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1223食目「本当に痩せる[肥満治療薬]誕生!」2021年2月より日本でも使用可能!というニュースについて

「本当に痩せる[肥満治療薬]誕生!」2021年2月より日本でも使用可能!というニュースについて【適材適食】小園亜由美(管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ)糖尿病専門・甲状腺専門クリニック勤務@福岡姪浜・福岡天神

ーーー本当に痩せる[肥満治療薬]誕生!

2021年2月18日頃、ネットで流れたこのニュース。見た方いますか?こんな記事でした↓

本当に痩せる「肥満治療薬」誕生…!

平均15%の体重減が証明された 日本でも今月5日から発売中

 

本当に痩せる薬が登場

本来、2型糖尿病の治療用に開発された「セマグルチド(Semaglutide)」と呼ばれる薬が、肥満治療にも多大な効果を発揮することが米国の著名な医学専門誌「New England Journal of Medicine : NEJM」に発表された。

https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa2032183

この臨床実験に参加したのは、米国をはじめ16ヵ国・1961名の被験者。いずれも日頃からオーバーウェイトに悩んでいる人たちだ。被験者全体の約三分の一はプラシーボ(偽薬)、残りの三分の二は本物の薬(セマグルチド)を服用する形で、68週間(1年余り)に渡って実験を継続した(セマグルチドは週に一度、服用する)。両グループとも薬の服用と並んで、定期的な運動や食事の工夫など体重を減らすための取り組みを続けた。

 

効果と副作用はどの程度か

この結果、セマグルチドを服用したグループでは、一人当たり平均14.9%、15.3キロ・グラムの体重を減らすことができた。また、グループ全体の三分の一では平均20%の体重減少を記録した。

一方、プラシーボを服用したグループでは同2.4%の減少に止まった。

米国ではこれまで「肥満治療薬」として承認された薬は数えるほどしかなく、いずれの効果も3~7%の体重減少に止まっている。また、いずれも吐き気や下痢、便秘など、かなりの副作用を伴うことから一般に普及するには至らなかった。

これに対し今回のセマグルチドは、ごく一部の被験者に同じく吐き気や胃腸障害などの副作用は見られたものの、それほど深刻な症状ではなかった。また、被験者全体の約8割が、全68週間にわたる臨床試験を最後までやり遂げたという。

こうしたことから、今回の臨床実験を行った米ノースウエスタン大学の研究者はセマグルチドについて、「効果的な肥満治療時代の幕開けを告げるゲーム・チェンジャー」と評価している。

他方、今回の臨床研究は68週間と比較的短期間の効果や安全性を検証したものであり、数年~数十年といった長期で見た場合の効果・安全性は未知数との評価も聞かれる。


日本でも糖尿病治療薬として発売

日本でもセマグルチドは「リベルサス錠」という製品名で今月5日から発売されているが、あくまで2型糖尿病の治療薬という位置付けだ。また、市販薬ではなく処方薬である。

https://www.novonordisk.co.jp/content/dam/nncorp/jp/ja/news/media/2021/02/21-03.pdf
冒頭のノースウエスタン大学による肥満治療を想定した臨床研究では、被験者は週に1回セマグルチドを服用していたが、2型糖尿病の治療に使われるリベルサス錠の場合、1日1回の服用となっている。

両者は同じ化学成分でも、恐らく薬剤1錠分の調合量、あるいは用途に応じて必要とされる分量や投薬方法等が異なるためであろう。


どうして体重が減るのか

デンマークの製薬会社「ノボノルディスク ファーマ」が製造販売するセマグルチドは本来、注射によって投与されるが、経口薬としても服用可能だ。

この薬は本来、人間の体内で自然に分泌されて食欲を制御するホルモン「GLP-1」を、人工的に合成した化学成分を持つと見られる。つまり、技術的に食欲を抑えることによって体重を減少させる薬剤だ。
ただし、治療開始後、一旦服用を止めてしまうと再び体重増加に転じるため、生涯にわたって服用し続ける必要が生じる。

セマグルチドは高価な薬だ。米国では本来の用途である糖尿病治療薬として使用される場合、月額1000ドル(10万円以上)に達するという。

また、糖尿病治療以外の用途では保険適用外となるため、もしも肥満治療薬として服用する際には全額、患者の自己負担になると見られる(FDAなど米国の規制当局は現時点で、セマグルチドを肥満治療薬としては認可していないと思われる)。

前述のように、セマグルチドの効果は大きく、副作用は比較的小さいと見られるが、それでも長期的な安全性は未だ確認されていない。

これまでも、いわゆる「痩せ薬」を謳う製品には、たとえばハーブ系ダイエット食品「エフェドラ」をはじめ健康被害が数多く報告されていることから、やはり本来なら食生活の改善や定期的な運動等によって体重減少を促すことが望ましいと専門家は見ている。

まず、このニュースですがYahoo!ニュースを始め様々なネットニュースで流れたのですが、2021年2月26日現在、殆どがリンク切れになっています。元記事が削除されたようです。理由は判りません。

 

そして記事で取り上げられている薬ですが、実際に発売され使用可能になっています。そして肥満治療薬ということではなく、医師の診察、処方が必要な2型糖尿病治療薬です。

 

★モゥー!ポイント★

もし肥満を何とかしたい!と考えているのであれば、まずは医師や管理栄養士に相談してみましょう。実は高価な肥満治療薬を使わなくてもお金をかけずに肥満を解消できる方法があります。それは食事を変えること、そして運動をすることです。そして何よりも肥満が解消されるだけでなく、より健康になります★

 

ー 適 材 適 食 てきざいてきしょく

小園 亜由美 (こぞのあゆみ)管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ・健康運動指導士・日本化粧品検定1級

毎日更新!たべものブログ【適材適食】小園亜由美(管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ・健康運動指導士・日本化粧品検定1級)糖尿病・甲状腺専門クリニック勤務@福岡姪浜・福岡天神

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*1:文中の表現は全ての人が対象ではない場合があります。現在治療中の方は必ず担当医や管理栄養士の指示に従ってください。食事療法は医療行為です。ひとりひとりの身体の状態に合わせた適切でオーダーメイドなカウンセリングが必要です。充分に注意してください。