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1579食目「脳内の神経細胞ニューロンを増やす栄養素が判明?!」認知症を防ぐ栄養素発見か?

「脳内の神経細胞ニューロンを増やす栄養素が判明?!」認知症を防ぐ栄養素発見か?【適材適食】小園亜由美(管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ)糖尿病専門・甲状腺専門クリニック勤務@福岡姪浜・福岡天神

老化は誰にとっても大きな問題です。若くて元気な頃は1mmも考えたりしないものですが、年齢を重ねていく毎に、徐々に問題となってきます。特に認知症は避けられるものなら誰もが避けたいのではないでしょうか。

とある記事が目に止まりましたので紹介したいと思います。なんと、脳内にある神経細胞を増やすことのできる栄養素が発見された、というニュースです。記事の紹介の前にニューロンという言葉が出てきますので簡単に紹介します。

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ニューロンとは?

神経細胞(しんけいさいぼう、ニューロン、neuron)

神経系を構成する細胞で、その機能は情報処理と情報伝達に特化しており、動物に特有である。なお、日本においては「神経細胞」という言葉でニューロン(neuron)ではなく神経細胞体(soma)を指す慣習があるが、本稿では「神経細胞」の語を、一つの細胞の全体を指して「ニューロン」と同義的に用いる。

神経細胞 - Wikipedia

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ニューロン(neuron)

生物の脳を構成する神経細胞のことである。 この神経細胞は、図 2.1のような構造になっており、 核が存在する細胞体、ニューロンの入力である樹状突起、出力部分であるシナプス、 伝送路に当たる軸索がある。 人間の脳の場合にはこの細胞が100億から1000億程度あるといわれている。

ニューロンとは

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脳のニューロンの数を増やす栄養素が判明

「脳内の神経細胞ニューロンを増やす栄養素が判明?!」認知症を防ぐ栄養素発見か?【適材適食】小園亜由美(管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ)糖尿病専門・甲状腺専門クリニック勤務@福岡姪浜・福岡天神

マウスを用いた実験により、脳の活性化や老齢期における記憶力の維持には必須元素の1つであるセレンが役立つ可能性が高いことが分かったとの論文が発表されました。

運動は体だけでなく脳にもいいと言われており、過去の研究でも運動によりアルツハイマー病患者の脳が改善される可能性があることや、運動は脳の記憶領域を活性化させることが確かめられています。

「脳内の神経細胞ニューロンを増やす栄養素が判明?!」認知症を防ぐ栄養素発見か?【適材適食】小園亜由美(管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ)糖尿病専門・甲状腺専門クリニック勤務@福岡姪浜・福岡天神
しかし、運動が脳にいいことは分かっていても、具体的なメカニズムは不明でした。そこで、オーストラリア・クイーンズランド大学のタラ・ウォーカー氏らの研究チームは、運動後のマウスの脳で38種類のタンパク質濃度が上昇していたことを突き止めた以前の研究結果に着目。特に、セレンを含むタンパク質であるセレノプロテインPが運動後に2倍になっていたことを手がかりに、セレンが脳細胞に与える影響を調べる実験を行いました。

研究チームはまず、新しいニューロンを生み出す元となる細胞を培養し、そこにセレンが水や土壌などに存在する際の形態である亜セレン酸ナトリウムと、食事などに含まれる際の形態であるセレノメチオニンを加えました。その結果、たった14日間で神経前駆細胞が2倍になったとのこと。さらに、亜セレン酸ナトリウムをマウスの脳に7日間直接注入したところ、海馬の神経前駆細胞の数が3倍に増加したとの結果も得られました。

この実験結果を確認するため、研究チームはセレノプロテインPの合成や受容体に関わる遺伝を欠損させたマウスを作って運動をさせました。その結果、マウスが運動をしても神経前駆細胞が増加することはなかったとのことです。
セレンが神経新生にとって重要なことを確かめた研究チームは次に、人間の年齢に換算すると60歳に相当する生後18カ月のマウスに、セレノメチオニンを加えた飲み水を与えました。その結果、マウスの海馬にある新しい神経細胞の数は2倍になりました。

セレンを含む水を飲んだ老齢のマウスは、軽い電気ショックが出る場所を記憶して避けたり、32個ある穴の中からマウスが好む暗い部屋につながる穴を覚えたりする記憶力テストでも、対照群より優れた成績を示したとのこと。この結果は、セレンには脳の老化を食い止める働きがあることを示しています。
研究チームは最後に、セレンが脳の損傷による認知障害から回復するのに役立つかどうかを調べるため、マウスの海馬に神経細胞を破壊する物質を注入し、脳卒中に似た症状を発生させました。その結果、セレンを与えられていないマウスは前日に電気ショックを受けた場所を思い出すことができなくなりましたが、セレンを与えられたマウスは正常なマウスと同様にテストで優れた成績を示したとのことです。

また、新しくニューロンが形成されないようにしたマウスではセレンを与えても認知機能が回復しなかったことから、セレンによる脳の再生効果は神経新生が起きるかどうかにかかっていることも判明しました。
ウォーカー氏は、今回の研究結果について「運動が脳に新しい神経細胞ができるのを助けることは以前から分かっていましたが、そのメカニズムはよく分かっていませんでした。私たちの研究結果は、運動によるセレンの補給がニューロンを増加させ、認知力を改善することを示しました」と話しました。

セレンは、豆類や穀類、ナッツなどに豊富に含まれているミネラルで、優れた抗酸化作用があります。しかし、過剰摂取による毒性も強いことから、専門家はセレン入りのサプリメントの使用を運動の代用品にしたり、セレンを過剰摂取したりしないよう呼びかけています。

一般的に、野菜・肉・果物などのバランスがとれた食事をしている人は、すでに十分なセレンを摂取できています。しかし、高齢者や神経疾患を持つ人に対しては、セレンのサプリメントが有益な治療法になる可能性があると、ウォーカー氏は指摘しました。なお、この研究結果を取り上げたアメリカ科学振興協会の科学雑誌・Scienceは、今回の研究にはサプリメント業界からの資金提供は一切行われていないことを確認しています。

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セレンとは?

セレン。あまり耳慣れない栄養素ですが、どんな姿なのでしょうか。

セレン(英: selenium [sɨˈliːniəm]、独: Selen [zeˈleːn])

元素記号が Se である原子番号34の元素。カルコゲン元素の一つ。ヒトの必須元素の1つでもある。

セレン - Wikipedia

抗酸化作用を持っている、とされています。抗酸化作用についてはこちら↓

セレンの性質と働き
セレンは土壌、水、特定の食品に含まれる必須微量ミネラルです。主に肝臓や腎臓に含まれ、甲状腺ホルモンの活性化に必須であり、抗酸化作用で組織細胞の酸化を防ぐ働きをします。水銀などの有害物質を無毒化し、血栓症の予防にも役立つため、注目されている栄養素です。

セレン|栄養素カレッジ|大塚製薬

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セレンを含む食品

セレンはどんな食品に含まれているのでしょう。

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▲マグロ

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▲ワカサギ

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▲イワシ

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▲タラコ

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▲タラ

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▲カツオ節

「脳内の神経細胞ニューロンを増やす栄養素が判明?!」認知症を防ぐ栄養素発見か?【適材適食】小園亜由美(管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ)糖尿病専門・甲状腺専門クリニック勤務@福岡姪浜・福岡天神

▲ネギ

「脳内の神経細胞ニューロンを増やす栄養素が判明?!」認知症を防ぐ栄養素発見か?【適材適食】小園亜由美(管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ)糖尿病専門・甲状腺専門クリニック勤務@福岡姪浜・福岡天神

▲全粒穀物

色々な種類の食品に含まれているのですね。

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セレン摂取の注意点

摂取不足

消化管からの吸収率が50%以上と高いため、通常の食生活であれば不足の心配はほぼありません。セレン欠乏症の症状はさまざまで心筋障害に伴う心不全、四肢の筋肉痛や筋力低下、爪の白色化が代表的な症状となります。

 

過剰摂取

通常の食生活では過剰摂取の心配はほとんどありませんが、サプリメントなどで補う場合には推奨量を超えないよう注意が必要です。
慢性的に過剰な摂取を続けると、脱毛、爪の変形、嘔吐や下痢、頭痛やしびれ、神経過敏などの症状が出るおそれがあります。

 

妊娠中、授乳中の方へ

妊娠中は30μg、授乳中は45μgが推奨量とされています。
「日本人の食事摂取基準(2020年版)」より

セレン|栄養素カレッジ|大塚製薬

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★がぉー!ポイント★

こういうレポートに出会うと

ーーーセレンをたくさん摂るぞ!

となってしまいますが、上記にもあるように通常の食生活であれば不足の心配はほぼありませんということです。むしろ過剰摂取による不調が現れてしまいます。今回の記事をまとめるためにネットを検索しましたがセレンを摂るためのサプリメントなどがたくさん見つかりましたが、基本的に必要ではないはずです。

「脳内の神経細胞ニューロンを増やす栄養素が判明?!」認知症を防ぐ栄養素発見か?【適材適食】小園亜由美(管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ)糖尿病専門・甲状腺専門クリニック勤務@福岡姪浜・福岡天神

3食、様々な食材から色々な栄養素を摂ること。そして適度にカラダを動かすことの大事さを私は改めて認識しました。

 

ー 適 材 適 食 てきざいてきしょく

小園 亜由美 (こぞのあゆみ)管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ・健康運動指導士・日本化粧品検定1級

【適材適食】小園亜由美(管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ)糖尿病専門・甲状腺専門クリニック勤務@福岡姪浜・福岡天神

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*1:文中の表現は全ての人が対象ではない場合があります。現在治療中の方は必ず担当医や管理栄養士の指示に従ってください。食事療法は医療行為です。ひとりひとりの身体の状態に合わせた適切でオーダーメイドなカウンセリングが必要です。充分に注意してください。