食物繊維の話、最後です。
*これまでの「食物繊維」の話の一部↓
今回は「海藻類」です。
参考にしたのはこちらのサイトです↓
海藻類
海藻(かいそう、英: Seaweed)
藻類のうち容易に肉眼で判別できる海産種群の総称。
藻類には海産のものと淡水産のものがあり、このうち海藻は海産種群を指す。ただし、いわゆる微細藻類は含めず、肉眼的な大きさのものを指すことが多い。
これとは別にアマモのように海産植物ではあるが陸上植物と同様に根・茎・葉を有し、花を咲かせる種子植物もある。これらには「海草」の字が当てられ、海藻とは区別される[1]。海水域に生息する種子植物はアマモ類などの非常に限られた種類だけであり、その生息環境も沿岸部での限定的なものである。多くの海草が砂泥底に生育するのも海藻とは大きく異なる。
海藻は系統学的には異質な複数の分類群から成り立つ。これを反映して形態をはじめ生物学的な性質には大きな多様性が見られる。
*以下の表は同じ100gでどれくらい食物繊維が含まれているか水溶性食物繊維と不溶性食物繊維を合わせて食物繊維総量として比較しています。
- 100gあたりの 水溶性 +不溶性 =総量 単位(g)
- ひじき(乾) 43.3
- 焼きのり 36
- わかめ(乾) 32.7
- 昆布(乾) 27.1
ひじき(乾)(100gあたりの食物繊維総量:43.3 g)
ヒジキ(鹿尾菜、羊栖菜、学名: Sargassum fusiforme)
褐藻類ホンダワラ科ホンダワラ属の海藻の1種である。波の荒い海岸近くの岩場の潮間帯付近に繁茂し、春から初夏に胞子嚢を付けて成熟する。
日本では古くから「ひじきを食べると長生きする」と言われており、敬老の日にちなんで9月15日は「ひじきの日」となっている。
ヒジキは「鉄分豊富」なんてことを訊いたことがある人もいると思います。確かに「昔」は鉄分が豊富でした。というのも、ヒジキに問題があるのではなく調理器具の問題です。その昔、鍋は「鉄製」のものが殆どでした。鉄製の鍋でヒジキを茹でると鉄分がヒジキにうつっていたのが判ったのです。文部科学省が発表している日本食品標準成分表によると従来の干しヒジキの鉄分は100gあたり58.2mgだったのですが最新では100gあたり6.2mgと修整されています。お手元の鍋を観てみてください、多くがステンレス製となっていると思います。鉄分が減ってもヒジキには食物繊維がたっぷりなので積極的に摂るようにしましょう。
焼きのり(100gあたりの食物繊維総量:36 g)
海苔(のり)
紅藻・緑藻・シアノバクテリア(藍藻)などを含む、食用とする藻類の総称。日本では、古く「紫菜」「神仙菜」と呼ばれた。食品として、それら藻類を加工した「生海苔」や「板海苔」などが食されており、米飯のおかずや江戸前寿司などで重要な材料となっている。
日本語の「ノリ」はヌラ(ぬるぬるするの意)を語源とする。水中の岩石に苔のように着生する藻類全般を表す語で、広義には食用とする紅藻類・藍藻類の総称である。平安時代末期は「甘海苔」といい、アマノリを板海苔に成形した「浅草海苔」が江戸時代以降に広まった。
海苔はタンパク質、食物繊維、ビタミン、カルシウム、EPA、タウリン、ベーターカロテン、アミノ酸などが豊富に含まれており、栄養に富んでいる。日本のほか、中国、韓国、イギリス、ニュージーランドで養殖もされている。1980年代にアメリカでも養殖が試されたが、失敗に終わっている。
海苔と云えば私の故郷「佐賀」。
2019年の農林水産省の海苔(洋食)生産量の都道府県別シェア
- 25.9 %・・・・佐賀県 65,203t(佐賀市、鹿島市、白石町)
- 21.1 %・・・・兵庫県
- 15.7 %・・・・福岡県
- 13.2 %・・・・熊本県
- 4.6 %・・・・宮城県
- 19.5 %・・・・その他
全国でも1位なんです! 実際に日常的に海苔のやりとり?!があったりします。
わかめ(乾)(100gあたりの食物繊維総量:32.7 g)
ワカメ(若布、和布、稚海藻。学名: Undaria pinnatifida)
褐藻綱コンブ目チガイソ科の海藻である。
日本などで食用とされ、日本では天然物の採取のほか、第二次世界大戦後は本格的に養殖が行われている。
ワカメって何色だと思いますか?
▲海の中だとこのように茶色なんです。これって枯れているように見えますが、これがワカメの本来の色、なのです。でも私たちが食卓で目にする色は
▲深い緑色ですよね。この色の変化はクロロフィルという成分です。
皆さんが食べているわかめ(乾燥のカットわかめや塩蔵の生わかめ)はきっと鮮やかな緑色をしていることと思いますが、わかめは海に生息しているときは褐色(茶色)をしている褐藻類という海藻なのです。それが収穫されてすぐ湯通しをされると一瞬にして鮮緑色に変化します。これはわかめの持つ色素のクロロフィルaの色が出てきたためです。わかめはクロロフィルa(緑色)とクロロフィルc(青緑色)という2種類のクロロフィルを持っています。その他にフコキサンチンなどの色素を持ち、それらが酵素によって結合していると言われ、湯通しすることにより、酵素(タンパク質)が変性して酵素としての働きがなくなり、クロロフィルaと他の色素が離れ離れになります。それによってクロロフィルa本来の緑色が出てくるのです。
クロロフィル、実は以前「紅葉」の話にも出てきた成分なんです↓
昆布(乾)(100gあたりの食物繊維総量:27.1 g)
コンブ(昆布)
オクロ植物褐藻綱コンブ目コンブ科 (学名:Laminariaceae )に属する数種の海藻の一般的な名称である。生物学が生まれる以前からの名称であるため、厳密な定義はできないが、葉の長細い食用の種がコンブと呼ばれる傾向がある。コンブ科に属する海藻でも、オオウキモ(ジャイアントケルプ)は通常、コンブとは呼ばれない。
生物学ではカタカナ書きの「コンブ」が使われるものの、単なる「コンブ」と言う種は存在せず、マコンブやリシリコンブ、ミツイシコンブなどのように、コンブ科植物の種の標準和名に用いる。他方、食品など日常的には昆布やこんぶ(こぶ)の表記も使われる。ウェブスター辞典などにもそのままkombuとして記載されている。
コンブという名前の由来には3つあるそうです、
- 広布(ひろめ)→音読→コウフ→コンブ
- アイヌ語コンボ→中国→逆輸入の外来語コンブ
- 中国の周の時代、周公「爾雅 ジガ」綸草、組草→綸布(カンプ)
2018年の都道府県別収穫量によると、
72.7 %・・・・北海道 24,377トン
24.1 %・・・・岩手県 8,079トン
と圧倒的に北海道産が多いことから、アイヌの人達の言葉というのも、うなずけます。
★モゥー!ポイント★
海藻類はどれも食物繊維を多く含んでいる食品。しかもほとんどが生ではなく乾物として利用されていることもあり、長期保存が利くのでとても便利な食品です。オススメの食材です★
ー 適 材 適 食 ーてきざいてきしょく
小園 亜由美 (こぞのあゆみ)管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ・健康運動指導士・日本化粧品検定1級
*1:文中の表現は全ての人が対象ではない場合があります。現在治療中の方は必ず担当医や管理栄養士の指示に従ってください。食事療法は医療行為です。ひとりひとりの身体の状態に合わせた適切でオーダーメイドなカウンセリングが必要です。充分に注意してください。