ついこの前まで夏日とか言っていたのに、ここ最近急激に寒くなってきました。寒くなってくると食べたくなるのが、鍋やおでん、ですね。
鍋やおでんは色々な具が入っていて、それだけで楽しいし、美味しいのですが、やっぱり決め手は汁=ダシです。ダシも色々ありますが、今回はコンブのお話。
コンブからダシを取る時、水を火に掛けてその中にコンブを入れて煮立てます。
昆布出汁、美味しいですね。美味しいだけでなくコンブには、
- 水溶性食物繊維「アルギン酸」「フコイダン」
- ミネラル
- 色素成分「フコキサンチン」
- うまみ成分「グルタミン酸」
と栄養もたっぷり入っています。まさに身体がよろコンブです。そこでふと気づきました。
コンブは海の中でダシを出してないのだろうか、と。実は海水はコンブの出汁が出ていてとてつもなく美味しくとてつもなく大きなだし汁の塊ではないか、と。
ということで調べてみました。
まずはおたる水族館から。
「コンブが海でダシが出ないのはなぜでしょうか?」。おたる水族館(北海道小樽市)に設置されたクイズ形式の展示が先日、ツイッター上で注目を集めました。設置の経緯を担当者に聞きました。
3択クイズ
話題になったのは、北海道の生き物たちが暮らす水槽の前に設置されたクイズ形式の展示で、以下のように書かれています。
コンブが海でダシが出ないのはなぜでしょうか?
(1)実は出ている
(2)海水だから
(3)耐えている
この展示がツイッターで紹介されると、「これは確かになんでだろうってなりますね」「耐えているって表現の仕方で笑う」といったコメントが寄せられ、注目されました。
正解は……正解は「(3)耐えている」。展示の続きには理由がこう書かれています。
「意識して、耐えているわけではありませんが、コンブは自分の栄養が出て行かない様に、生命活動をしているのでダシが出ないのです。乾燥させたり熱湯に入れることで、コンブが死んで、細胞壁が壊れるとダシがでます」
えっ・・・。耐えている、んですか?意外な答え、でした。
他にも見てみます。
熊本の海藻類を取り扱っている会社のサイトから↓
■『コンブは海の中で出汁が溶け出しているのか』の答えは!?
ズバリお答えすると、出汁は溶け出していません。
市販されているコンブは、塩水の中でも、水の中でも、煮立ったお湯の中でも、出汁は溶け出します。海の中にいるコンブと市販されているコンブ、出汁が出る、出ないの違いは何かと言うと、コンブが生きているか、死んでいるかの違いです。
生きているコンブからは出汁は溶け出さず、死んだコンブからは出汁が溶け出すというわけです。
違いを分かりやすくするために、死んだコンブと言いましたが、死ぬというとやっぱり聞こえが悪いので、ここからは『加工されたコンブ』で説明を進めますね。
海中で溶け出さないのは生きているから、だそうです。
次はTBSのサイトからです↓
昆布のダシが海の中では出ないのは、昆布が生きているから。
昆布のダシの旨味成分はグルタミン酸などのアミノ酸で、昆布の細胞の中に含まれています。アミノ酸は、昆布が生きていくためにとても大切な成分。だから、昆布が生きている間は細胞によって体内に閉じ込められていて、外に出ないようになっています。昆布のダシが海の中では出ないのはこのためです。実際、昆布のまわりの水を採取して調べてみても、旨味成分は一切含まれていません。
ダシがでるようになるのはなぜ?
しかし、昆布は海から引き揚げられると死んでしまい、細胞のガードも壊れます。その結果、生きている間は中に閉じ込められていたアミノ酸が外に出られるように。水にさらせば簡単に旨味成分が出てくるようになり、料理のときは、簡単にダシを取ることができます。昆布のダシが海の中で出ないのは、昆布の細胞が生きていて、旨味成分を閉じ込めていたからでした。
なるほど、納得です!
★モゥー!ポイント★
和食、いや私たち日本人に欠かすことのできない昆布出汁。コンブにとって大切な栄養素であるグルタミン酸は私たちにとっても大切でしかも旨味のある栄養素、なんですね。感謝して頂きましょう★ コンブさんありがとう!
ー 適 材 適 食 ーてきざいてきしょく
小園 亜由美 (こぞのあゆみ)管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ・健康運動指導士・日本化粧品検定1級
*1:文中の表現は全ての人が対象ではない場合があります。現在治療中の方は必ず担当医や管理栄養士の指示に従ってください。食事療法は医療行為です。ひとりひとりの身体の状態に合わせた適切でオーダーメイドなカウンセリングが必要です。充分に注意してください。