質問です、これって何ですか? この缶詰をなんて呼びますか?↓
1)ツナ缶
2)シーチキン
パッとみてどちらだと思いましたか?
まずシーチキンの説明から。
シーチキン
静岡市清水区に本拠を置く水産加工品製造販売のはごろもフーズが製造する『「マグロ」又は「カツオ」の「油漬け」又は「水煮」の缶詰』の商品名(登録商標日本第529904号ほか)である。名前の由来は、マグロが海の鶏肉(チキン)と呼ばれていることから。
日本国内のツナ缶市場において、はごろもフーズのシーチキンは商標である。「シーチキン」の商標登録は1958年。
シーチキンブランドのツナ缶詰は、日本国内で5割以上のシェアを占めている。
シーチキンとは商品名、ということなんですね。言い換えると、はごろもフーズ社の出しているツナ缶だけをシーチキンと呼んで良い、という事になりますね。つまり、
ツナ缶>シーチキン
ということです。ただ、登録商標が1958年なので60年も前からシーチキンという名前を使っているので、だんだんツナ缶=シーチキンと呼ぶようになっていったのでしょう。シーチキン、スゴい!
シーチキンと言えば想い出すのは沖縄。スーパーに普通に山積みとなって売っていたので、噂には聞いていましたがかなりビックリしました!しかも箱入りまで売ってました!
ところで、先程のシーチキンの説明で、おかしなことに気づきませんでしたか?もう一度一部を貼り込んでみると↓
シーチキン
静岡市清水区に本拠を置く水産加工品製造販売のはごろもフーズが製造する『「マグロ」又は「カツオ」の「油漬け」又は「水煮」の缶詰』の商品名(登録商標日本第529904号ほか)である。名前の由来は、マグロが海の鶏肉(チキン)と呼ばれていることから。
そう、マグロまたはカツオと書かれているのです。 え?!何がおかしいのかって?それはツナ缶、だからです。
ツナ、英語で表記すればTuna。それをさらに和訳すると、みなさんマグロと答えると思います。なのに何故カツオが入っているのでしょう?ちなみにカツオは英語ではSkipjackスキップジャックと呼ぶそうです(何だかかっこいい)。
そこで「ツナ」を調べてみると、
ツナ(英語: Tuna)
スズキ目サバ科マグロ属に分類される魚の総称。5属14 - 15種が含まれる。「マグロ」と訳されることが多いが、後述のように学術的にはカツオ等を含む広い範囲を指す。これらの魚肉を加工した食材もツナと呼ばれる(「#ツナ缶」参照)。
ツナとはマグロだけを指す言葉ではなく、マグロ属の総称なんですね。そしてカツオもマグロ属に含まれているから、マグロもツナ、なんですね。最後にツナ缶を参照するように書いてあるので観てみると、
ツナ缶
ツナは、本来は生魚・魚肉の区別なく使う語だが、日本ではもっぱらマグロの油漬け缶詰を意味する言葉として用いられる。日本で販売されているツナ缶の原材料は、主にビンナガマグロ、キハダマグロ、カツオである。なお、米軍統治の歴史の長かった沖縄県では「トゥーナ」と発音されることが一般的である。
なるほど、です。
Tuna>マグロ・カツオなど>ツナ缶>シーチキン
という関係、なんですね(え?!)
さらに調べてみると、
- カツオのツナ缶・・・・・・(ホワイトミート)
- キハダマグロのツナ缶・・・(ライトミート)
- ビンナガマグロのツナ缶・・(ライトミート)
などもあるそうで、括弧は別名なんだそうです。
ツナの主な栄養をカツオ、キハダ、メバチで比較してみると、
ツナ
100gあたり・・・|カツオ|キハダ|メバチ|
カロリー・・・・・・|114| 116|108|kcal
脂質・・・・・・・・|0.5|0.4|1.2|g
飽和脂肪酸・・・・|0.1|0.4|0.3|g
多価不飽和脂肪酸・|0.1|0.1|0.3|g
一価不飽和脂肪酸・|0.1|0.1|0.3|g
コレステロール・・・| 60| 37| 43|mg
ナトリウム・・・・・| 43| 43| 49|mg
カリウム・・・・・・|430|450|420|mg
タンパク質・・・・・| 26| 24| 23|g
カルシウム・・・・・| 11| 5| 4|mg
鉄・・・・・・・・・|1.9|2.0|1.4|mg
ビタミンD・・・・・| 4| 6| 2|µg
ビタミンB6・・・・|0.8|0.6|0.5|mg
コバラミン・・・・・|8.4|5.8|4.5| µg
マグネシウム・・・・| 42| 37| 35|mg
となっていて、魚の種類によって若干の違いや誤差はありますが、概ねタンパク質が多めです。
ちなみにツナにはDHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)なども含まれています、がその多くは油の中に溶け出しています。油はカロリーが高いので、上手に使う必要があります。
DHA
学習機能向上、制がん、血中脂質低下、網膜反射能向上、血圧降下、抗血栓、抗アレルギー、抗炎症、抗糖尿病などの作用があるとされる。
EPA
脂肪代謝、血液凝固異常を改善することから、閉塞性性動脈硬化症や高脂血症の治療薬として使われる。
696食目「DHA・EPAが入ったタマゴ!?」日本初の中性脂肪を下げる機能性表示食品のタマゴが発売される! - 適材適食 -てきざいてきしょく-
最近、ピンク色のカツオが捕れてニュースになってましたね。ちなみに焼津漁港では毎年11万トン、カツオが水揚げされていてるらしいのです。仮に40年ぶりに見つかったとするとなんと160億匹分の1匹となるそうです。世界人口が77億人ですから、地球2つ分に住んでいる人間のうちの1人ってぐらい珍しいそうです。
全身ピンク色のカツオが8日、焼津市の焼津漁港に水揚げされ、関係者の話題になっている。
極洋(東京都)のグループ会社極洋水産所属の海外まき網漁船「第7わかば丸」が11月上旬にパプアニューギニア沖で操業した際、群れの中に1匹だけ混じっていた。重さ約2キロ、長さ40センチ。極洋焼津営業所焼津加工販売課長の杉山聡一朗さんは「20年この仕事をしていて初めて見た」と驚く。
国の水産資源研究所(静岡市清水区)の研究者によると、全国で年1回ほど水揚げ報告があり、先天的な色素異常などが考えられるというが、詳しい原因は分かっていない。現在、焼津漁港の超低温冷蔵庫で保管している。今後、ふじのくに地球環境史ミュージアム(駿河区)に寄贈して保存される。
身近なツナ。良質なタンパク質を摂るにはよいのですが、カロリーには気をつけましょう。ついでに缶に必ず書かれている表示を確認すると面白いかも?!
★ちゅー!ポイント★
ツナ缶の「缶」って「かん」って読みますよね。他にも読み方があるそうです。なんと「ほとぎ」と読むそうです(知らなかった)。
ほとぎ
水、酒などを入れた土製のかめのこと。現代人がよく使う「かん」という読み方は、英語の「can」、オランダ語の「kan」に対する当て字といわれる。
ー 適 材 適 食 ーてきざいてきしょく
小園 亜由美 (こぞのあゆみ)管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ・健康運動指導士・日本化粧品検定1級
*1:文中の表現は全ての人が対象ではない場合があります。現在治療中の方は必ず担当医や管理栄養士の指示に従ってください。食事療法は医療行為です。ひとりひとりの身体の状態に合わせた適切でオーダーメイドなカウンセリングが必要です。充分に注意してください。