2021年7月の頭に鹿児島で開催された講演会に参加しました。
その後、鹿児島で過ごすことができました。
その際に色々とお土産を買ってきました。今日はその中のひとつ、醤油についてのお話です。
醤油(しょうゆ、醬油)
主に穀物を原料とし、醸造技術により発酵させて製造する液体調味料である。日本料理における基本的な調味料の一つ。同様の調味料は東アジアの民族料理にも広く使用される。
しょうゆと云ってもたくさんの種類があります。
こいくち
日本のしょうゆ生産量の8割以上を占めるもっともスタンダードなしょうゆです。食塩分は約16%。用途は、つけ、かけ用としての卓上調味料をはじめ、煮物、焼物、だし、たれなど調理用しょうゆとしてもほぼオールマイティです。原料に「丸大豆」を使ったものや有機JASの認定を受けたものなど、付加価値の高い商品が続々と登場してきています。こいくちしょうゆの麹は、大豆または脱脂加工大豆を蒸したものに、ほぼ等量の炒って砕いた小麦を混ぜてつくります。江戸期以来、関東を中心に発達し、香りと色、味のバランスに優れているのが特長です。うすくち
日本のしょうゆ生産量の13%程度を占めています。「淡口」とは「色が淡い」という意味で「食塩分が薄い」という意味ではありません。食塩分は18~19%とこいくちしょうゆより約2%ほど高いのです。料理素材の魚や野菜などの持ち味や色合いを生かすのに向いていて、淡(あわ)めの色合いとおとなしい香りが特長になっています。醸造食品であるしょうゆは、発酵・熟成が進むほど色が濃くなり、風味が豊かになります。うすくちしょうゆの色が淡いのは高濃度の食塩で発酵・熟成をおさえ、併せて醸造期間を短くしたため。醸造過程の仕上げには甘酒や水あめを加えるのも特徴で、しょうゆのうま味も淡い色と同様、控え目に仕上がっています。また香りもうすいため、つけ、かけ用には不向きですが、野菜の煮物や吸物、うどんつゆなどにはとてもよく合います。たまり
国内生産量は全体の2%弱くらいです。食塩分はこいくちと同程度です。 こいくちやうすくちは大豆と小麦をほぼ等量ずつ用いるのに対し、このしょうゆはほとんど大豆だけでつくられます。大豆を蒸してみそ玉を作り、これに麹菌を植えつけ、塩水に仕込んで1年間熟成させます。愛知県を中心に中部地方で愛用され、刺身のつけじょうゆはもちろんのこと、加熱すると美しい赤みを帯びるので、煎餅やあられなどのつけ焼きなどによく使われます。たまりしょうゆの諸味(もろみ)はとても固く撹拌(かくはん)できないので、諸味の中に細長い竹篭を入れ、この篭にたまってくる液汁を汲んでは諸味の上にかけるという、古式ゆかしい製造方法がとられています。熟成したら、底のほうから液を抜き、そのまま製品にします。こうしてつくられるたまりしょうゆは、大豆のタンパク質から得られるうま味成分が多いため、とろりと濃厚で、香りも重たい感じがしますが、最近では香り立ちを重視すべく、小麦を1割程度加えた製法が主流になってきています。さいしこみ
国内生産量は約1%で、食塩分は約16%。 しょうゆを2度醸造するような製法をとるため「再仕込み」しょうゆと呼ばれます。一般的に色が濃く、どろりと濃厚な味に仕上がります。価格も高いことから、多くは卓上調味料として、主に刺身や鮨に用いられます。発祥は山口県の柳井地方。わずかな生産量ですが、今ではほぼ全国で造られています。麹をタンクに仕込むとき、食塩水を合わせるべきところを、ほぼ同じ塩分濃度の「生揚げ(きあげ)しょうゆ」を合わせて仕込みます。ふつうのしょうゆは加熱処理(火入れ)しますが、この生揚げしょうゆと呼ばれるしょうゆは加熱処理がされていません。酵素がまだ活発に活動している生のしょうゆを食塩水の代わりに仕込むのです。別名甘露しょうゆと呼ばれています。しろ
国内生産量は全体の1%弱、食塩分は約18%です。たまりしょうゆとは反対に、蒸した小麦を主原料に、炒った大豆を少量用いて麹をつくります。小麦中心につくられた麹は香りを生かし、低温・短期間発酵させ、うすくち以上に発酵を抑えてつくられます。生産地は主に三河地方で、歴史的には江戸末期に開発されたもので、比較的新しいしょうゆの一種といえます。色調はビールくらい淡いもので、うま味やコクも抑えてあります。糖分が12~16%と高く、素材本来の色を活かしたり、高級料理のかくし味、うどんの汁などに利用されます。
しかも地域によって様々な醤油があるようです。
西日本は味の多様化が見られ、薄口醤油が3割の近畿地方、溜醤油が1割以上の中部地方、再仕込み醤油を使う中国地方などが特徴的です。 さらに生産方式別にみると、濃口醤油が主体であっても「甘み」の少ない北海道地方と、「甘み」の多い東北地方など違いがあるようです。
まさにその通りで、鹿児島の普通のスーパーに行ってみたのですが、見たことのない醤油が置いてありました。それがこちら↓
左から
▼オレンジラベル
横山醸造 かねよ【母ゆずり】濃口醤油(以下、母ゆずり)
▼ムラサキラベル
藤安醸造 ヒシク【専醤せんしょう】極甘口 濃口醤油(以下、専醤)
▼イエローラベル
吉村醸造 サクラカネヨ【甘露かんろ】濃口醤油(以下、甘露)
です。
鹿児島の地元醤油は濃口醤油が多いようです。前述の通りスタンダードな醤油、ということになります。これら鹿児島を代表する(正しくは私が偶然見つけた)3つの醤油を比べていきたいと思います。(ということで、私個人の感想です)
まずは「色」から。
明らかに色が違います!さらに拡大してみると↓
より色の濃い順で並べると、
- 母ゆずり
- 甘露
- 専醤
ですね。
次に「味」を比べて見たいと思います。
と、ここで比較するために、一般的?な全国区な?醤油代表として、
キッコーマン しぼりたて生しょうゆ(以下、しぼりたて)
も一緒に味わってみたいと思います。
より甘さを感じた順に並べると、
- 専醤
- 母ゆずり
- 甘露
- しぼりたて
となりました。鹿児島の3つの醤油はどれも甘かった印象です。中でも専醤はずば抜けていました!それもそのはずで「日本一甘い醤油」というキャッチコピーがついているそうです。それはもう衝撃的な甘さです。例えるなら「醤油に砂糖を混ぜた」感じです。
逆により塩っ気を感じた順に並べると、
- しぼりたて
- 母ゆずり / 甘露
という感じで、母ゆずり・甘露も同程度、そして専醤は塩っぱさは感じない???程の甘さです。ただ、甘いだけと訊くとベッタリねばっとしたハチミツのようなものをイメージするかも知れませんがそこは醤油、さらっとしているんです。とても不思議な体験でした。
なぜ、こんなに鹿児島の醤油は甘いのか、についてはみなさんその理由を色々と紹介していますので参考までに↓
★モゥー!ポイント★
ご当地ものには必ず理由と歴史があります。黒酢の時もそう思ったのですが、その土地の気候や成り立ちなど様々な要素があって、人々の努力があって、それが長い間磨かれて、現在のご当地ものとなっていったのですね。
ご当地もの探し、これは辞められそうにありません★
日本の味文化を支える醤油。ですが一般的に醤油は多くの塩を含んでいます。血圧が気になる人は減塩などの商品を探して使うようにしましょう。
ー 適 材 適 食 ーてきざいてきしょく
小園 亜由美 (こぞのあゆみ)管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ・健康運動指導士・日本化粧品検定1級
*1:文中の表現は全ての人が対象ではない場合があります。現在治療中の方は必ず担当医や管理栄養士の指示に従ってください。食事療法は医療行為です。ひとりひとりの身体の状態に合わせた適切でオーダーメイドなカウンセリングが必要です。充分に注意してください。