1.5%にしたもの。
- 無脂肪牛乳:成分調整牛乳のうち、生乳から脂肪分を除去し、脂肪分を0.5%未満に調整したもの。
- 加工乳:牛乳に乳製品(脱脂粉乳・バター・クリームなど)のみを生乳に加えて、濃厚タイプや低脂肪タイプにしたもの。
- 乳飲料:生乳や乳製品を主原料に、乳製品以外(ビタミン・果汁・カルシウム・コーヒーなど)を加えたもの。
文字だとちょっと判りにくいですね。ということで、塚田牛乳さんから表を転載します↓
この表を見ていると、
- 無脂乳固形分
- 乳脂肪分
の配分で決まっているような感じがしますね。それもそのはずで、食品衛生法の乳及び乳製品の成分規格等に関する省令で牛乳の無脂乳固形分と乳脂肪分の割合が定められているのです。それぞれの意味は
乳脂肪分(にゅうしぼう、英: butterfat, milkfat)
牛乳の脂肪成分のこと。
無脂乳固形分
牛乳から水分と乳脂肪分を除いた成分のこと。タンパク質、炭水化物、ミネラル、ビタミンなどが含まれている。
ということになります。おおよその目安として、
牛乳─┬─乳固形分12.6%→
└─水 分87.4%
→乳固形分─┬─無脂乳固形分8.8% →
└─乳脂肪分 3.8%
→無脂乳固形分─┬─タンパク質3.3%
├─炭水化物 4.8%
├─ミネラル 0.7%
└─ビタミン 微量
という成分構成になっています。
つまり、乳飲料を除き、
- ほぼ全ての牛乳的なものには8.0%以上のタンパク質や炭水化物、ミネラルやビタミンを含んだ無脂乳固形分が含まれている。
- 牛乳の種類はほぼ乳脂肪分が多く含まれているかいないかによる。
と覚えてもいいと思います。それぞれの種類を少し詳しく説明すると、
生乳
- それこそ産地、牧場でしか味わうことのできないもの。
成分無調整牛乳(牛乳)
- 品質を均一にしたもの。
- 生乳を加熱殺菌しただけで他に何も足したり引いたりしていないもの。
- 高温殺菌:一般的なもの
- 低温殺菌:熱に弱いタンパク質が変化せず残りやすいので本来の風味がする。消費期限が短い。高価。
*殺菌については別の回でお話したいと思います。
特別牛乳
- その名の通り特別な牛乳。
- 乳等省令(乳及び乳製品の成分規格等に関する省令)によって特別牛乳さく取処理業の許可を受けた施設で製造された無調整牛乳で、特別牛乳として販売されるものである。特に優れた飼育環境や特別な牛乳処理施設が必要とされ、日本全国に4か所(2018年10月現在)しか存在しない。特別牛乳 - Wikipedia
成分調整牛乳
- 加熱処理をした上で文字通り牛乳に含まれる成分の一部を取り除き調整したもの。
低脂肪牛乳
- 加熱処理をした上で乳脂肪の一部を取り除いたもの。
- よって脂肪分は通常のものより低いが、タンパク質、炭水化物、ミネラルやビタミンはそのまま含まれている。
無脂肪牛乳
- 加熱処理をした上で乳脂肪分を取り除き、乳脂肪分0.5%未満にしたもの。
- 低脂肪牛乳よりさらに脂肪分はさらに低いが、タンパク質、炭水化物、ミネラルやビタミンはそのまま含まれている。
加工乳
- 牛乳に乳製品=バターやクリーム、脱脂粉乳などと水を加えたもの。
乳飲料
- 乳製品にカルシウムやビタミン、鉄分、コーヒーや果汁などを加えたもの。
乳製品
- 動物の乳、特に牛乳を加工して作られる製品の総称。乳製品を製造することを製酪または製乳という。乳製品 - Wikipedia
ということになります。
牛乳、いわゆるミルクとしては、
- 成分無調整牛乳(牛乳)
- 成分調整牛乳
- 低脂肪牛乳
- 無脂肪牛乳
という感じでしょうか。
牛乳の栄養をしっかり摂りたいという人は、
- 成分調整牛乳
に関しては表示を確認する必要があります。
特に脂肪分が気になる人は、
- 低脂肪牛乳
- 無脂肪牛乳
がいいかも知れません。
★ちゅー!ポイント★
ーーーどれにしようかな?
と商品棚の前で悩んだら、必ずパッケージを確認してみましょう。細かい数字を覚えていなくても、その商品に含まれる成分は記載されています。 目的や用途によって商品を選ぶというのがよいでしょう。
そもそも牛乳とは、母牛が仔牛を育てるための乳。仔牛は牛乳を飲んで育ちます。栄養と愛情がたっぷり含まれているのです。そして私たちは母牛の愛情を分けて頂いているのですね。
ー 適 材 適 食 ーてきざいてきしょく
小園 亜由美 (こぞのあゆみ)管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ・健康運動指導士・日本化粧品検定1級
*1:文中の表現は全ての人が対象ではない場合があります。現在治療中の方は必ず担当医や管理栄養士の指示に従ってください。食事療法は医療行為です。ひとりひとりの身体の状態に合わせた適切でオーダーメイドなカウンセリングが必要です。充分に注意してください。